妊娠6週!胎児の成長や妊婦の症状、生活の注意点は?

監修医師 産婦人科医 間瀬 徳光
間瀬 徳光 2005年 山梨医科大学(現 山梨大学)医学部卒。板橋中央総合病院、沖縄県立中部病院などを経て、現在は医療法人工藤医院院長。産婦人科専門医、周産期専門医として、産科・婦人科のいずれも幅広く診療を行って... 監修記事一覧へ

妊娠6週目は、つわりなどの妊娠初期症状が本格的に現れることもあり、体がどんどん変化していく時期です。お腹の赤ちゃんが順調に成長しているかを判断するには、妊娠6週目以降の心拍確認も重要になってきます。産婦人科を受診して心拍確認ができなかった場合、いつまでにできればいいのかも気になりますよね。今回は妊娠6週目の妊婦さんの症状や赤ちゃんの状態、心拍確認ができるのか、出血による流産の危険性、つわりや妊娠初期症状などについてもご説明します。

妊娠6週目の体の状態は?

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妊娠6週目は、生理予定日から2週間が過ぎた時期です。生理が来ておらず、つわりなどの妊娠初期症状が現れてくるので、ほとんどの人が妊娠したことに気づきます。妊娠検査薬で陽性反応が現れたら産婦人科を受診しましょう。

超音波検査で子宮内に胎嚢を確認できれば、妊娠と診断してもらえます。出産予定日は、最終月経開始日と赤ちゃんの頭臀長(とうでんちょう)を測定することで割り出されるので、妊娠6週目ではまだ赤ちゃんが小さく、決まるのはもう少し先になることが多いです。

お腹が大きくなるような外見上の変化はまだありませんが、妊娠初期症状を始めとした体調の変化に悩まされる人もでてきます。体調の変化が激しいと辛いこともあるかもしれませんが、妊娠はそれだけ大きな変化であるとも言えます。

妊娠6週目の赤ちゃんの状態は?

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妊娠6週目には、妊娠初期の赤ちゃんである「胎芽」が少しずつ人間の姿に近づいていきます。これまではしっぽのような部分があり、他の生物と区別がつかないような形でしたが、しっぽが目立たなくなり、手足ができ始めます。また、頭が形成されて目や耳もできていきます。

赤ちゃんを包む胎嚢は1.5cmほどで、赤ちゃんの大きさも1cm未満です(※1)。運が良ければエコー写真でも確認できます。体は小さいながらも、脳や神経、心臓もつくられます。

妊娠6週目は心拍確認できる?時期はいつまで?

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赤ちゃんが順調に成長しているかを判断するために、妊娠5週目以降の胎嚢確認と同様に、赤ちゃんの心拍確認が重要です。

全身に酸素や栄養を運ぶために不可欠である心臓は、早い段階で作られます。妊娠6週目くらいにはかなり形成され、しっかりと脈を打ち始めます。妊娠6週目であれば経腟エコーによる心拍確認が可能になります。

ただし、排卵日がずれたことで、実際の妊娠週数が、最終月経開始日から計算した妊娠週数とずれていることがあります。その場合、最終月経から計算して妊娠6週目でも、まだ心拍が確認できないことがあります。

もう少し日にちが経つと心拍が見えてくることが多いので、数日から1週間後に再度受診するように言われることが一般的です。

妊娠6週目からはつわりなどの妊娠初期症状が続くの?

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妊娠6週目になると、ほとんどの妊婦さんにつわりが現れます。つわりの症状は、妊娠8〜11週目くらいにピークを迎え、妊娠12〜16週頃に落ち着くのが一般的なので、しばらくの間は上手に付き合っていく必要があります(※1)。胃のむかむかや吐き気以外にも、よだれの増加など症状は様々なので、それぞれにあわせた対策で乗り切りましょう。

つわり以外にも妊娠初期症状として、以下の症状が見られることがあります。

主な妊娠初期症状

● 体がだるい
● 眠気
● 下腹部の違和感、張り
● 頭痛
● 腰痛
● 頻尿
● 便秘
● 熱っぽい
● 感情の起伏が激しくなる

妊娠初期は様々な症状に悩まされるものです。一筋縄ではいきませんが、妊娠中ずっと続くわけではないので、今だけだと考えて対処していってくださいね。

妊娠6週目に出血したら…流産の可能性はあるの?

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妊娠6週目はまだ出血しやすい時期です。正常の妊娠でも、妊娠初期には少量の出血が起こることがあります。夜間や休日に少量の出血があった場合は、急ぎすぎる必要はありませんが、翌日や、予定された診察日に病院を受診するようにしましょう。

しかし、なかには流産によって出血が起こることもあります。全妊娠の約15%に流産は起こり、そのうち8割以上が妊娠12週未満の早期流産といわれています(※1)。妊娠初期の流産は胎児の染色体異常が主な原因と言われ、防ぐことはできません。

妊娠初期の時期は、産婦人科の診察においても流産になるかどうかの予測が難しく、また切迫流産の特効薬もないため、慎重に経過をみていくことになります。

少量の出血で強い腹痛がなければ、自宅で安静を指示されることが多いでしょう。妊娠6週に出血し切迫流産と診断されても、必ず流産になるわけではなく、その後順調に赤ちゃんが成長していくことも多いですよ。

しかし、多量の出血があったり、強い腹痛が続いたりする場合は、流産が進行している可能性があるので早めに産婦人科を受診しましょう。

妊娠6週目は無理に食事をしなくても大丈夫

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妊婦中は赤ちゃんの成長をサポートするために、妊娠前に比べて栄養摂取量を増やす必要があります。具体的には、妊娠13週6日までは、1日に必要なカロリーは妊娠前に比べて+50kcalとされています(※2)。

ただし、妊娠初期はつわりがひどくて食事もままならなくなる人も。その場合は無理に食べようとするとかえって吐き気をもよおすだけです。

「赤ちゃんのためにちゃんと食べなきゃ」と思うかもしれませんが、妊娠初期の赤ちゃんは卵黄嚢と呼ばれる部分から栄養を供給されているので、ママが少しでも栄養を取れていれば栄養不足に陥ることはありませんよ(※1)。

赤ちゃんに危険が及ぶような脱水症状だけは起こさないように水分をこまめにとるようにし、食事は「食べられるものを、食べられるときに、少しずつ」食べていれば大丈夫です。

また、妊娠前から妊娠初期にかけて合成葉酸を摂取することで、胎児の神経管閉鎖障害を防ぐことができるため、厚生労働省も葉酸の摂取を推奨しています。できればこの時期には、妊婦さん用の葉酸サプリを摂取することをおすすめします。

妊娠6週目では妊娠報告はまだ早い?タイミングはいつ?

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仕事をしている妊婦さんは、職場にはいつ妊娠報告をすればいいのか悩んでしまいますよね。

特に決まりはありませんが、一般的には、「流産の可能性が低くなり、妊婦健診が始まる妊娠12週以降のタイミング」で、報告する人が多いようです。

しかしつわりの症状がひどい場合は、周りに迷惑をかけてしまうこともあるので早めに報告しましょう。つわりが落ち着くまで仕事の配分などを配慮してもらってください。

職場内で報告をする順番も気をつかっておくと同僚との摩擦を生まずに、妊娠中も出産後も気持ちよく仕事を続けることができますよ。

出産に向けて一歩前進!

妊娠6週目は赤ちゃんの心拍が確認でき、妊娠が確定して、出産に向けて一歩ずつ前進していく時期です。新しい命の誕生に喜びを感じる一方で、心配や戸惑いを感じることも増えてきます。体調不良の変化に落ち込んでしまうこともあるかもしれません。

しかし、お腹の中で赤ちゃんは日々成長を続けています。赤ちゃんの成長を感じながら、穏やかに日々を過ごしていけるといいですね。

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