妊婦はうなぎやレバーを食べてはいけない?妊娠初期は要注意!

監修専門家 助産師 佐藤 裕子
佐藤 裕子 日本赤十字社助産師学校卒業後、大学病院総合周産期母子医療センターにて9年勤務。現在は神奈川県横浜市の助産院マタニティハウスSATOにて勤務しております。妊娠から出産、産後までトータルサポートのできる助... 監修記事一覧へ

妊娠中は控えなくてはいけない食べ物が増えますよね。寿司や刺身などの生ものが代表的ですが、うなぎやレバーも妊婦中は食べるのを控えたほうがいいといわれています。それぞれ栄養価が高く、妊婦さんの体に良いイメージがありますが、食べ過ぎるとお腹の中にいる赤ちゃんに悪影響を及ぼす可能性があるのです。そこで今回は、なぜ妊娠中はうなぎやレバーを控えたほうがいいのか、どのくらいなら食べてもいいのか、食べ過ぎるとどんな危険があるのか、その理由をご紹介します。

妊娠中はうなぎやレバーを食べてもいいの?

うなぎ

妊娠中にうなぎやレバーを食べることは、できるだけ控えたほうがいいといわれています。その理由は、うなぎやレバーに含まれるレチノールという栄養素が関係しています。

レチノールとは、動物由来の食品に含まれるビタミンAの仲間で、体に悪いものではありません。しかし、妊娠中にレチノールを過剰摂取すると、胎児が奇形・先天異常などの障害を持った状態で生まれてくる可能性が高まるといわれています(※1,2)。

また、野菜や果物に含まれるビタミンAの仲間であるプロビタミンAカロテノイドと比べ、レチノールは体外に排出されにくいことも特徴です。

うなぎやレバーは栄養価が高く、つい積極的に食べたくなりますが、妊娠中は摂取量に気をつけるようにしましょう。

妊婦はうなぎやレバーを1日どれくらい食べられる?

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それでは、妊娠中、うなぎやレバーを1日にどのくらい食べてもいいのでしょうか?

内閣府の食品安全委員会は、妊婦さんの1日のビタミンA摂取上限量を2,700μgREとしています(※2)。ただし、推奨量は650~780μgRE(年齢や妊娠週数によって異なる)なので注意が必要です。

下記は、レバーやうなぎなど、ビタミンAを多く含む食品100g当たりに含まれるレチノールの量です。

食品100g当たりのレチノール当量(※2)

● 鶏レバー(生):14,000μgRE
● 豚レバー(生):13,000μgRE
● 牛レバー(生):1,100μgRE
● やつめうなぎ(生):8,200μgRE
● うなぎのかば焼き:1,500μgRE
● ぎんだら(生):1,100μgRE
● あなご(生) :500μgRE
● 鶏卵全卵(ゆで) :130μgRE
● プロセスチーズ :260μgRE

1日のビタミンA推奨量を参考に、妊娠中に1日にどのくらいの量のレバーやうなぎを食べられるか計算すると、鶏レバーや豚レバーは4.6~6g、うなぎのかば焼きは約50gとなります。残念ながらレバーの焼き鳥を1本食べただけで、すぐに推奨量を超えてしまいます。

妊娠中は食品のレチノール量を参考にしながら、摂取量に気をつけることが必要です。また、1日の摂取量を守るだけでなく、週単位、月単位で考えながら、食べる量を調節するようにしましょう。

妊娠初期はうなぎやレバーを食べてはいけないの?

レバー

妊娠中は、全ての時期をとおして、うなぎやレバーを控えるに越したことはありませんが、特に妊娠初期(妊娠15週まで)は、食べ物による胎児への影響が大きいので注意が必要です。

妊娠初期に、うなぎやレバーを少し食べてしまったからといってすぐに悪影響を及ぼすわけではありませんが、前述のようにレチノールの推奨摂取量をすぐに超えてしまうので、できるだけ控えたほうが無難です。

妊娠中は、うなぎやレバーではなく野菜でビタミンAを補うことが大切

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ビタミンAは風邪予防に効果があるので、妊娠中も積極的に摂取したい栄養素です。

ただし、レチノールを多く含むうなぎやレバーからではなく、小松菜、春菊、ほうれん草、あしたば、しそ、モロヘイヤといった葉物野菜や緑黄色野菜から摂ることが大切です。植物由来のビタミンAの摂取は問題がないといわれています。

食品安全委員会のファクトシートによると、イギリスでは「妊娠中又は妊娠を希望する女性は、ビタミンAを含むサプリメントを摂らないこと。また、レバー及びレバー製品を摂らないこと(※2)」としているため、サプリメントからのビタミンA過剰摂取も注意してくださいね。

授乳中もうなぎやレバーを控えた方がいい?

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出産後は、授乳中であってもうなぎやレバーを食べても問題はありません。母乳を通じてレチノールが赤ちゃんに悪影響を及ぼすことはないので、安心してください。

むしろ、うなぎやレバーは栄養価が高く、たんぱく質も多く含んでいるので、出産後の女性にはおすすめの食品です。特にレバーは、出産後の女性の7割が不足しているといわれる鉄分を補ってくれる力強い味方になります。

ただし、食べ過ぎは自身の栄養の過剰摂取になってしまうことに変わりありませんので、注意してくださいね。

「うなぎは高価だから」「レバーは食感が苦手だから」という人は、ほうれん草、春菊、小松菜を食べることでビタミンAや鉄分を補うようにしましょう。

妊娠中はうなぎやレバーをできるだけ我慢して

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うなぎやレバーに限らず、妊娠すると、食べてはいけないものや食べる量を調節しなければならないものが増えます。しかし、一生食べられないわけではないので、赤ちゃんのことを考えて少しの間だけと割り切って我慢するようにしましょう。

食べるときは、摂取上限量に気をつけて、一度にたくさん食べ過ぎないようにすることが大切です。

うなぎやレバーに含まれるレチノールのように、妊娠をきっかけに栄養について以前より詳しくなったという人も多いのではないでしょうか。栄養に対する知識は出産後も役に立つので、赤ちゃんが生まれるまでの間、食べ物や栄養について勉強するのもいいですね。

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