妊娠8ヶ月の体重増加の目安は?腹痛や出血に注意!

監修専門家 助産師 佐藤 裕子
佐藤 裕子 日本赤十字社助産師学校卒業後、大学病院総合周産期母子医療センターにて9年勤務。現在は神奈川県横浜市の助産院マタニティハウスSATOにて勤務しております。妊娠から出産、産後までトータルサポートのできる助... 監修記事一覧へ

妊娠8ヶ月目から出産までの期間を「妊娠後期」と呼びます。大きくなった子宮に胃や心臓が押され、動悸や息切れ、胃もたれが起きやすい時期です。胎児は体の器官がほぼできあがりますよ。今回は妊娠8ヶ月目のお腹の大きさや体重増加の目安、赤ちゃんの成長度合い、出産に向けた変化などについてご説明します。

妊娠8ヶ月目はどんな時期?

妊婦 本

妊娠8ヶ月目とは妊娠28~31週目の4週間にあたります。安定期を過ぎて、出産に向けて体が大きく変化を始める時期です。2週間に1度の妊婦健診で、より細やかにママの体や赤ちゃんの状態を管理していきます。

この1ヶ月で、胎児は外の世界で生きていくための身体機能がほぼ整い、骨格や筋肉もしっかりしてきます。見た目は新生児と似た姿になってきていますよ。

妊娠28週目

妊娠28週目の胎児の頭の大きさは7cmほどで、体重は1,000gを超える子が多くなります(※1,2)。光・音・味・においに対する五感が敏感になるので、外で起きている世界の変化を感じるようになります。

子宮底長は24cm以上と、大きくなります(※1)。子宮で胃や食道が強く圧迫されて、胃もたれや胸焼けなどの「後期つわり」の症状が出始める人もいます。

妊娠29週目

妊娠29週目頃の胎児は、脳が発達して、表面のシワが増えてきます。皮下脂肪もついてきますよ。

赤ちゃんが大きくなることで、子宮内で動けるスペースも少なくなるので、胎動の回数が減少してきます。ただし、1日のうち1回も胎動を感じないということはないので、異常を感じたらすぐに病院へ連絡しましょう。

妊娠30週目

妊娠30週目の胎児の体重は、1,300gほどが目安です(※2)。体内の臓器はほとんどできあがっているので、それほど大きな変化はありませんが、体は着実に大きくなっています。

妊娠30週前後には羊水量が最大になり、その量は800mlほどです(※1)。ママのお腹はより一層前にせり出してきます。おりものが増えたり、むくみやすくなったりと、妊娠後期特有の体の変化を感じるようになるかもしれません。

妊娠31週目

妊娠31週目の胎児の身長は約40cm、体重は約1,500gを目安に成長します(※1)。外見上は生まれたての新生児とほとんど変わりません。臓器もほぼ完成しますよ。

お腹はかなり大きくなってきたので、横隔膜への圧迫感が増して動悸や息切れが起こりやすい時期です。腰にも負担がかかって、痛みが出やすくなるなどのマイナートラブルも増えてきます。

妊娠8ヶ月のお腹の大きさは?体重増加の目安は?

妊婦 食事

妊娠8ヶ月目の終わり頃のお腹の大きさは、子宮底長で27cmほどです。羊水量が最大になる時期なので、体重もまだまだ増加します。1週間に0.3~0.5kgほど増えているのが目安です(※1)。

妊娠後期の摂取カロリー目安は、妊娠前の+450kcalほどです(※1)。赤ちゃんに栄養を供給するためにもしっかり食べましょう。

しかし、今の時期はホルモンの影響で太りやすくなっている上、体が甘い物を欲しています。甘い物を食べるときには、食事の量を少し減らすなどの配慮をして、全体的に食べ過ぎないように工夫してくださいね。

妊娠8ヶ月目からは後期つわりに注意!

女性 頭痛 不調

妊娠後期になると、吐き気や胃のむかつき、げっぷ、胃痛などの不快症状が出てきます。これは「後期つわり」と呼ばれ、妊娠初期のつわりと似た症状です。大きくなってきた子宮に胃が圧迫され、胃液が食道に逆流し、胃粘膜を荒らすことが原因で起こります。

後期つわりが落ち着くのは、出産に向けて胎児の位置がさがる妊娠10ヶ月目頃です。それまでは根本的な解消法がないので、妊娠初期のつわり同様に、普段の食事の工夫などで乗り切ってください。

一度にたくさん食べるのではなく、少しずつよく噛んで食べる、胃に負担の少ないものを食べる、食後2時間は横にならないなどの対策を取りましょう。

妊娠8ヶ月目は便秘や痔になりやすい?

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子宮が大きくなると、直腸周囲の消化管の働きが悪くなります。特に妊娠8ヶ月目くらいになると、胎児も成長して圧迫が強くなり、便秘気味になる人が増えます。そして、便秘がちの人はトイレでいきむことが増えて、肛門がうっ血して痔になる可能性があります。

痔も妊娠中に起こりやすいマイナートラブルのひとつです。今まではまったく縁がなかった人でも体調の変化で痔になることも。食物繊維や水分をしっかり摂って便を柔らかくする、トイレを我慢しない、下半身を温めるなど、便秘予防に努めましょう。便秘の改善が、痔の予防につながります。

もし発症しても、病院に相談すれば塗り薬や内服薬で治療できることも多いので、マタニティライフを過ごしやすくするためにも、恥ずかしがらずにかかりつけの医師に相談してくださいね。

妊娠8ヶ月目の胎児の大きさや体重は?

妊娠29週 エコー写真

妊娠8ヶ月目の終わりには胎児の身長は40cm、体重は1,500gほどになります(※1)。新生児とほぼ変わらない見た目になりますよ。骨格や臓器はほぼ完成し、体の表面に生えていた産毛が消えて、皮下脂肪がついて皮膚のシワも少なくなります。

視覚も発達して光を感じ取れるようになり、聴覚はさらに発達して外の大きな音を聴き取っています。記憶に関わる、脳内の海馬という部位も成長し、記憶する能力が飛躍的に高まります。

脳や肺、消化器官以外の主要な臓器はあともう少しで完成ですが、まだ早産の時期なので、切迫早産などの兆候があったら早めに対処してくださいね。

妊娠8ヶ月目に逆子と診断されても慌てないで

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妊娠8ヶ月目に入ると、胎児の脳が発達して重くなり、自然と頭が下がってきます。今まではお腹の中で上下左右に動き回っていた赤ちゃんも、頭を下に向ける姿勢で安定してきますよ。医師から逆子と言われていた人も、自然と元に戻っていることがあります。

ただ、妊娠30週目を迎えても、頭が上を向いた「逆子」の状態になっているケースがあります。その場合、逆子体操などに取り組んで赤ちゃんの姿勢を戻していく必要が出てきます。

妊娠8ヶ月目で逆子と診断されたら、医師と相談しながら逆子体操やお灸、ツボ押しなどに取り組んでみましょう。「元に戻ってね」と声をかけながら、お腹をさすってあげるのもいいですね。

ただし、最終的に逆子のまま出産するケースは全体の3~5%で、それほど多くありません(※1)。

妊娠8ヶ月はお腹の張りが出やすい?腹痛や出血に注意!

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妊娠8ヶ月目になると出産の準備が整ってくる一方、トラブルで出産が早まってしまうこともあります。前置胎盤や常位胎盤早期剥離などのトラブルは誰にでも起こりうることなので、妊婦健診で異常がないか、普段の生活でいつもと違った症状はないか、注意していきましょう。

安静にしても治らないお腹の張りや腹痛、出血などは、何らかの異常のサインの可能性があります。現れたときには早めの対応を心がけましょう。特にお腹が石のようにカチカチに硬くなる、お腹の張りと一緒に腹痛や出血が現れるなどの症状は、切迫早産や常位胎盤早期剥離の可能性もあります。

症状だけで自己判断するのは難しいので、安静にしていても張りがおさまらないときは、病院に連絡して相談するようにしてください。

妊娠8ヶ月目以降も妊娠高血圧症候群の予防を

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妊娠高血圧症候群は、重症化すると最悪の場合、母子ともに死に至るリスクがある疾患です。妊娠32週未満に発症するものを早発型、妊娠32週以降に発症するものを遅発型といいます。

妊娠20週~分娩後12週の間に高血圧(最高血圧が140mmHg以上、最低血圧が90mmHg以上)がみられる場合、または高血圧に加えて尿たんぱくが1日に30mg以上出る場合には妊娠高血圧症候群と診断されます(※2)。

妊娠高血圧症候群は重症化するまで自覚症状がほとんどありません。自分は大丈夫と楽観視せず、普段から塩分を控えめにして栄養バランスのとれた食事をする、ストレスをためない、適度な運動をする、睡眠をしっかり取るなどの心がけが大切ですよ。

妊婦健診で血圧を計ることで早期発見できるので、欠かさず受診してください。

妊娠8ヶ月目に腰痛を引き起こさないためには?

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お腹が前にせり出して腰が反ってしまうことで、腰周辺の関節や筋肉に負担がかかり、腰痛を引き起こしています。妊娠中に腰痛はつきものですが、普段から腰に負担をかけないよう対策することで症状を緩和することもできます。

具体的には、マットレスを適度な硬さのものに変える、仰向けでは寝ないようにする、日々ストレッチをする、腰痛対策グッズを使うなどの方法があります。腰痛緩和の効果は個人差があるので、自分にあった方法を見つけてくださいね。

妊娠8ヶ月目には出産準備をしよう

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妊娠8ヶ月目頃は、体調のよいときに赤ちゃんの肌着やお世話グッズ、出産準備品などを揃えておきましょう。入院に必要なもの、退院後に必要なもの、退院してから購入するものなど、リストアップしておくとバタバタせず安心して赤ちゃんを迎え入れられますよ。

妊娠8ヶ月目には毎日の胎動カウントで体調管理

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妊娠8ヶ月が終わると、出産予定日まであと2ヶ月を切ります。赤ちゃんとの対面が迫ってくると、無事に生まれてきてくれるだろうかという不安も大きくなってくると思います。そんなときは毎日の胎動をチェックして、赤ちゃんが元気なことを確認しましょう。

1日のうちまったく胎動を感じなくなるということはないので、ときどき安静にして、胎動を感じる時間を作ってみてくださいね。楽しい時間を過ごしながら、出産への不安を和らげていきましょう。

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