【妊娠2ヶ月目】は妊娠判定する大切な時期。体の変化や過ごし方の注意まとめ

監修専門家 助産師 佐藤 裕子
佐藤 裕子 日本赤十字社助産師学校卒業後、大学病院総合周産期母子医療センターにて9年勤務。現在は神奈川県横浜市の助産院マタニティハウスSATOにて勤務しております。妊娠から出産、産後までトータルサポートのできる助... 監修記事一覧へ

妊娠2ヶ月目は、週数でいえば妊娠4~7週目にあたります。生理が遅れて、「妊娠したかも?」と気づき始める頃です。妊娠2ヶ月目の後半には体調の変化が現れ、妊娠したことを実感し始める時期でもあります。今回は、妊娠2ヶ月目に現れる症状やお腹の変化、赤ちゃんの状態、気をつけることなどをご説明します。

妊娠2ヶ月目はどんな時期?

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妊娠2ヶ月とは妊娠4~7週目にあたり、着床してから最初の1ヶ月です。生理周期を28日間で考えると、妊娠4週0日が生理予定日にあたります。

妊娠4週目を過ぎても生理が来ないときに、多くの人が「妊娠したかも?」と考えるようです。そして、着床後の変化が進んでいるので、赤ちゃんの細胞が作られ始め、ママにもいろいろな自覚症状が出始めます。

妊娠4週目

妊娠3週目の後半に着床した受精卵は、細胞分裂を繰り返しています。

妊娠を維持するためにhCGの分泌量が増えますが、妊娠4週目で妊娠検査薬を使ってもフライングになってしまうので、正確な妊娠判定は妊娠5週目以降に行いましょう。

妊娠5週目

生理周期が安定している人にとっては、生理が1週間近く遅れていることに気づくはずです。この週で妊娠しているかもしれないと考える人が多いようです。

妊娠5週目頃には、赤ちゃんの元になる外胚葉・中胚葉・内胚葉(三胚葉)が形成されて、赤ちゃんは「胎芽」と呼ばれる状態になります。生命維持に不可欠な心臓や中枢神経なども形成され始めます(※1)。

妊娠が成立していれば、hCGの分泌量が増えているので、妊娠検査薬での妊娠判定が可能です。陽性反応後、病院のエコー検査で子宮内に赤ちゃんを覆う袋(胎嚢)が確認されれば、妊娠が確定します。

妊娠6週目

生理不順の人でも、生理の遅れに気づく頃です。妊娠6週目頃には妊娠による体調変化が現れ始め、つわりなどの妊娠初期症状に悩まされる人も出てきます。つわりによって妊娠したことに気がつく人もいます。

胎芽では、腎臓などの臓器、目、耳などの細胞が形成されます。心臓も機能し始めるので、エコー検査では赤ちゃんの心拍を確認できるかもしれません。

妊娠7週目

妊娠7週目頃には多くの人が妊娠の可能性に気づき、産婦人科で初診を受けます。胎嚢と心音が確認できれば、赤ちゃんは順調に成長している証拠です。ただし、心音が確認できていなければ流産と判断されることもあります(※1)。

赤ちゃんの成長が確認できたら、母子手帳や妊婦健康診査受診票を受け取ります。今後は、月1回の妊婦健診を受けて赤ちゃんの成長を見守っていくことになります。

妊娠2ヶ月目は妊娠判定する大切な時期

病院

ほとんどの人は妊娠2ヶ月目の間に妊娠したことに気がつきます。生理の遅れで判断する人もいれば、つわりなどの妊娠初期症状で気づく人もいます。

一般的な妊娠検査薬は「生理予定日の1週間後」から正確に検査ができるので、早い人では妊娠5週目に入る頃から使用できます。ただし、生理不順の人や生理周期が長い人の場合、「生理予定日の1週間後」が妊娠6週目に入ってしまうこともあるので、注意が必要です。

陽性反応が出た後、病院でエコー検査を受けて子宮内に「胎嚢」が確認できれば、妊娠したと判断されます。その後、赤ちゃんの心臓が機能し始めたことを意味する心音が確認できると、順調に発育していると考えられます。

このときに胎嚢や心音が確認できないと流産や子宮外妊娠の可能性もあるので注意が必要です。

妊娠2ヶ月目では子宮外妊娠の可能性もある?

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受精卵が子宮内膜以外に着床してしまうことを「異所性妊娠」といい、「子宮外妊娠」とも呼びます。約1%の確率で起こり、生活習慣の注意などで予防することはできません(※2)。

子宮内膜以外に着床した場合でもhCGが分泌されるので妊娠検査薬で陽性反応を示します。しかし、子宮外妊娠の場合、病院のエコー検査を受けても、子宮内に胎嚢が確認できません。

子宮外妊娠ではほとんどの場合、妊娠を継続することはできず、放置していると卵管破裂を引き起こすなど、命の危険に関わります。妊娠検査薬の陽性反応が出た後、病院に行くのを後回しにする人もいますが、子宮外妊娠の可能性も考えて早めに病院を受診してくださいね。

妊娠2ヶ月目に現れる妊娠初期症状は?お腹の大きさは?

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妊娠2ヶ月目はまだお腹は大きくなっていませんが、体内の変化は急速に進みます。胎盤が形成され始め、hCGやエストロンゲン、プロゲステロンなどの妊娠に関わるホルモンが大量に分泌されます。

この変化で目立ってくる症状を妊娠初期症状と呼びます。主な症状としては、だるさや眠気、熱っぽさ、つわりによる吐き気、頭痛や胸の張りなど様々で、情緒不安定になって涙もろくなったりイライラしやすくなったりといった変化も挙げられます。

ホルモンバランスの変化は心身ともに影響し、自分の体が自分のものではないような感覚にも襲われるかもしれません。妊娠中はそれだけ大きな変化が現れることを知って、パートナーや家族にも理解してもらいましょう。

妊娠2ヶ月目はつわりに悩まされ始める

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妊娠初期症状の中でも、もっともつらいのが「つわり」です。人によって症状は違いますが、全妊婦さんの50~80%はなんらかのつわり症状に悩まされます(※1)。

つわりは早ければ妊娠5週目頃から始まり、妊娠週数が進むにつれて症状が重くなりますが、妊娠12~16週頃には徐々に落ち着いてきます。

吐き気を感じる「吐きつわり」、食べていないと気持ち悪くなる「食べつわり」、においに敏感になって吐き気をもよおす「匂いつわり」、よだれが出続ける「よだれつわり」、その他にも眠気が強くなる「眠りつわり」など、その症状は多様です。

対処法もそれぞれで異なるので、自分のつわりの特徴を見つけられるといいですね。

妊娠2ヶ月目の赤ちゃんの状態は?

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妊娠2ヶ月目の赤ちゃんは「胎芽」と呼ばれる状態です。最初は人間のような姿ではなく、オタマジャクシのような形をしています。しかし短期間で急速に発育し、妊娠2ヶ月目の終わり頃には、手足が生え、頭もできて、2頭身の人間らしい形まで変化します。

妊娠2ヶ月目から妊娠3ヶ月目にかけては、「器官形成期」と呼ばれ、赤ちゃんにとって大切な臓器の元が作られる時期です。

赤ちゃんの体内では脳の視床下部や腎臓、乳腺、心臓、肺といった様々な臓器が形成され始め、筋肉の動きを司る小脳も発達します。少しずつ、体を動かすための準備が整いますよ。

この時期に赤ちゃんに影響のある薬を服用すると、奇形をもたらすリスクが高まるため、自己判断で薬を服用せず、医師の指示を守るようにしてくださいね(※2)。

妊娠2ヶ月目の不正出血には要注意!流産の可能性も?

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妊娠初期は子宮内も不安定で、不正出血を起こしやすい時期です。ピンクっぽい色のおりものが出たり、黒っぽい赤褐色の血が少量出てきただけであれば、過度に心配しなくても良いでしょう。生理用ナプキンをあて、体の状態や出血の様子を記録して、医師に相談してください。

しかし、腹痛やお腹の張りを伴ったり、鮮血が大量に出たりしたときには要注意です。切迫流産の可能性も考えられるので、すぐに病院を受診してください。残念ながら全妊娠の8~15%は自然流産となってしまい、そのほとんどが妊娠4ヶ月未満で発生します(※3)。

妊娠2ヶ月目の過ごし方は?食事の注意点は?

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妊娠2ヶ月目はつわりに悩まされ始めるので、食事がうまく取れなくなるかもしれません。つわり中は無理して食べずに、「食べられるものを、食べられるときに、少しずつ食べる」ことを意識してください。

食べられるものは限られてしまうと思いますが、できる範囲内で「鉄分」と「葉酸」は摂取してください。

妊娠中は血液量が増えて赤ちゃんに優先的に鉄分を届ける必要があるので、妊娠前以上に鉄分が必要になります。鉄分不足になると、貧血や立ちくらみ、頭痛、疲れやすいなどの症状が現れるので、小松菜やひじき、納豆、ほうれん草など、鉄分を多く含む食材を積極的に摂取しましょう。

また、葉酸は細胞の生産を促す働きがあることから、赤ちゃんの脳や神経がつくられる妊娠初期には必要不可欠な栄養素です。妊娠前から摂取しておくことが大切ですが、妊娠初期の間も継続的に取るようにしましょう。

妊娠2ヶ月目は情緒不安定になりやすい時期

妊娠2ヶ月目は赤ちゃんの存在を実感する一方で、つわりや妊娠初期症状などの変化に悩まされる時期です。自分の体の変化に戸惑い、ストレスを感じることも多くなると思います。特に初めて妊娠した方は、妊娠・出産に対する不安と、ホルモンバランスが崩れることで情緒不安定になりやすくなることもあるかもしれません。

妊娠は自分一人で抱えることではないので、悩みがあればパートナーや家族に相談してください。心身両面でサポートしてもらいながら、ゆったりした気持ちでマタニティライフを過ごせるといいですね。

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