妊娠したら、つわりが始まるなど、体に様々な体調変化が起こりますが、特に気になるのが食事ですよね。
妊婦さんが食べたものは良くも悪くもすべて赤ちゃんに影響を与えます。赤ちゃんのためにも、妊娠中控えたほうがよい食べ物・飲み物は避け、必要な栄養はできる限り摂取しましょう。
そこで今回は、妊娠初期から積極的に摂りたいおすすめの食べ物とあわせてご紹介していきます。
▼目次
妊婦になったら、食事はどうすればいいの?
世の中にあふれている、添加物や保存料、着色料は大人の体には耐えられる量でも小さな赤ちゃんには大きな影響を与えてしまう可能性もあるので、外食やお惣菜などは控え、できるだけ自然のものを調理した食事にしたいものです。
そこで、赤ちゃんの発育に良い食材や妊婦さん自身の体調を整える食材をご紹介します。
妊娠初期から摂りたいおすすめの食べ物一覧
1.緑黄色野菜
緑黄色野菜は、妊娠に関わらず健やかな体作りには必須の食品です。妊娠中に必要な、葉酸・ビタミン・カルシウム・鉄分・食物繊維などを豊富に含んでいるので積極的に摂取しましょう。
特にモロヘイヤやほうれん草などの青菜類には、葉酸が多く含まれています。葉酸は胎盤の細胞増殖に必要なDNAの合成を促してくれるので、胎児の脳や神経、心臓などの様々な器官が作られる妊娠初期から摂りたい栄養素です。ほうれん草は妊娠中に不足しがちな鉄分も豊富なので、おすすめの食材です。
ただし、厚生労働省は、葉酸の1日当たりの上限摂取量を1,000μg(1mg)としているので、過剰摂取には注意しましょう(※1)。
2.未精製の雑穀類
玄米や胚芽米といった、未精製の雑穀にはミネラルやビタミン・カルシウムが豊富に含まれています。また食物繊維も豊富なので、便秘がちな妊婦さんにもおすすめです。
ただし、玄米などは消化に時間がかかるので胃腸に負担がかかりやすいといわれています。妊娠初期のつわりで胃腸が荒れてしまっているときや、もともと胃腸が弱い人は、よく噛んで食べるように注意しましょう。
3.海藻類
海藻には、鉄分やカルシウム、食物繊維が多く含まれています。
ひじきや青のり、わかめ、もずくなどの海藻類はカロリーも低く、煮物やサラダ、お味噌汁など調理法が豊富なので、毎日のご飯にとりいれやすいのも嬉しいですね。
ただし、海藻類には「ヨウ素(ヨード)」という成分が含まれており、過剰に摂取し続けると胎児の甲状腺機能低下が起きる可能性があります(※2)。
厚生労働省は、妊婦さんのヨウ素の耐容上限量を2,000μg(2mg)/日としています(※3)。妊婦さんにとって良い食材ではありますが、摂りすぎには注意してくださいね。
4.大豆食品
納豆や豆腐などの大豆食品にも、食物繊維が含まれています。また大豆食品に含まれる、たんぱく質は、赤ちゃんの体のベースとなる、血液や筋肉を作る体組織の主成分。特に枝豆は、それに加え葉酸の含有量が100g中260μgと高めなので、おすすめの食材です。
5.きのこ類
食物繊維やビタミン、カリウム、鉄、亜鉛などが含まれるきのこ類も妊娠中に積極的に摂りたい食材です。特にエリンギ、まいたけ、えのきには葉酸がたっぷり含まれています。
妊娠中期以降、体重が増加しすぎてしまった人には、きのこたっぷりのスープやきのこ鍋を食べると腹持ちもよく、体重増加をおさえる効果も期待できます。
6.バナナ
バナナには100g中26μgの葉酸が含まれ、食物繊維も豊富。さらにバナナにはつわりを軽減してくれるといわれるビタミンB6が豊富です。妊娠初期のつわり症状がひどい人には特におすすめですよ。
7.ヨーグルト
カルシウムが多く、整腸作用のあるヨーグルトは妊婦さんのお腹に優しい食材です。カルシウムは、体の機能維持や調子を整える働きをするミネラルのひとつで、おなかの中の赤ちゃんの骨や歯を形成します。
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妊婦が注意したほうがよい食べ物一覧
次は妊娠したら注意したい食べ物を具体的にご紹介します。
1.アルコール・カフェイン
この二つは代表的なものなので、知っている人も多いですよね。妊娠中にアルコールを摂取すると胎児に障害を引き起こす「胎児性アルコール症候群」というものにかかる可能性があります。
また、カフェインには流産や死産を引き起こすリスクと、胎児の発育を阻害する可能性があります。ただしカフェインに関しては、1日コーヒー1杯程度であれば、影響はないともいわれています。
2.生もの
お刺身や生肉、生卵などは体調が傾きがちな妊婦さんは控えるべきものとされています。カンピロバクター菌やサルモネラ菌など食中毒を引き起こす可能性を含んでいるほか、トキソプラズマに感染すると胎児に障害が出る可能性があります。
3.塩分
妊娠中は、「胎児発育不全」「胎児機能不全」を引きおこすことがある「妊娠高血圧症候群」にかかる妊婦さんも多くみられます。この妊娠高血圧症候群にならないためには、塩分の摂りすぎに注意しなければいけません。
成人女性の塩分摂取量が1日に9.4gまでというのに対し、妊婦さんは1日に7gまでに抑えなければいけないといわれています。
4.ビタミンA
体の抵抗力を高め、皮膚などを健康的に保つためには欠かせないビタミンAは、継続的に過剰摂取をすると、赤ちゃんの奇形発症率が高くなることが報告されています。
鉄分が豊富な食材として代表的なレバーにもビタミンAが多く含まれているので、食べ過ぎに注意しましょう。
5.水銀を含む魚
水銀は胎児の先天性異常を引き起こす可能性があるといわれています。妊婦さんは水銀を多く含む魚を避けるべきで、キンメダイやクロマグロ、メカジキなどがそれに当たります。
6.ナチュラルチーズ
ナチュラルチーズを避けたほうが良い理由は、食中毒を引き起こすリステリア菌に感染する危険があるためです。
リステリア菌とは大腸菌などと同じように食中毒を引き起こすものとして知られています。リステリア菌はそれほど強い菌ではなく、感染しても重症化することは稀です。しかし、妊娠中は免疫力が低下しているため、健康な人なら問題ないリステリア菌であっても感染・重症化する恐れがあります。
日本での感染は年間200人ほどと多くありませんが、万が一のことを考えて妊娠中はナチュラルチーズを控えたほうがよいとされています。
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つわりがひどい妊娠初期の食事方法は?
胃の不快感や吐き気を伴うつわりのときは、十分に食べられなくてもあまり気にせず、「食べたいときに、食べたいものを食べる」という方針で食事をするように心がけましょう。
食べられるときには、良質のたんぱく質、鉄、カルシウム、食物繊維を中心に、無理せず摂取するようにしてください。
できればしっかりとした食生活を送りたいものですが、この時期の赤ちゃんはまだ小さく、ママからの栄養が不足するということはあまりありません。しかし、頻繁に嘔吐してしまうなどする場合、脱水症状を防ぐためにも、水分だけはこまめに摂るようにしてくださいね。