妊婦はイカを食べてもいい?妊娠中に食べられる量や注意点は?

監修専門家 管理栄養士・フードコーディネーター 中村 美穂
中村 美穂 東京農業大学卒業。保育園栄養士として乳幼児の食事作り、食育活動、地域の子育て支援等に携わった経験を活かし、離乳食教室や子どもから大人まで楽しめる料理教室「おいしいたのしい食時間」を開催。書籍、雑誌等へ... 監修記事一覧へ

お寿司や天ぷらなど、様々な料理で使われるイカは、日本人にとって親しみが深い食材です。妊娠中は食べるものに注意を払った方がいいといわれますが、イカは妊娠中に食べても大丈夫なのでしょうか?今回は妊娠中にイカを食べられるのかや、食べる際の注意点についてご説明します。

妊娠中はイカを食べてもいいの?

イカ 魚介類 刺身 

火を通したものであれば、妊婦さんでもイカを食べて問題ありません。

イカは低カロリーなうえに、良質なタンパク質を豊富に含んでいる食べ物です。以下のような栄養素を含んでおり(※1,2,3,4)、むしろ妊婦さんの健康な妊娠生活をサポートしてくれる頼もしい食べ物といえます。

ナイアシン

ナイアシンはビタミンBの一種で、血行をよくしたり、皮膚を健康に保ったりする栄養素です。

ナイアシンの摂取推奨量は、20代の女性で11mg/日、30~40代の女性で12mg/日で、イカに含まれるナイアシンの量は、約2~4mg/100gです。

ナイアシンだけでなく、イカには、ビタミンD以外のほとんどのビタミン類が含まれています。

DHA・EPA

DHAは、イカをはじめとする魚介類に含まれる栄養素です。胎児の脳や目の発達に作用するため、妊娠中は積極的に摂取したい栄養素として知られています。

EPAは、高血圧など、生活習慣病の予防に効果的な栄養素です。

DHAやEPAは「n‒3系脂肪酸」にまとめられ、妊婦さんのn‒3系脂肪酸の摂取目安量は、1.8g/日です。

イカには、約150~200mg/100gのDHAと、約40~80mg/100gのEPAが含まれています。

妊婦はイカをどのくらい食べてもいいの?

重さ 重量 野菜 果物 摂取量

イカには妊婦さんが摂りたい栄養素をたくさん含んでいますが、毎日イカばかりを食べるのはよくありません。妊娠中は様々な食材を摂取し、バランスのいい食生活を心がけましょう。

また、1日にあまりにもたくさんのイカを食べるのもおすすめできません。微量ではありますが、イカには「水銀」が含まれているからです。

妊婦さんが水銀を過剰摂取してしまうと、赤ちゃんの先天性異常につながる危険性があります。妊娠中の水銀については、厚生労働省も注意喚起をしており、一部の魚介類の摂取量を制限しています(※5)。

イカの摂取量は特に制限されていませんが、食べすぎるのは避けたほうがいいでしょう。

妊婦はイカの寿司や刺し身を食べていい?

グッズ 寿司

妊娠中は、お寿司や刺身など、生のイカは控えるようにしましょう。なぜなら生のイカには、食中毒につながる菌や寄生虫が潜んでいることがあるからです。

妊娠中は、妊娠前と比べて免疫力が低下しており、食中毒にもかかりやすい状態です。普段なら大丈夫な食材でも、妊娠中は食中毒の引き金になりかねません。

妊婦さんは服用できる薬が限られているため、食中毒になると症状が長引きやすく、十分な栄養を摂れないと、お腹の赤ちゃんに影響を及ぼす可能性もあります。

食中毒を引き起こす菌や寄生虫は、加熱すれば死滅するものばかりです。万が一のことを考えて、生のイカは避けたほうが良いでしょう。

また、「リステリア」という菌にも注意が必要です。「リステリア」は、生の野菜やチーズなどの乳製品に潜む菌で、日本では、微量ですが、魚介類の加工品からも検出されています(※6)。

通常、リステリアに感染して重症化することはまれですが、妊娠中は微量のリステリアであっても感染し、重症化する可能性があります。感染すると、流産や死産につながってしまうこともあるので、注意が必要です。

リステリア菌も、しっかりと加熱すれば死滅させることができます。生のイカを食べると必ずリステリア菌に感染するわけではありませんが、妊娠中は、生のイカや、塩辛などの生のイカの加工品を避けるようにしましょう。

イカを食べて健康的な妊娠生活を

女性 リラックス 笑顔

水銀やリステリア菌などのリスクばかりに目を向けると、イカを食べること自体避けたくなるかもしれません。しかし、きちんと火を通し、食べすぎに注意すれば、イカは妊婦さんをサポートしてくれる素晴らしい栄養源です。上手に食事に取り入れてくださいね。

妊娠中は、イカに限らず様々な食材を摂取し、栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。

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