会陰マッサージの正しいやり方は?会陰切開を防ぐ効果があるの?

監修専門家 助産師 佐藤 裕子
佐藤 裕子 日本赤十字社助産師学校卒業後、大学病院総合周産期母子医療センターにて9年勤務。現在は神奈川県横浜市の助産院マタニティハウスSATOにて勤務しております。妊娠から出産、産後までトータルサポートのできる助... 監修記事一覧へ

妊娠が順調に進んでいても、出産が近くなると心配事が増えてきますよね。特に初産の方が不安を感じることの一つに「会陰切開」があります。どうにかして会陰裂傷や会陰切開を避けたい妊婦さんのために、今回は会陰マッサージの正しいやり方と効果、いつから始めたら良いのかなどをご説明します。

会陰切開とは?

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会陰とは、外陰部と肛門の間の部分のことで、赤ちゃんが生まれてくる際にはこの部分が伸びて出口が広がります。しかし、分娩時にこの会陰部が十分に伸びない場合には、はさみで切って広げてあげます。これが「会陰切開」です。

子宮の出口が小さくて、あるいは胎児の頭が大きくてお産が長引くような場合に、母体と赤ちゃんの安全を考えて行われる処置です。

胎児の頭が腟から出る直前に切開することで、胎児はスムーズに腟を通過できます。そして、ママ自身も分娩時に会陰裂傷を起こしてしまうリスクを減らすことができます(※1)。

できれば会陰切開をしたくないという妊婦さんもいますが、会陰切開をするかどうかの判断は医師に委ねられているので、出産予定の病院に確認しておきましょう。

会陰マッサージにはどんな効果があるの?

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会陰マッサージとは、名前の通り、会陰部分をマッサージすることです。会陰マッサージは出産前に会陰部分を柔らかくすることを目的に行うもので、縫合が必要な会陰裂傷を起きにくくしたり、会陰切開が必要になる可能性を減らしたりする効果があるとされています。

しかも、会陰マッサージによって会陰の伸びがよくなれば、出産時に会陰が傷つきにくく、出産による傷が小さくてすみます。傷が小さいと出産後も会陰の痛みが少なく、回復が早まる効果も期待できます(※2)。

もし会陰切開をしたとしても、会陰マッサージをしておけば切開の範囲が狭くて済む可能性があります。出産・産後のことを考えて少しずつでもいいので会陰マッサージに取り組みたいですね。

会陰マッサージのやり方は?

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会陰マッサージをする場合は、次の2つの動きを交互に行いましょう。会陰マッサージは、オイルをつけた指を使って行うのが一般的ですが、爪が長い人や会陰を指で触るのに抵抗がある人はコットンにオイルをつけてマッサージしてもいいですよ。

1. 会陰の周囲をUの字を描くように

指1~2本にマッサージオイルをつけて、腟に3~5cm挿入し、内側の壁をUの字を描くように会陰をマッサージしましょう。時計でいうと、体の前面(おへそ側)を12時として、4時から8時の方向へそっと押してあげます(※2)。コップの縁についた口紅を拭うイメージで行うといいですよ。

2. 会陰と肛門の間をくるくる円を描くように

オイルをつけた指で会陰と肛門の間を真横にマッサージしましょう。その際、細かくクルクルと円を描くように手を動かすのが効果的です。

この2つの会陰マッサージを交互に、時間にして1回5~10分ほど、週に2~3回行うのが目安です。会陰マッサージを毎日すればするほど会陰部分が柔らかくなるというわけではないので、無理のないペースで適度にマッサージを続けることが大切です。

会陰マッサージをするタイミングは入浴中か入浴直後がおすすめです。お風呂に入ると、体が温まって皮膚が柔らかくなりやすいので、会陰マッサージをしやすくなりますよ。

会陰マッサージが終わった後はそのままにしておいて問題はありませんが、オイルの感触が気持ち悪いと感じるなら拭きとってもかまいません。

おりものシートなどを当てておくと、オイルが時間をかけて浸透するため、拭き取るよりも安心です。コットンを使って会陰マッサージをした場合は、そのコットンをおりものシートなどに乗せてオイル湿布をしてもいいですね。

会陰マッサージにおすすめのオイルは?

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会陰マッサージに使うオイルは、できるだけ植物由来の自然なものを使うのがおすすめです。会陰部分は肌が敏感なので、刺激が強いオイルは肌荒れの原因にもなります。セサミオイルやホホバオイル、ココナッツオイルなど、種類も豊富なので自分にあった会陰マッサージ用のオイルを選んでください。

オイルを使う際は、会陰マッサージをする前に腕の内側に10円玉大で塗り、パッチテストをしましょう。塗布後に24〜48時間放置して肌に赤みやかゆみが現れなければ問題ありません。少しでも異常があればオイルの使用を止めてください。

会陰マッサージをするときの注意点は?

注意

会陰マッサージは体が健康な状態で行うのが基本です。お腹が張っていたり、体調が優れないときは無理をしないでくださいね。そして会陰マッサージを行う際には、爪を切った清潔な手でマッサージすることを忘れずに。

また、会陰マッサージをするときに肛門に指が触れないように気をつけてください。肛門に指が触れてしまったら、不衛生なのでいったん会陰マッサージを止めて、しっかりと手を洗いましょう。

会陰マッサージを始める時期はいつから?

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会陰マッサージは妊娠34週頃を目安として始めましょう(※2)。妊娠が順調に進んでいれば、それより前から始めることもできますが、基本的には医師と相談したうえで、健康上問題がないと診断されてから実施してください。

会陰マッサージは続けることが重要です。会陰マッサージを始めたばかりのうちは、痛みや灼熱感を感じる妊婦さんもいるようですが、2〜3週間続けることでそれらは軽減するとされているので、焦らずじっくり取り組みましょう。

会陰マッサージは産後のためにもコツコツ続けましょう

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できるだけ自分の体に傷をつけないで出産できると、産後に体の回復が早まります。会陰マッサージについては、マタニティクラスや助産師外来で確認することもできるので、積極的に聞いてみましょう。

ただし、お腹の張りが現れているときは、無理をせず、横になって休んでくださいね。お産を少しでも軽くできるように、リラックスしながら会陰マッサージをしましょう。

また、会陰マッサージだけでなく、無理のない範囲で体をよく動かすしておくことも会陰部分をやわかくする効果が期待できます。雑巾で床を拭いたり、壁を拭いたり、ストレッチ体操やマタニティヨガをしたりするのもいいですね。

腟・肛門の引き締め運動はこまめにやり、力を入れたりいれたりゆるめたりを意識してみましょう。

また、会陰を温めるのもおすすめです。こんにゃくを袋ごとお湯であたため、取り出してタオルにくるみ、それを会陰部分にしばらく当てると、血行が良くなりリラックスできますよ。

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