妊娠すると、赤ちゃんのためにも食事を変えたほうがいいのかな?と考える人は多いのではないでしょうか。妊娠初期から心がけておきたい食事内容について知っておきたいですよね。
そこで今回は、妊婦さんはどのような食材を摂ればいいのか、妊娠初期から積極的に摂りたいおすすめの食べ物とあわせてご紹介していきます。
妊婦になったら、食事はどうすればいいの?
妊婦さんの健康と赤ちゃんの健やかな発育のために、妊娠中はバランスのよい食事をしっかり摂りましょう(※1)。
ご飯やパン、麺類などのエネルギー源となる「主食」、たんぱく質を多く含む肉や魚、大豆製品などの血液や筋肉をつくる「主菜」、野菜やきのこ類などからだの調子を整えるビタミンやミネラルを含む「副菜」が揃うことが理想です。
妊娠初期はつわりで思うように食べられないかもしれませんが、赤ちゃんは妊婦さんの体に蓄えられた栄養で成長できるので心配しすぎないでくださいね(※2)。
つわりがつらい間は無理はせず、食べられるものを食べられるだけ食べるようにしましょう。体調が落ち着いてきてから、栄養バランスについて考えていけるといいですね。
妊娠初期から摂りたいおすすめの食べ物は?
それでは具体的に、妊婦さんはどんな食べ物を食べるとよいのでしょうか。具体的なおすすめ食材を挙げていくので、食べられそうであれば、ぜひ妊娠初期から取り入れていきましょう。
緑黄色野菜
まずは、妊娠していなくても毎日摂りたい緑黄色野菜です。
健やかな体作りには必須の食材です。妊娠中に必要な、葉酸・ビタミン・カルシウム・鉄分・食物繊維などを豊富に含んでいるので積極的に摂取したいですね。
特に葉酸は、胎盤の細胞増殖に必要なDNAの合成を促すので、胎児の脳や神経、心臓などの様々な器官が作られる妊娠初期から摂りたい栄養素です。妊婦さんの貧血予防にも欠かせない栄養素ですよ。
妊娠中は、1日あたり480μgが推奨量となっていて、これは妊娠前の倍量となります(※1)。
葉酸は、モロヘイヤやほうれん草などの青菜類に多く含まれています。特にほうれん草は、妊娠中に不足しがちな鉄分も豊富なので、おすすめの食材です。
未精製の雑穀類
玄米や胚芽米といった、未精製の雑穀にはミネラルやビタミン・カルシウムが豊富に含まれています。また食物繊維も豊富なので、便秘がちな妊婦さんにもおすすめです。
ただし、玄米などは消化に時間がかかるので胃腸に負担がかかりやすいといわれています。妊娠初期のつわりで胃腸が荒れてしまっているときや、もともと胃腸が弱い人は、よく噛んで食べるように注意しましょう。
海藻類
海藻には、鉄分やカルシウム、食物繊維が多く含まれています。
ひじきや青のり、わかめ、もずくなどの海藻類はカロリーも低く、あっさりとして食べやすいので妊娠初期のつわりの時期でもチャレンジできそう。煮物やサラダ、お味噌汁など調理法が豊富なので、毎日のご飯に取り入れやすいのも嬉しいですね。
ただし、海藻類には「ヨウ素(ヨード)」という成分が含まれており、過剰に摂取し続けると胎児の甲状腺機能低下が起きる可能性があります(※3)。
厚生労働省は、妊婦さんのヨウ素の耐容上限量を2,000μg(2mg)/日としています(※3)。妊婦さんにとって良い食材ではありますが、摂りすぎには注意してくださいね。
大豆食品
納豆や豆腐などの大豆食品には、食物繊維や、赤ちゃんのからだや血液を作るたんぱく質が含まれています。
特に枝豆は、それに加え葉酸の含有量が100g中260μgと高めなので、おすすめの食材ですよ。
きのこ類
食物繊維やビタミン、カリウム、鉄、亜鉛などが含まれるきのこ類も妊娠中に積極的に摂りたい食材です。特にエリンギ、まいたけ、えのきには葉酸がたっぷり含まれています。
妊娠中期以降、体重が増加しすぎてしまった人には、きのこたっぷりのスープやきのこ鍋を食べると腹持ちもよく、体重増加を抑える効果も期待できます。
バナナ
バナナには100g中26μgの葉酸が含まれ、食物繊維が豊富です。さらにバナナにはつわりを軽減してくれるといわれるビタミンB6が豊富です。妊娠初期のつわり症状がひどい人には特におすすめですよ。
ヨーグルト
カルシウムが多く、整腸作用のあるヨーグルトは妊婦さんのお腹に優しい食材です。カルシウムは、体の機能維持や調子を整える働きをするミネラルのひとつで、おなかの中の赤ちゃんの骨や歯を形成します。
妊娠中の食事で注意したい食べ物は?
冒頭でも述べたように、妊娠中の食べ物には気を遣わなければいけないもの、食べない方が良いものもたくさんあります。ここでは、事前に知っておきたい妊娠したら注意したい食べ物を具体的にご紹介します。
アルコール・カフェイン
この二つは代表的なものなので、知っている人も多いですよね。妊娠中にアルコールを摂取すると胎児に障害を引き起こす「胎児性アルコール症候群」というものにかかる可能性があります。
また、カフェインには流産や死産を引き起こすリスクと、胎児の発育を阻害する可能性があります。
カフェイン摂取量をゼロにする必要はないものの、妊娠中はカフェインの摂りすぎに気をつけて、できるだけカフェインレスの飲み物にした方が安心です。
食中毒を起こしやすいもの
お刺身や生肉、生ハム、生卵、加熱殺菌していないナチュラルチーズなどは、食中毒を引き起こす可能性があります。特に生肉などに含まれるトキソプラズマに感染すると、胎児に障害が出る可能性があります。
妊娠中は食べ物を十分に加熱することを心がけましょう。
塩分
妊娠中は、「胎児発育不全」「胎児機能不全」を引きおこすことがある「妊娠高血圧症候群」にかかる妊婦さんも多くみられます。この妊娠高血圧症候群にならないためには、塩分の摂りすぎに注意しなければいけません。
厚生労働省によると、妊娠中の1日の目標量は6.5g未満です(※3)。味付けを薄くして、お味噌汁の汁は残すなど、減塩を目指しましょう。
ビタミンA
体の抵抗力を高め、皮膚などを健康的に保つためには欠かせないビタミンAは、継続的に過剰摂取をすると、赤ちゃんの奇形発症率が高くなることが報告されています。
鉄分が豊富な食材として代表的なレバーにもビタミンAが多く含まれているので、食べ過ぎに注意しましょう。
水銀を含む魚
水銀は胎児の先天性異常を引き起こす可能性があるといわれています。妊婦さんは水銀を多く含む魚を避けるべきで、キンメダイやクロマグロ、メカジキなどがそれに当たります。
関連記事に詳細があるので、週に食べられる量などを確認しておきましょう。
妊婦中の食事を楽しもう
妊娠すると食べたい食材、逆に食べる量や食べ方に注意しなければいけない食材がたくさんあります。あまり細かく気にしすぎるとストレスになってしまいますが、注意すべき食材や栄養素については知っておくと安心ですよ。
体調を優先しながら無理なく食べたい食材を取り入れて、食事の時間を楽しめるといいですね。