妊娠中の水分補給のポイント!妊婦におすすめ&避けたい飲み物まとめ

監修専門家 管理栄養士 安蒜 ゆい
安蒜 ゆい 病院・保育園にて管理栄養士として献立作成・衛生管理や食育活動に携わり、現在は独立しフリーランス管理栄養士・彩り時短食プランナーとして活動しています。「季節や行事を通して食事・家族の時間の大切さを伝えて... 監修記事一覧へ

妊娠中は、時期を問わず、喉が渇きやすい状態です。しかし妊娠中は、カフェインや糖分を含むものを気にして「どんな飲み物を飲めばいいの?」と困ってしまう妊婦さんは多いかもしれませんね。

そこで今回は、妊婦さんにおすすめの飲み物と、妊娠中は避けたほうがいい飲み物をご紹介します。

どうして妊娠中は喉がかわきやすいの?

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妊娠すると、赤ちゃんを守るようにお腹まわりの脂肪が増えたり、糖代謝、脂質代謝、たんぱく質代謝、水代謝などが変化したりと、体に様々な変化が起きます。その結果、妊婦さんは汗をかきやすくなり、すぐに喉が渇いてしまう人もいます。

また、妊娠初期はつわりなどで思うように水分を摂れないこともあり、嘔吐を繰り返すと脱水症状になってしまうことがあります。そのため、妊婦さんはこまめな水分補給が欠かせません。特に夏場は意識的に飲み物を飲むことが大切です。

つわりで吐き気がひどい妊婦さんは、氷を舐めるなどして、少しずつ水分補給するようにしてくださいね。

妊婦さんにおすすめの飲み物とは?

麦茶 飲み物 ノンカフェイン お茶

ここでは、妊娠中におすすめの飲み物をご紹介します。

麦茶

麦茶は赤ちゃんも飲めるノンカフェインの飲み物で、妊娠中に摂取したい食物繊維やミネラルが豊富に含まれています。

ただし、麦茶には体を冷やす作用があるとされているので、体が冷えやすい妊婦さんは常温で飲むようにしたいですね。冬はホットで飲むのがおすすめですよ。

ルイボスティー

ダイエット茶・健康茶のイメージが強いルイボスティーは、あっさりとした味でクセがなく、妊婦さんにも飲みやすいハーブティーです。

鉄分やカルシウムなど栄養価が高いのも妊婦さんにとってはうれしいですね。

ただし、妊娠後期に大量に摂り続けた場合に、ルイボスティーに含まれるポリフェノールの作用で、赤ちゃんの血管が狭まったり閉じたりしてしまう「胎児動脈管早期収縮」が複数例みられています(※1)。

ティータイムを楽しむ程度の量であればいいですが、妊娠後期にルイボスティーばかりを飲むことや、ポリフェノールが多く含まれるものを一緒に摂ることは控えてくださいね。

小豆茶

小豆は昔から健康食として知られており、薬膳にも欠かせない素材の一つです。小豆茶はミネラルや、ビタミン類が豊富なので、妊婦さんにおすすめです。

ただ、小豆茶にもポリフェノールが含まれています。妊娠後期は特に飲みすぎには注意してくださいね。

体が冷えた妊婦さんへのおすすめ飲み物は?

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寒い冬の日や体が冷えてしまった妊婦さんには、先ほどおすすめした飲み物をホットで飲むこと以外に、「ゆず茶」がおすすめです。

普段は、ゆずを料理の香りづけ程度にしか使わない妊婦さんも多いかもしれませんが、実はビタミンやミネラルが豊富なフルーツです。ゆず茶であれば、たっぷり栄養を摂ることができ、体も温まって一石二鳥ですね。

砂糖を使用しているゆず茶を飲む場合は、虫歯や体重増加に気をつけてくださいね。

妊娠初期のつわりが辛いときにおすすめの飲み物は?

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妊娠初期のつわりがつらい妊婦さんには、サッパリ飲める炭酸水や、さわやかなスポーツドリンクがおすすめです。ただし、糖分が含まれるものはほどほどにしましょう。

また、効果には個人差があるものの、つわりを軽くする効果があるといわれている「ビタミンB6」を摂るのもいいかもしれません(※2)。たとえば、バナナジュースが妊婦さんにはおすすめですよ。

そのほか、つわりがある時期に試したい飲み物については、下の関連記事を参考にしてくださいね。

妊娠中に避けた方がいい飲み物は?

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妊娠中は、避けた方がいい飲み物もあります。妊娠がわかったら、以下の飲み物の摂取を控えるようにしてくださいね。

お酒

妊婦さんがお酒などのアルコールを摂取すると、お腹の赤ちゃんが「胎児性アルコール症候群」を発症し、成長の遅れや神経系に異常が出てしまう危険性があるので控えましょう(※3)。

なお、アルコール0%をうたっているノンアルコール飲料は、ごく少量のアルコールを含んでいることがあります。どうしても飲みたい場合は、購入前に表示を必ず確認するとともに、かかりつけの産婦人科医に相談しましょう。

カフェイン入りの飲み物

妊娠中にカフェインを摂り過ぎると、胎児の発育に影響が及ぶ可能性が指摘されています。

そこで内閣府の食品安全委員会は、妊娠中はいつも以上にカフェインの摂り過ぎに気をつけるように注意喚起をしています(※4)。

ただ、日本ではカフェインの1日に摂取できる許容量が設定されておらず、妊娠中のカフェイン摂取はどこまでが安全でどこからが危険なのかがはっきりとしていません。

カフェイン摂取量をゼロにする必要はありませんが、コーヒーや緑茶、紅茶、コーラ、エナジードリンクなどの摂り過ぎには注意をして、できるだけカフェインレスの飲み物にした方が安心です。

タンニン入りの飲み物

コーヒーや紅茶、ウーロン茶などには、鉄分の吸収を妨げる「タンニン」も多く含まれています。

特に貧血気味の妊婦さんは、食事の前後2時間程度は飲まないようにするといいですよ。

一部のハーブティー

リラックス効果があるノンカフェインのハーブティーの中にも、妊娠中に飲んでいいものとダメなものがあります。

特に、子宮収縮を促す作用があるハーブティーは注意が必要です。ハーブティーを飲むときは事前に医師に飲んでもいいか確認しておくと安心ですよ。

「安産ティー」と呼ばれるラズベリーリーフティーも、妊娠初期~中期は控えてくださいね。

妊娠中の飲み物は体に合ったものを選ぼう

妊娠中は、妊婦さんと赤ちゃんの健康のためにも、水分補給だけは欠かさないようにしましょう。様々な飲み物を試してみて、飲めそうなものを見つけてくださいね。

体に負担がかからない飲み物を摂りながら、健康的なマタニティライフを過ごしてくださいね。

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