妊娠3ヶ月目の妊婦さんや赤ちゃんの様子は?お腹の大きさや体重は?

監修医師 産婦人科医 藤東 淳也
藤東 淳也 日本産科婦人科学会専門医、婦人科腫瘍専門医、細胞診専門医、がん治療認定医、日本がん治療認定医機構暫定教育医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医で、現在は藤東クリニック院長... 監修記事一覧へ

妊娠8~11週目にあたる妊娠3ヶ月目は、つわりがピークを迎える人が多い時期です。赤ちゃんは人間として必要な機能がそろい始め、妊婦さんの体は少し下腹部がふくらんでいるような感覚がでてきますよ。

今回は妊娠3ヶ月目の妊婦さんの体の変化や、赤ちゃんの成長度合い、この時期に気をつけたいことなどをご説明します。

妊娠3ヶ月目の妊婦さんの状態は?

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妊娠3ヶ月目が終わる頃までに、子宮はもともと鶏の卵くらいの大きさから大人の握りこぶし大に成長します(※1)。お腹を触ると少しふっくらとしているのがわかりますよ。

この時期には、以下のような症状が起きやすいです。

つわりのピークを迎える人も

妊婦さんの半数以上が経験するつわりは、妊娠3ヶ月目頃にピークを迎える人が多いとされています。食欲不振になり体重が落ちてしまう人もいるので、赤ちゃんに栄養が行き届いているのか心配になるかもしれません。

しかしこの時期の赤ちゃんは母体に蓄えられた栄養で育つことができるので、あまり食べられなくなっていても心配しすぎる必要はありませんよ(※1)。

つわりがひどい時期は、一度に食べる量を少なくして、体調の良いときにこまめに食事をとるのがおすすめです。

食べづわりなら、すぐ口に入れられるものを枕元に用意したり、移動中も持参したりして対処しましょう。

マイナートラブルが増える

子宮が大きくなると特に膀胱や大腸が圧迫されて、便秘や頻尿などのトラブルに悩まされる人が増えてきます。

また妊娠によりホルモンバランスが変化することで、乳首や乳頭、腟などに色素沈着が起こりやすくなり、黒ずみやほくろ、あざ、そばかすなどが気になり始めることも。

これらの症状は妊娠中に起こる一時的なもので、産後は解消されることがほとんどです。

妊娠3ヶ月目の赤ちゃんの状態は?

妊娠11週

ここでは、妊娠3ヶ月目の赤ちゃんの状態を、週数別にご紹介します。

妊娠8週目

妊娠8週目から、赤ちゃんは「胎芽」ではなく「胎児」と呼ばれるようになります。体が伸び、まっすぐになり始めます。

妊娠9週目

妊娠9週目になると、胎児の頭殿長(CRL)は2cmほどの大きさになり、手や足など体の細部が引き続き作られ続けます(※1)。

妊娠10週目

妊娠10週目頃には、赤ちゃんの体や手足が動く様子が超音波検査で見られるようになってきます。頭が大きい2頭身の姿ですが、これから胴が伸びてバランスが取れていきますよ。

心臓がほとんどできあがり、経腟超音波検査では赤ちゃんの心拍が力強くはっきりと確認できるようになります。

妊娠11週目

妊娠11週目には、胎児の頭殿長は4cmほどの大きさになり、体重約20gまで成長します(※1)。大きめのイチゴくらいの大きさをイメージしてくださいね。

手の水かきがなくなり、胴体が少し伸びて3頭身の人間らしい体つきになります。外生殖器ができはじめますが、超音波検査で性別が分かるようになるのはもう少し先です。

妊娠3ヶ月目に注意しておきたいことは?

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妊娠3ヶ月目には、以下のことに気をつけましょう。

妊娠悪阻

妊娠3ヶ月頃は吐き気や胃のむかつきに悩む人が多い時期です。妊娠前から5%以上体重が落ちていたり、1日中吐いたりする人は「妊娠悪阻」になっている可能性があります(※1)。

吐き気がひどく食事がとれない、水も飲めないといった場合は早めに医師に相談しましょう。

切迫流産

妊娠12週未満の流産は「早期流産」と呼ばれ、全妊娠の10%超に起こります(※1)。

早期流産は胎児側の染色体異常が主な原因で、どんなに気をつけていても防げるものではありません。

もし夜間や休日に少量の出血や軽い腹痛があっても、すぐに救急外来に行く必要はなく、翌日もしくは予定している健診での受診で問題ないとされています(※2)。

ただし、生理の時より出血量が多い場合や腹痛がひどい場合はすぐに病院を受診してくださいね。

妊娠3ヶ月目にしておくといいことは?

カレンダー スケジュール 期間 日程

妊娠3ヶ月目には、以下のことをしておくのがおすすめです。

母子手帳の受け取り

妊婦さんや赤ちゃんの健康状態などを記録する「母子手帳(母子健康手帳)」は、妊娠11週までに届け出ることが推奨されています(※3)。

受け取りには、病院で記載してもらった妊娠届出書が必要です。オンラインで届出ができる自治体もあるので、受け取り方法を確認しましょう。

体調が悪ければ、世帯が同一の人であれば代理での受け取りも可能ですよ。

マタニティウェアの準備

見た目や体重にはそれほど影響ありませんが、タイトな服を着ているときつく感じ始めるかもしれません。

お腹をあまりきつく締め付けすぎない服を選ぶようにして、体調がいいときにはマタニティウェアの準備を始めるのもおすすめです。

分娩予約をしておく

ほとんどの産婦人科では、出産予定日が確定した時点で分娩予約ができます。

希望する病院の予約が埋まってしまうこともあるので、妊娠3ヶ月に入ったらはやめに予約しておくと安心ですよ。

里帰り出産をする場合は、現在通っている産婦人科に紹介状を書いてもらう必要があるので、里帰り先の病院が決まったら早めに医師に相談しましょう。

里帰り先の病院を選ぶ時は、実家から病院までの距離や自分のバースプランに合うかどうかなど、事前に電話やホームページで確認しておくことをおすすめします。

妊娠3ヶ月目は無理のない生活を

妊娠3ヶ月目は赤ちゃんが急成長する一方で、つわりがピークを迎える妊婦さんが多い時期です。

マイナートラブルなど体の変化も多いので、周囲にサポートしてもらいながら、無理のない生活を続けていってくださいね。

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