妊婦が腰痛のときの寝方は?仰向けは?寝れないときはどうする?

監修医師 産婦人科医 藤東 淳也
藤東 淳也 日本産科婦人科学会専門医、婦人科腫瘍専門医、細胞診専門医、がん治療認定医、日本がん治療認定医機構暫定教育医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医で、現在は藤東クリニック院長... 監修記事一覧へ

妊娠中は腰痛が起きやすいですが、どうやって改善したらいいのかわからない人も多いのではないでしょうか。そんなときは、「寝方」を変えてみるのがおすすめです。

今回は、妊娠中の腰痛に効く寝方や腰痛をやわらげるためにできる工夫についてご説明します。

妊娠中の腰痛の原因は?

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妊娠前は腰痛と無縁だった人でも、妊娠を機に腰痛持ちになることはよくあります。

これは、妊娠によって分泌されるホルモンによって骨盤まわりの靭帯や関節がゆるみ、腰に負担がかかることが原因です。

また、妊娠中期・後期になるとお腹が大きくなり、お腹を支えるために体を反らせる姿勢をとりがちです。反り腰は、腰まわりの筋肉に負担がかかるので腰痛を悪化させる原因になります。

腰痛のある妊婦さんにおすすめの寝方って?

抱き枕 妊婦 寝る クッション シムス

腰痛がある妊婦さんにおすすめの寝方は、「横向き」です。腰の痛みがあるほうを上にして、できるだけ患部に負担をかけないように寝ましょう。

ただし、お腹が大きくなってくる妊娠中期〜後期に体の右側を下にして寝ると、血管が圧迫されて寝苦しくなることがあるので注意してください。

寝苦しさを感じるときには、体の左側を下に上半身はうつ伏せ気味にして、上にくる膝を曲げる「シムス体位」で寝るのがおすすめです。腰への負担も少なく、お腹の圧迫も軽減されるはずですよ。

仰向け寝・うつぶせ寝は妊娠中の腰痛を悪化させる?

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妊娠中の腰痛改善に横向きで寝るのはいいことですが、仰向け寝やうつぶせ寝は、かえって腰痛を悪化させることがあります。

仰向けで寝ると、大きくなるお腹を支えるために反りがちな背中や仙骨の辺りに負担がかかって、腰に痛みが出やすくなります。大きなお腹が圧迫されて動悸や息苦しさを感じ、ぐっすり寝られないことも。

また、妊娠中期以降の仰向け寝をしていると、死産のリスクが約2.6倍に高まるというデータもあるので注意が必要です(※1)。

うつぶせで寝ると、腰自体への負担は少なくなりますが、お腹が大きくなると寝づらくなってきます。腰が楽だとしても、寝苦しさを感じるようになったらうつぶせ寝はやめましょう。

寝ているときの妊婦さんの腰痛をやわらげるには?

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寝ているときに妊娠中の腰痛を改善するには、以下のような方法もおすすめです。

抱き枕を使う

抱き枕に抱きついて寝ると、シムス体位がとりやすくなります。

今まで仰向け寝やうつぶせ寝をしていた人は、抱き枕を使って横向きの寝方を習慣づけましょう。

股の間にクッションや座布団を挟んで寝る

横向きで寝るときに股の間に枕やクッションを挟むのもおすすめです。自然と膝が曲がって腰の筋肉がゆるみ、腰痛が軽減する効果が期待できますよ。

起きるときの姿勢を変える

腰痛があると、ベッドや布団から起き上がるときに痛いところをかばって、体をひねるようにして起き上がってしまいます。

この動きは腰にかかる負担が大きいので、起きるときの姿勢も変えましょう。

  • ベッドの場合:寝た状態で先に足だけ下ろし、ゆっくり上体を起こす
  • 布団の場合:横向きの姿勢から四つん這いになり、ゆっくり起き上がる

寝方以外の妊娠中の腰痛対策って?

ストレッチ 伸び リラックス リフレッシュ

妊娠中の腰痛対策には、運動や骨盤まわりのサポートもおすすめです。

普段の生活の中で「トコちゃんベルト」のような骨盤ベルトを着用して骨盤まわりをサポートすることで、腰への負担が軽減できることもあります。

また、ストレッチをすると腰回りの筋肉がゆるみ、痛みも緩和されます。無理のない範囲でストレッチや体操に取り組んでみましょう。

普段の生活を見直して妊娠中の腰痛をやわらげよう

妊娠中は普段と比べて横になる機会が増えるので、寝方一つで腰痛の度合いも変わってきます。

そのほか、腰を冷やさない、ストレスをためない、姿勢に気をつけるなど、腰痛を悪化させないように日々の生活も見直してみましょう。

妊娠による腰痛は出産後に治ることもあるので、それまでは無理をせず、上手に付き合っていけるといいですね。

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