妊娠30週は、お腹や胸が更に大きくなり、色々なマイナートラブルに悩まされやすい時期です。赤ちゃんは呼吸や消化機能が発達し、早産になっても適切な処置をすれば外の世界で生きられる確率が高まってきていますよ。
今回は妊娠30週の妊婦さんと赤ちゃんの状態や変化についてご説明します。
妊娠30週目の妊婦さんの状態は?
妊娠30週頃の子宮底長の長さは、24~27cmくらいです(※1)。赤ちゃんの成長や羊水量の増加にあわせてお腹は急激に大きくなっているので、お腹が日に日に前にせり出すのを実感しているのではないでしょうか。
もし今の段階で逆子と言われても、分娩までに位置が戻る可能性があります。分娩時に逆子である可能性は、全妊娠の3~5%ほどなので心配しすぎる必要はありませんよ(※1)。
お腹に手を当てて、赤ちゃんに「元に戻ってね」と声をかけておくといいかもしれませんね。
妊娠30週目の赤ちゃんの状態は?
妊娠30週目の赤ちゃんは、小さな子でも体重が1,000gを超え、大きい子だと1,800gほどまで成長します(※2)。ほとんどの器官はでき上がっているので見た目に大きな変化はありませんが、体はどんどん大きくなっています。
お腹の中の赤ちゃんは、体を折り曲げた状態です。エコーで見ると少し苦しそうに感じるかもしれませんが、赤ちゃんにとってこれが一番落ち着く姿勢なので、心配しないでくださいね。
ちなみに、赤ちゃんがうつぶせ寝を好むのは、子宮内での姿勢と同じだからともいわれています
妊娠30週目に注意しておきたいことは?
妊娠30週目には以下に気をつけましょう。
過度な体重増加
妊娠中の体重増加は自然なことですが、ある程度の目安を保つことが大切です。妊娠中の体重増加の目安は以下の表を参考にしましょう(※3)。
急激な体重増加は妊娠トラブルにつながりやすいので、引き続き糖分・塩分のとりすぎや食べ過ぎには気をつけましょう。
ウォーキングなどの軽い運動もおすすめです。お産に向けた体力作りにもつながるので、毎日少しずつ体を動かせるといいですね。
反対に、体重がなかなか増えていない場合は、主食を中心に栄養をしっかりとるようにしましょう。
胎動の感じ方の変化
出産に向けて赤ちゃんの頭が骨盤に固定されて身動きが取りにくくなるため、臨月が近づくにつれて胎動は減少するといわれています(※4, 5)。
ただし、胎動の感じ方は赤ちゃんの大きさやママの体型、妊娠週数などによって個人差が大きく、ママが感じる胎動が減るとは限りません。
また、出産するまで胎動が全く感じられなくなることはありません。急に胎動が弱くなった・極端に少なくなったと感じる場合は、速やかにかかりつけの産婦人科を受診しましょう。
胎動がいつもと違う様子で違和感を感じた場合も、かかりつけの産婦人科へ相談することをおすすめします。
頻尿・尿もれ
妊娠30週を過ぎた頃から、出産に向けて膀胱周辺の筋肉が緩んだり、子宮が大きくなることで膀胱が圧迫されたりして、頻尿や尿もれに悩まされる人が増えます(※1)。
頻尿や尿もれは妊婦さんの多くが経験することなので、気にしすぎず自分が一番快適に過ごせる方法をみつけてくださいね。
こまめにトイレに行くようにして、もしものために尿漏れ専用パッドやおりものライナーを準備しておくといいですよ。
骨盤底筋を鍛えるために、尿意を我慢するときのように腟と肛門の周りに力を入れてトレーニングするのもおすすめです。
もし尿もれにしては量が多く、下着がビショビショになってしまうほどであれば破水かもしれません。
いつもと違う様子を感じたら、すぐにかかりつけの産婦人科に連絡してくださいね。
早産の兆候
早産の兆候には、お腹の張りや痛み、出血、破水などがあります。
妊婦健診で症状が発見される場合も多いので、定期的に妊婦健診を受診し、何か気になることがあれば早めにかかりつけの産婦人科に連絡しましょう。
早産による合併症のリスクが下がるのは妊娠32週を過ぎてからで、妊娠34週を超えると更に下がるといわれています。
そのため、妊娠30週頃で切迫早産と診断された場合は、入院をして安静にしながら、妊娠32週や妊娠34週を迎えられるような処置が行われます(※1)。
ただ、リスクがあるとはいえ、妊娠30週以降の早産でも医療技術の発達もあり、障害などを残さずに成長できている子もたくさんいます。
心配しすぎてストレスが溜めてしまうのはよくないので、穏やかに過ごせるようにしてくださいね。
妊娠30週目にしておくといいことは?
妊娠30週目には以下をやっておくといいですよ。
妊娠線のケア
妊娠30週以降は、お腹が大きくなるのに合わせて皮膚も急激に伸び、妊娠線ができやすくなる時期です。
妊娠線は一度できると消すのが難しく、お腹以外にも太ももや胸、二の腕のあたりなど様々な箇所にできる可能性があります。日頃からしっかりと保湿して皮膚をケアすることで、ある程度防ぐことができますよ。
ケアをするのは、血行がよく、水分が肌に浸透しているお風呂あがりがおすすめです。妊婦さんでも使える保湿クリームやオイルなどで、優しくマッサージしましょう。
保育園の検討
仕事に復帰する人は、保育園について考える必要があります。
保育園の待機児童が多い地域の場合は、保育園探しをする「保活」をする必要があることも。特に0歳から保育園の利用を考えている場合は、妊娠中から動いておきましょう。
競争の激しい地域ではできるだけ多くの園を候補に入れることが大切なので、たくさんの園を調べる必要があります。
情報収集や見学、申し込み手続きなど、やるべきことはたくさんありますし、産後は育児に追われて時間もとりにくくなります。
落ち着いている今のうちに探しておくと安心ですよ。
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赤ちゃんの成長を見守ろう
妊娠30週にもなると、出産が近づいていることから、神経質になってしまうこともありますよね。ほかの妊婦さんと比較して、心配になったり、悩んだりすることもあるかもしれません。
しかし、お腹の赤ちゃんの大きさや体重などは、個人差があって当たり前です。今はお腹にいる赤ちゃんが元気に成長してくれることだけを考えて、穏やかな気持ちで毎日を過ごせるといいですね。