妊娠29週頃は、胎動を激しく感じる時期です。赤ちゃんが動くたびに「母親になるんだ」という実感も強くなりますね。お腹をさすったり声をかけたりして、コミュニケーションをどんどん取ってあげましょう。今回は、妊娠29週の妊婦さんと赤ちゃんの状態や、変化についてご紹介します。
妊娠29週のお腹の大きさは?体重で気をつけることは?
妊娠29週頃には、子宮底長は24~27cmほどになります(※1)。赤ちゃんが大きくなっただけではなく、お腹の中の羊水量もピークに近づいているため、お腹がさらにせり出してきます。足元が見えにくく、かがんだり、座ったりするのも一苦労ではないでしょうか。
赤ちゃんの成長に合わせて、妊婦さんの体重も増えていきます。日本産婦人科学会では、妊娠中の体重増加について以下のような目安を提示しています(※2)。
また妊娠後期(28週0日〜)は、妊娠前に比べて450kcalほど多くカロリーを摂取する必要があります(※2)。たくさん食べても大丈夫と思ってしまいがちですが、妊娠中はホルモンの影響もあり、必要カロリーをオーバーすると急激に太ってしまうことも。
バランスの良い食事を心がけ、主食・主菜・副菜の量を少し多めにするくらいにとどめましょう。
ただし、太らないようにと思って栄養が足りなくなっては元も子もないので、必要な栄養素はしっかりと摂取してくださいね。
妊娠29週頃はおりものの量が増える?
妊娠中は女性ホルモンの分泌が活発になり、おりものの量が増えます。これも出産に向けた準備の一つで、おりものは、赤ちゃんが産道を通りやすくする役割を果たします。
おりものが増える量には個人差があり、妊娠中は尿漏れも多いので見分けがつきにくいですが、下着がびっしょり濡れるくらいのときは破水の可能性も考えられます。
妊娠後期に入ったら破水の可能性も考えて、おりものとの違いを見分けられるようにしましょう。おりものの様子がいつもと違ったら、念のため医師に相談してください。
妊娠29週頃は足がむくみやすくなる?
妊娠後期は血液量が急激に増加したり、下半身から心臓にかえっていく静脈の血液の巡りを、妊娠後期の大きくなった子宮がさまたげたりすることで、足や手(特に足)がむくみやすくなります(※1)。
「靴がいつもよりきつい」「足先がしびれている」「指輪がきつい」「手の指を曲げにくい」などの症状を感じたら、むくみのサインです。
むくみ対策には食生活の改善がおすすめです。塩分の摂取量を控え、塩分を体外に排出する働きがあるカリウムを積極的に摂取しましょう。パートナーにリンパマッサージをしてもらうのもいいですね。
ただむくんでいるだけなら問題ありませんが、妊娠後期のむくみは、「妊娠高血圧症候群」の兆候の可能性もあります。その場合はむくみと一緒に頭痛や目がチカチカするような症状を伴うので、違和感があれば、かかりつけの産婦人科医に相談しましょう。
妊娠29週の胎児の体重や大きさは?
妊娠29週の胎児の大きさは約35~40cm、体重は約1,000~1,500gです(※1)。なかには1,500gを超えている子もいますが、この時期の胎児の成長には個人差があるので、妊婦健診のときに医師から特別な指導がなければ、小さめでも問題ありません。
外の世界で生きていくために必要な機能はほとんどできあがり、手足の先に爪ができたり、体毛が生えてきたりと、細かい部分が徐々に作られています。
妊娠29週の胎動で逆子がわかる?
赤ちゃんは通常、子宮内で頭を下に向けていますが、まれに、頭が下に向いていないことがあります。これを「逆子」といい、そのほとんどが、足やおしりが下を向く「骨盤位」の状態です。
胎動はおへそより上のあたりで感じるのが一般的ですが、逆子の場合はおへその下から膀胱あたりで感じることがあります。
「胎動で膀胱が刺激される」「下腹部を激しく蹴られてお腹が張る」「鼠径部(そけいぶ)のあたりで赤ちゃんがもごもご動く」などの胎動があれば、逆子になっているかもしれません。
妊娠中期頃までは、赤ちゃんも元気に動きまわり、逆子になったり元に戻ったりを繰り返していました。しかし妊娠29週頃からは、お腹の中で動くスペースがなくなり、逆子になると自然に元に戻らなくなってきます。
妊娠30週以降も逆子が続く場合は、逆子を治すための「逆子体操」などで対処を始めます。ただし、切迫早産のリスクがある人は行えないので、自己判断せず、妊婦健診などで医師に相談するようにしましょう(※1)。
妊娠29週の胎教には何がおすすめ?
妊娠29週の赤ちゃんは五感が発達しており、胎教として音楽を聴かせたり、絵本を読んであげたりするのに適した時期だといえます。ママと赤ちゃんは胎盤でつながっていて、ママがリラックスしていると赤ちゃんも心地よい状態です。リラックスしながら胎教を楽しみましょう。
妊娠後期は出産に向けた準備で体に色々な変化が起こります。不安になるかもしれませんが、出産に向けた必要な変化でもあるので、胎教を通じて、ママ自身も穏やかな気持ちになれるといいですね。
妊娠29週からは破水に注意しよう
妊娠後期になると、破水が起こる可能性が出てきます。破水は、生臭いにおいや自分の意志で止められないといった特徴があるので、「破水かも?」と思ったらすぐにかかりつけの産婦人科に連絡しましょう。
破水が起こったら母体や胎児の状態を確認して、すぐに分娩に入らなければならないこともあります。妊娠中の遠出の旅行はできるだけ控えたいですね。
何かあったらすぐに必要な処置を受けられるようにしておくことが大切ですよ。