おっぱいマッサージの方法をイラストで!いつから始める?【助産師監修】

監修専門家 助産師 佐藤 裕子
佐藤 裕子 日本赤十字社助産師学校卒業後、大学病院総合周産期母子医療センターにて9年勤務。現在は神奈川県横浜市の助産院マタニティハウスSATOにて勤務しております。妊娠から出産、産後までトータルサポートのできる助... 監修記事一覧へ

おっぱいマッサージというと、出産後に授乳が始まってから行うイメージを持つ人が多いかもしれません。しかし、妊娠中から適切なおっぱいマッサージを行うことで、産後の母乳の分泌がよくなる、赤ちゃんがおっぱいをスムーズに飲めるようになる、といった効果が期待できます。そこで今回は、おっぱいマッサージ(母乳マッサージ)について、効果や開始時期、やり方を、図解を交えてご紹介します。

おっぱいマッサージとは?母乳マッサージともいうの?

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おっぱいマッサージとは、乳房や乳首周辺を動かしたりほぐしたりすることで乳管を開通させ、乳首から母乳を出しやすくするためのマッサージです。母乳マッサージとも呼ばれることもあります。

乳管がうまく開通していないと、母乳が出にくかったり、詰まったりして、赤ちゃんが母乳をうまく吸えないだけでなく、乳腺炎になることもるため、おっぱいマッサージをしてケアをすることが大切です。

おっぱいマッサージ(母乳マッサージ)はいつからできる?

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おっぱいマッサージを始める時期については、母体の状態や病院の考え方によって異なります。一般的には妊娠後期に入ってからが目安ですが、自己判断では行わず、始めるときは医師や助産師に相談しましょう。

おっぱいマッサージをすると、オキシトシンというホルモンが分泌されて、子宮が収縮することがあるため、妊娠初期は自己判断では行わないようにしてください。

出産後は母体の状態に問題がなければ、基本的にいつ行っても問題はありません。

乳腺は血行がよくなることで開きやすくなるので、入浴時や入浴後に行うのがおすすめですよ。

おっぱいマッサージ(母乳マッサージ)の効果は?

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おっぱいマッサージをすることによって、主に下記のような効果が期待できます。

おっぱいマッサージ(母乳マッサージ)の効果

  • 乳管を開通させることで母乳が出やすくなる
  • 乳首が鍛えられて伸びがよくなり、授乳中のトラブルを防ぐ

母乳は血液から作られています。母乳マッサージを行うことで血行が促進されるので、母乳の分泌がよくなります。

赤ちゃんがおっぱいを吸う力は想像以上に強いため、授乳によって乳首が切れたり、荒れたりすることもあります。おっぱいマッサージで乳首の伸びを良くしておくと、赤ちゃんが母乳を吸いやすく、乳首のトラブルも軽減できますよ。

おっぱいマッサージ(母乳マッサージ)を始める前の準備は?

乳首には、赤ちゃんが吸いやすい形と吸いにくい形があります。まずは、おっぱいマッサージを始める前に、自分の乳首が下記のどれにあてはまるか確認して、準備をしましょう。

理想の乳頭(乳首)

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乳首の付け根が少しくびれている先に膨らみがある状態が理想。引っぱったときに2センチくらい伸びると、赤ちゃんが吸いやすいおっぱいといえます。

扁平乳頭(乳首)

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乳頭と乳房の境目がない状態です。この形の場合、赤ちゃんが乳首を舌に巻き込みにくいですが、伸びがよければうまく吸うことができるので、マッサージで伸びをよくしましょう。乳頭吸引器で乳首を突出させると、マッサージしやすくなりますよ。

陥没乳頭(乳首)

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乳頭が乳房の内側に入って隠れている状態の乳首です。乳頭が刺激に弱く、傷つきやすいため、乳頭吸引器などで乳首を外に出してからマッサージしましょう。

乳頭(乳首)が小さい

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小さい乳頭は圧力がかかりやすく、傷つきやすい状態。この場合も赤ちゃんが舌に巻き込みにくいので、マッサージで乳首を柔らかくし、傷つきにくくしましょう。

乳頭(乳首)が大きい

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乳頭が大きいと赤ちゃんの口に入りきらないことがあります。マッサージをして乳頭を柔らかくしていきましょう。

産前のおっぱいマッサージ(母乳マッサージ)の方法とは?

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出産後に母乳を出しやすくするために、産前におすすめのおっぱいマッサージの方法をご紹介します。

産前のおっぱい(母乳)マッサージの方法【1】

1. 乳輪と乳房の境目に親指、人差し指、中指の3本を当てる
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2. 乳頭をつまむ
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3. 乳首を付け根から軽く引っぱる
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4. 1~2を3回ほど繰り返す

産前のおっぱい(母乳)マッサージの方法【2】

1. 親指と人差し指で乳輪をつまみ、乳首の周りを角度を変えながら圧迫していく
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2. 人差し指と中指で乳頭をはさみ、親指で乳頭の先を回す
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3. 親指、人差し指、中指で乳頭を掴み、左右に回転させる
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産後のおっぱいマッサージ(母乳マッサージ)の方法とは?

授乳 母乳

次に、産後に母乳を出しやすくするマッサージの方法をご紹介します。

血液の流れが悪くなると、乳頭がむくんでしまうこともあります。むくんでしまうと痛みで授乳できなくなることもあるので、むくみをとるマッサージも併せてご紹介します。

産後のおっぱい(母乳)マッサージの方法【1】

1. マッサージをするおっぱいと反対側の手でおっぱいを横から覆うように包み込む
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2. もう一方の手を添えて、横に向かって3回ほど軽く押す
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3. 1~2の動作を、反対のおっぱいも同様に行う

産後のおっぱい(母乳)マッサージの方法【2】

1. マッサージするおっぱいと反対側の手での斜め横から支える
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2. もう一方の手を、すでに添えている手の下に添える
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3. 胸の内側斜め上に向かって3回ほど軽く押す
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4. 反対側のおっぱいも1~3を同様に行う

産後のおっぱい(母乳)マッサージの方法【3】

1. マッサージするおっぱいと反対側の手で、おっぱいを下から支える
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2. もう一方の手を添える
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3. 小指を支点とし、上の方に向かって3回ほど軽く押す
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4. 反対側のおっぱいも1~3を同様に行う

おっぱいのむくみをとるマッサージ

1. 薬指、中指、小指で乳房を支え、親指と人差し指で乳首を圧迫する
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2. 圧迫する位置を上から下に2~3回ずつずらしながら圧迫していく
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3. 両手の薬指と小指で乳輪を左右から持ち上げ、親指と人差し指で乳輪をゆっくりつまむ
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4. 乳頭を中心に、位置をずらしながら3~4回内側に圧迫していく
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おっぱいマッサージをするときの注意点は?

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繰り返しになりますが、妊娠中におっぱいマッサージをするときは、妊娠後期に入って、医師や助産師に許可をとってから行うようにしましょう。

また、たとえ妊娠後期であっても、切迫早産の場合や、お腹が張りやすいときは行わないでください。

マッサージをするときに強く力を入れすぎてしまうと、乳腺を傷つけることがあるので、ほどよい力加減で行いましょう。

産後のおっぱいマッサージは、ママの体の調子がよければ基本的にいつ行っても問題ないですが、むやみにマッサージをすると乳腺炎の原因になることもあります。

マッサージをした後も母乳が出にくい状態が続いたり、おっぱいに違和感を覚えたりしたら、母乳外来で診てもらってくださいね。

妊娠中からおっぱいマッサージ(母乳マッサージ)を行おう

妊娠中からおっぱいマッサージを行っておくと、出産後、母乳育児をスムーズに始めることができます。ただし、母乳の分泌には個人差があり、マッサージを行ったからといって必ず分泌がよくなるとは限りません。母乳量が足りないと感じたときは、母乳外来などで相談するようにしましょう。

今回ご紹介した方法を参考に、産前と産後に適したマッサージを行って、赤ちゃんが美味しくおっぱいを飲んでくれるといいですね。

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