妊婦ができるダイエット法は?食事や軽めの運動で体重を減らそう!

監修専門家 助産師 佐藤 裕子
佐藤 裕子 日本赤十字社助産師学校卒業後、大学病院総合周産期母子医療センターにて9年勤務。現在は神奈川県横浜市の助産院マタニティハウスSATOにて勤務しております。妊娠から出産、産後までトータルサポートのできる助... 監修記事一覧へ

妊娠中は赤ちゃんをお腹の中で育てるために栄養を蓄えなければならず、体重が増えて当たり前の時期です。特に妊娠中期から後期にかけてはつわりも終わり、胎児も栄養を必要としているため急激に太りやすく、体重のコントロールが難しくなります。しかし、妊娠中はどのようにダイエットをすればいいのか迷いますよね。そこで今回は、妊婦さんにもできるダイエット方法についてご説明します。

妊娠中のダイエット、体重が増えすぎたら必要なの?

オリジナル 妊婦 検索

妊娠すると、女性の体には様々な変化が表れます。

まずは妊娠初期のつわり。つわりの種類や程度には個人差があり、吐きつわりで体重が激減する人もいれば、食べつわりで妊娠初期から体重が増加する人もいます。

妊娠初期で体重が減った人でも、妊娠中期以降になるとつわりが落ち着き、今度は食欲が増して急激に体重が増えてしまうこともあります。

妊娠中だから仕方がないともいえますが、過度な体重増加は「妊娠高血圧症候群」や「妊娠糖尿病」といった症状が出るリスクもあります。これらの症状が出てしまうと、胎児の発育障害や早産などのさまざまなトラブルを誘発する恐れがあります。

体重の増加が気になる場合は、健診時に医師や助産師に相談してみましょう。

厚生労働省では、妊娠中の体重増加の適正値の目安は、普通体型の人で10~13kg、瘦せ型の人で12~15kg、肥満気味の人は個別に対応としています(※1)。

この数値を超えたからといって、必ずしもダイエットが必要なわけではありません。

しかし出産前に体重の増加量が目安の数値を大幅に上回っている場合は、体重に関して医師からアドバイスされることもあります。その場合は、医師の指示に従うようにしてください。

妊娠中はダイエットで体重を減らすべき?

体重計 女性

医師からの指示がない限り、妊娠中にダイエットによって体重を故意に減らすことはしないようにしましょう。妊娠中の適正な体重増加は、赤ちゃんの発育にとって必要なことです。

もし妊娠中にダイエットを行うのであれば、あくまでも、今の体重を維持する、これ以上増加させないといった目的で行いましょう。特定の方法でダイエットを試みる際は、事前に医師や助産師に相談したうえで行った方が安心です。

これから紹介する方法で無理なくストレスなく、体重が減ったという妊婦さんもいます。しかし、それぞれの体質や元の体重によることも多く効果には個人差があるものです。

自分自身で無理がないと思える範囲で、取り組んでくださいね。

妊婦でもできるダイエット方法とは?

もし、妊婦健診で医師から体重増加の指導をされたら、体重をコントロールする必要があります。しかしもちろん激しいダイエットは禁物です。

食生活や生活習慣を見直し、健康的な生活を送ることが基本です。以下に妊娠中でもできるダイエット方法の具体例を挙げたので、自分に合ったスタイルを見つけてみてくださいね。


● 食生活からアプローチする方法

1. 和食中心の食事

和食

まずは基本中の基本、日々の食事内容を和食にすることが一番です。食べる量を減らすわけではないので、無理なく続けられますよ。

特に根菜類をたっぷり含んだお味噌汁は腹持ちがよく、体を温め、食物繊維も豊富なのでおすすめです。一汁三菜を基本にすれば、栄養をバランス良く摂ることができますよ。

また主食に、満腹感を得やすい玄米や五穀米を取り入れるのもおすすめです。便秘予防も兼ねられますよ。

2. ヘルシーおやつにする

アーモンド ナッツ おやつ

妊娠中は、朝・昼・晩の3食の間にお腹が空いてしまうこともよくあります。ついお菓子をつまんでしまいたくなりますが、ここはぐっと我慢しましょう。

どうしても耐えられない場合は、アーモンドなどの木の実類や寒天で作ったゼリーなど、ヘルシーなおやつで空腹を満たしましょう。

また、1日3食の食事を5回くらいに分けて、少しずつ食べるという方法もおすすめです。

3. しらたきご飯

飲食 ごはん 箸 お茶碗

和食中心の食事からもう一段階効果を上げたい人には、しらたきご飯がおすすめです。作り方は、白米にしらたきの細切れを混ぜて炊飯するだけ。

妊婦さん向けではなく、通常のダイエット手法として有名になったものですが、食べる量を減らさずにカロリーだけ減らすことができるので、ストレスになりにくく、おすすめの方法です。

● しらたきご飯の作り方

  1. 白米をといで、水を吸わせておく(いつもの炊飯時と同じ)
  2. しらたきを乾煎りして、しっかり水気を飛ばす
  3. しらたきをごはん粒サイズに刻む
  4. 刻んだしらたきを白米に混ぜて、いつもと同じように炊く

お米2合に対してしらたき160~200gが目安ですが、好みにもよるので、色々な比率で試してみてくださいね。

4. 揚げ物制限

飲食 料理 揚げ物 天ぷら

和食中心といっても、天ぷらなどの油っぽいものばかりを食べていては逆効果です。「妊娠するとやたら揚げ物が食べたくなる」という妊婦さんもいますが、食べる量には気をつけましょう。

ただし脂質はビタミンAやビタミンDの吸収を助ける効果もあり、脂質が不足すると早産のリスクが高まるため、完全に脂質を控える必要はありません(※2)。


● 運動を取り入れた方法

5. ウォーキング

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妊娠中は、言うまでもなく激しい運動、お腹に力を入れるような運動はできません。妊娠中期、後期と、お腹が重くなってくればなおさらです。

そのため、ダイエット目的で運動を行う場合は、ウォーキングのほか、以下のような軽いものから始めてみましょう。

お腹の張りや体調と相談しながら行うようにしてくださいね。

  • 交通機関や自転車ではなく、歩いて移動する
  • 家の中で足踏みをする
  • エスカレーターではなく階段を使う(転ばないよう手すりを使うなど気をつけて)

6. マタニティヨガ

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マタニティヨガは、妊婦さんでも無理なく運動ができるので人気を集めています。

ストレッチ効果や呼吸法で、心の安定を図ることができるのも良い点ですよね。マタニティヨガ教室に通えないという人は、自宅でDVDを見ながら行うのもいいでしょう。

ただし、妊婦さんの体調は人によってそれぞれです。マタニティヨガをする場合は医師の許可を事前にとりましょう。特に切迫早産の診断がされている妊婦さんは、行わないようにしてくださいね。

7. マタニティスイミング

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マタニティスイミングは、妊娠16週以降の安定期に入り、切迫流産や早産のおそれがなく、医師の許可がおりたら行うことができます。

水中の負荷のなか体を動かすことで、体重抑制のほか、むくみやストレス、肩こり、腰痛などにも有効です。

最近ではスイミングスクールだけでなく、フィットネスジムでも妊婦さん専用の講座が開かれています。特にレッスンを受けなくても、水中ウォーキングをするだけで効果がありますよ。

ただし水の中は冷えやすいので、注意が必要です。

冷えにくい水着を着用する、適度に休憩を取る、長時間水の中に浸かることのないようにするなど、自分の体とよく相談して行いましょう。


● メンタルからアプローチする方法

8. レコーディング

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食べたものを細かく記録する、レコーディングダイエットも効果的です。

日々の体重も細かく書き記してみましょう。自分がどんなもので体重が増えてしまいやすいのかが分かったり、昨日は食べ過ぎたから今日は控えるなど、意識的に体重をコントロールできるようになりますよ。

妊娠中は無理のないダイエットを心がけて

妊婦さんのダイエットに無理は禁物です。

妊娠中は体重が急激に増えすぎないよう意識することも大切ですが、あまり気にして空腹状態が続くと貧血を引き起こしたり、胎児の成長に必要な栄養が不足する危険性があります。

医師から指導されていないのであれば、過度に体重増加を気にしないようにしましょう。

ダイエットは産後から始めても遅くはありません。ママの体とお腹の赤ちゃんを最優先にしながら、ストレスのないマタニティライフを送ってくださいね。

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