陣痛から出産までの時間は?お産の流れまとめ

記事監修 看護師、助産師 丸山 菜穂子
丸山 菜穂子 看護師・助産師免許取得後、小児科病棟・外来、産婦人科病棟・外来にて勤務してきました。臨床現場で感じた疑問や問題に取り組みたいという思いから、大学院での学びを決意し進学。現在、大学院にて助産学を専攻し研... 続きを読む

臨月に入ると、これから迎える出産に不安を感じる人も少なくありません。経産婦さんも一度経験しているとはいえ、前回と同じとは限りませんし、お産の痛みを知っているぶん、怖くなることもあるかもしれませんね。事前に出産の流れを把握・おさらいしておくことで、心の準備をしておきましょう。今回は、陣痛から出産までの時間や進み方など、お産の流れをご説明します。

陣痛が来たらどうする?

ステップ 流れ

お産までに起こる陣痛には、「前駆陣痛」と「陣痛」の2種類があります。

出産前の準備運動として起こる不規則な子宮収縮が「前駆陣痛」で、直接出産にはつながりません。その前駆陣痛の後に起こる、規則的な子宮収縮が「陣痛」で、分娩開始の合図になります。

なお、「陣痛」が正式な医学用語ですが、一般的には「本陣痛」とも呼ばれています。本記事ではこれ以後、前駆陣痛との混同を避けるために、「陣痛」を「本陣痛」と表現します。

前駆陣痛もお産が近づいている証ではありますが、そのあと本陣痛が始まるまでの長さには個人差があるので、すぐに病院に連絡する必要はありません。

不規則だった痛みがだんだん規則正しくなってきたら本陣痛です。まずは安静になれる場所に移動して、陣痛間隔を記録しましょう。

痛みが現れた時間となくなった時間をメモします。最近では陣痛の間隔を記録できるアプリがあるので、そちらを使うのも便利です。

一般的に、初産婦さんは、痛みが現れてから次の痛みが現れるまでの間隔10分を切ったら、病院に連絡します。

ただし、規則的な陣痛がなくても破水が疑われる場合や胎動が少ない、痛みが強いなど、気になることがあるときには、すぐに病院に連絡してください。

また、妊娠経過の状況によって、病院に連絡するように指示されるタイミングが異なるため、事前に医師や助産師に確認しておきましょう。

陣痛から出産までの流れは?時間は初産婦と経産婦で違う?

陣痛 出産 

陣痛から出産までの分娩の流れは、大きく3段階に分けられます。

本陣痛が10分間隔になってから子宮口が全開大になるまでが「第一期(開口期)」、子宮口が全開大になってから赤ちゃんを生み出すまでが「第二期(娩出期)」、赤ちゃんが生まれてから胎盤などをすべて排出し終えるまでを「第三期(後産期)」と呼びます。

第一期にかかる時間がもっとも長く、子宮口が全開大になれば、赤ちゃんに会えるまであと一息です。

3_陣痛開始から分娩までかかった時間

上の円グラフは、こそだてハックの読者アンケート(※)による、初産で陣痛開始から分娩までにかかった時間を表わした結果です。

これを見てもわかるとおり、陣痛から分娩までにかかる時間は個人差があり、4時間未満で終わった人もいれば、18時間以上かかった人もいます。

陣痛から出産までの時間は、初産婦の方が長い?

7_陣痛開始から分娩まで長くかかったのは?

同アンケートの結果、「第一子の方が、陣痛から出産まで長く時間がかかった」と答えたママが66%でした。ただし、「第二子以降の方が長かった」という人も11%いるので、実際にお産を迎えてみないとわからないと考えておきましょう。

経産婦と初産婦それぞれについて、分娩にかかる時間の目安は、下表のとおりです(※1)。

分娩第1期 分娩第2期 分娩第3期 合計
初産婦 10~12時間 2~3時間 15~30分 12~15時間
経産婦 4~6時間 1~1.5時間 10~20分 5~8時間

陣痛から出産までの時間は、初産婦の方が長い?

分娩第一期(開口期):陣痛の痛みが次第に強くなる

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本陣痛の間隔が10分以内になってから子宮口が全開大(10cm)になるまでの分娩第一期が、分娩期の大半を占めます。子宮口の開き方には個人差があるので、あくまで目安ですが、所要時間は初産婦で10〜12時間、経産婦で4~6時間です(※1)。

この分娩第一期はさらに準備期・進行期・極期の3段階に分けられます。

準備期

厳密には、規則的な陣痛が始まってから10分間隔になるまでの期間も準備期に含まれます。

● 子宮口の開き:0〜3cm
● 陣痛間隔:8〜10分おき
● 1回あたりの陣痛継続時間:20~30秒

痛みはあるものの、まだ余裕がある時期です。眠ったり食事をとったりして体力をつけておくのが大切です。経産婦は、この段階で入院となることが多くあります。

なかなか陣痛が強くならない場合や間隔が縮まらない場合は、階段をゆっくり上り下りする、スクワットをする、破水をしていない場合は入浴する、といったことを試すと効果的ですよ。

進行期

本陣痛が10分間隔になって、子宮口が徐々に広がっていく過程です。

● 子宮口の開き:4~7cm
● 陣痛間隔:4~7分おき
● 陣痛時間:30~45秒

陣痛間隔が短くなるにつれて、痛みも強くなります。この時期になると、初産婦の人も入院してお産に臨みます。

陣痛が次から次へとやってきますが、呼吸法などで乗り切り、陣痛と陣痛の間はゆっくり休みます。水分補給をして、こまめにトイレへ行っておきましょう。四つん這いやあぐらなど、できるだけ楽な姿勢を探してみてください。

極期

子宮口が全開大になるのも目前。あと、もう一息です。

● 子宮口の開き:8~9cm
● 陣痛間隔:2~3分おき
● 陣痛時間:45~60秒

痛みが非常に強く、力を入れていきみたくなりますが、子宮口が全開大になるまで、いきみはNG。このときにいきむと、かえって子宮口が開きにくくなったり、会陰が裂けたりすることもあるので注意してください。

医師や助産師から許可が出るまでは、つらいですが「いきみ逃し」をしながら乗り切りましょう。

分娩第二期(娩出期):いよいよ、いきみから出産へ

出産

子宮口が全開大になり、あとは赤ちゃんを生み出すだけです。赤ちゃんが生まれるまでの所要時間の目安は、初産婦で2〜3時間、経産婦で1〜1.5時間です(※1)。

● 子宮口の開き:10cm
● 陣痛間隔:1~2分
● 陣痛時間:60~90秒

子宮口が全開大になったら、助産師の指示に従いながら、いきみ始めてください。タイミングや力の入れ具合は助産師からもアドバイスをもらえるので、心配しないでくださいね。

多くの場合、子宮口が全開大になったと同じタイミングで破水も起こります。大変ではありますが、赤ちゃんに会えるときが確実に近づいていると考えて、なるべくリラックスして出産の山場を乗り越えましょう。

陣痛の波に合わせて何度もいきみ続けると、赤ちゃんの頭が見えたり隠れたりする「排臨(はいりん)」の状態になります。

そして、赤ちゃんの頭がひっこまずに腟から見えたままになる「発露(はつろ)」の段階へと進みます(※1)。

必要時には会陰切開が行われることもあります。このときにいきみストップの合図があれば、いきむのを止め、力を抜いて「ハッハッハッハ」と短く呼吸する短息呼吸に切り替えます。

赤ちゃんの頭が出れば、あとは多くの場合、スルリと出てきてくれますよ。

分娩第三期(後産期):出産後から胎盤が出るまで

出産 赤ちゃん

赤ちゃんが生まれてから胎盤が出るまでの時期を「分娩第三期」といいます。赤ちゃんが生まれた後は、「後産陣痛(後陣痛)」という軽い子宮収縮が起こって胎盤を体の外に押し出します。

所要時間は、一般的に初産婦さんで15〜30分、経産婦さんで10〜20分とされ、長くても1時間程度です(※2)。赤ちゃんを生み出すときのようにいきむことはなく、自然と胎盤が娩出されるのを待つという感覚に近いと考えてください。

胎盤が出たあと、会陰切開や裂けた部分があるときは縫合されます。

出産後は、後陣痛により子宮が収縮して出血量が落ち着いてくるまで、分娩室で2時間ほど安静にして経過をみます。ママのお腹の上でカンガルーケアをする病院もありますよ。

陣痛から出産までの時間は焦らず、落ち着いて

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陣痛から出産までにかかる時間は人それぞれで、想像している以上に長丁場になることもあります。

妊娠中は運動不足になりやすく、筋肉が衰えるなど体力も低下しがちですが、長時間のお産を乗り切るためにも、健康的な食事を摂る、疲労をためない、睡眠を十分とるなど、体力が落ちないようにしておくことが大切です。

落ち着いた気持ちで陣痛が来るのを待ち、陣痛が始まっても慌てず、リラックスして過ごしましょう。「痛みが強くなるごとに赤ちゃんと対面できるときが近づいている」と考えて、お産を乗り切れるといいですね。

※アンケート概要
実施期間:2017年5月26日~6月4日
調査対象:陣痛・出産の経験がある「こそだてハック」読者
有効回答数:369件
収集方法:Webアンケート

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