妊婦のつわりには豆腐がいい?妊娠中におすすめの食べ方は?

監修専門家 管理栄養士・フードコーディネーター 中村 美穂
中村 美穂 東京農業大学卒業。保育園栄養士として乳幼児の食事作り、食育活動、地域の子育て支援等に携わった経験を活かし、離乳食教室や子どもから大人まで楽しめる料理教室「おいしい楽しい食時間」を開催。書籍、雑誌等への... 監修記事一覧へ

つわりでほとんど食事ができない場合でも、豆腐なら食べられるという妊婦さんもいますよね。しかし、妊娠中に豆腐をたくさん食べても問題ないのでしょうか?

今回は、妊婦さんが食べてもいい豆腐の量やつわり中におすすめの食べ方をご紹介します。

妊娠中に豆腐を食べても問題ない?

豆腐 大豆食品 

豆腐にはたんぱく質やビタミンE、カルシウムなど、妊娠中に積極的にとりたい栄養素が豊富に含まれているため、妊婦におすすめの食べ物です。

しかし妊娠中は豆腐に含まれている「大豆イソフラボン」の過剰摂取に注意が必要です。

妊娠中に大豆イソフラボンを過剰摂取すると、胎児の遺伝子異常を生じさせる可能性があると報告されています(※1)。ただ妊娠中にどのくらいの大豆イソフラボンを摂取すると胎児に影響があるのか、現時点では科学的に明らかになっていません。

厚生労働省は、豆腐や納豆、味噌などの大豆食品を日常の食生活で食べる分には問題ありませんが、サプリメントなどで上乗せして大豆イソフラボンを摂取することは推奨しないとしています(※2)。

大豆イソフラボンを過剰摂取しない方がよい理由

大豆イソフラボンとは、大豆胚芽に含まれるフラボノイドという成分の一種です。フラボノイドは、胎児のDNA構造を正常に保つトポイソメラーゼⅡを阻害する作用を持つことから、妊娠中の大豆イソフラボンの過剰摂取に注意が必要といわれています。

また大豆イソフラボンは、妊娠中の体に重要な役割を果たす「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と似たような成分構造をしているため、妊婦の体に影響を与えるのではないかといわれることがあります。

妊婦が1日に食べてもいい豆腐の量は?

和食 食事 日本人

妊娠中は大豆イソフラボンの過剰摂取に注意が必要ですが、豆腐はどれくらいなら食べてもよいのでしょうか?

妊婦を考慮した摂取上限量はありませんが、豆腐は1日あたり半丁(150g)を目安にするといいでしょう。

豆腐1丁(約350g)には、約71mgのイソフラボンが含まれています(※2)。食品安全委員会は、大豆イソフラボンの摂取量の上限は1日70~75mgと発表しています(※1)。

この数値は妊婦を考慮したものではありませんが、これを妊娠中でも同じ指針とすると、1日あたり半丁にしておけば味噌や納豆といった他の大豆食品も食べられるので安心ですね。

なお摂取上限量の数値は、あくまでこの量を毎日欠かさず長期間摂取する場合の上限値です。イソフラボンの摂取量がこの上限値を超えることで直ちに健康被害が出るわけではないとされているので、大豆食品だけに偏らずバランスの良い食生活をしていれば心配はないでしょう。

つわり中の妊婦さんにおすすめの豆腐の食べ方は?

豆腐 和食 生姜

つわり中の妊婦さんにとって、あっさりした味の豆腐は食べやすい食材の一つ。つわりによる食欲不振や吐き気がひどいときは、ぜひ梅や生姜と一緒に食べてみてください。

梅には食欲を増進させるクエン酸がたくさん含まれているので、食欲が湧かないときは豆腐にそえて食べるのがおすすめです。

生姜には吐き気を軽減させるショウガオールという成分が含まれています(※3)。つわり中に吐き気や嘔吐に悩まされているときは、豆腐に生姜をのせて食べてみてみると、吐き気がスッとおさまるかもしれませんよ。

妊娠中の食事に豆腐を上手に取り入れよう

妊婦は豆腐を食べていい?

豆腐はつわり中でも食べやすく、妊娠中に必要な栄養素がたくさん含まれているため、妊婦さんの心強い味方となってくれる食べ物です。

豆腐だけでなく納豆や味噌などの大豆食品の食べ過ぎに注意しながら、健康的なマタニティライフを過ごしてくださいね。

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