妊娠の安定期はいつからいつまで?過ごし方の疑問や注意点まとめ!

監修専門家 助産師 佐藤 裕子
佐藤 裕子 日本赤十字社助産師学校卒業後、大学病院総合周産期母子医療センターにて9年勤務。現在は神奈川県横浜市の助産院マタニティハウスSATOにて勤務しております。妊娠から出産、産後までトータルサポートのできる助... 監修記事一覧へ

芸能人や有名人が妊娠を発表するときなどに「安定期に入ったので…」という言葉をよく耳にしますが、妊娠の安定期とは一体いつからいつまでで、どんな時期を指すのでしょうか?今回は、妊娠の安定期について、おすすめの過ごし方や注意点、先輩ママたちがどう過ごしたかも合わせてご紹介します。

妊娠の安定期とは?どんな状態?

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妊娠の安定期とは、文字通り体調が安定してくる時期のことです。医師の指示にもよりますが、心身ともに安定し、すこし活動的に動いても良くなるので、マタニティライフを一番楽しめる時期でもありますよ。

安定期に入る頃になると、お腹のなかで胎盤が完成します。この胎盤の完成が、体調を安定させてくれているのではないかと考えられています。

妊娠の安定期には、次のような体の変化があります。

つわりが治る

安定期に入ると、妊娠初期の倦怠感や眠気、頭痛、吐き気などがなくなり、過敏になっていたにおいが気にならなくなるなど、いわゆるつわり症状が治まることがほとんどです。

お腹が目立ち始める

安定期に入ると妊婦さんは胎動を感じ始め、お腹の大きさも目立つようになります(※1)。そのため、妊娠している実感がより強まる人が多いかもしれません。

お腹の大きさが目立ってくると、お腹の締め付けがないマタニティウェアを着る妊婦さんが多くなりますよ。

流産の可能性が低くなる

流産は妊娠初期に起こることが多く、安定期は妊娠初期に比べると流産の可能性が低くなります。

妊娠の安定期はいつからいつまで?

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一般的に、妊娠5~7ヶ月頃(妊娠16週0日~27週6日)を安定期と呼びます(※1)。ただし、「安定」とはいえ、切迫流産や切迫早産などが起きるリスクはあります。

妊娠後期までずっとつわりがある、つわりが終わったと思ったら切迫早産になったなど、出産に至るまで大変な思いをする人もいるため、引き続き体調管理に気をつけて過ごす必要があります。

妊娠の安定期に運動はしてもいいの?

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妊娠初期は、体に負担をかけないように、するとしても軽い運動が中心だったと思いますが、安定期に入ったら、マタニティスイミングやヨガ、ウォーキングなどの運動をすることができます。

運動をすることで、体重コントロールができるほか、出産に必要な筋力や呼吸の使い方を身につけられます。また、適度な運動はリラックス効果も期待できますよ。

ちなみに先輩ママたちにアンケートをとったところ(※)、安定期にやっていた人が一番多かった運動はウォーキングで、約3人に1人が行っていました。

安定期 グラフ アンケート

また、「その他」の中では、仕事自体が立ち仕事なので、運動の代わりになっているという声も多く聞かれました。

ただ、お腹が大きくなってくると、立ち仕事も大変。あまり無理せず、もしできることなら休み休み行いましょう。

アンケートによると、2.7%の妊婦さんが安定期に筋トレをやっていたと答えましたが、妊娠中に無理して筋トレをするのはおすすめできません。

それよりもウォーキングなど、有酸素運動を行うといいでしょう。また前提として、運動したい場合は体調が良いときに行うようにしましょう。

ただし、医師から安静を指示されている場合は、医師の指示を優先してください。

妊娠の安定期に旅行はしてもいいの?

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妊娠初期は旅行を控えていたけれど、赤ちゃんが生まれる前に、夫婦で旅行へ行きたいという妊婦さんもいると思います。

特に体調に問題がない人は、安定期のうちに旅行をすることもできます。ただし、これもまず医師に相談したうえで、くれぐれも無理のない計画を立ててくださいね。

旅先にも必ず母子手帳を持参し、滞在地ではどこに病院があるかを念のため把握しておくことも大切ですよ。

先輩ママの体験談

夫婦二人きりの期間ももう少ししかないので、近場に旅行しました。妊婦の体調に気を配った食事や、床が畳ですべらないお風呂、ベッドには抱き枕など、マタニティコースのあるホテルに宿泊して、とっても快適に楽しく過ごせました!

あゆみさん(35歳)

妊娠の安定期におすすめの過ごし方は?

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安定期になると、多くの妊婦さんはつわりから解放され、今まで我慢していたことができるようになります。それと同時に、安定期は出産に向けての準備期間でもあります。体調が安定するこの時期に出産の準備も始めましょう。

ここでは、運動や旅行の他に、安定期の妊婦さんにおすすめの過ごし方をご紹介します。

母親学級への参加

安定期に入ったら、産院や地域で開催されている母親学級(プレママ教室)などにも参加してみましょう。情報収集だけでなく、ママ友をつくるきっかけにもなりますよ。

出産を目前に控え、仲間ができるのは心強いもの。パパと一緒に参加できる教室もありますよ。

先輩ママの体験談

つわりが落ち着いて外出できるようになったので、産院のマザークラスや、夫と一緒に自治体のプレパパママ講座に参加しました。

ちはるさん(29歳)

ショッピング

安定期は、気分転換にショッピングに出かけるのもおすすめです。生まれてくる赤ちゃんのことを考えながらベビーグッズなどの買い物をすることで、幸せな気持ちになれるかもしれません。

出産直前はバタバタするので、今のうちに必要なものをリストアップして出産に備えておきましょう。

先輩ママの体験談

安定期に入って、実母と一緒にベビーグッズや入院に必要なものを買い揃えはじめました。また、スタイなどのベビーグッズの手作りにも挑戦していました。

なるさん(27歳)

戌の日のお祝い

安産祈願で有名な「戌(いぬ)の日のお祝い」は、「安定期に入った妊娠5ヶ月目の戌の日に安産祈願をする」という日本独自の行事で、神社やお寺で祈祷をしてもらいます。戌の日は暦の上で決まっていて、12日に一度めぐってきます。

出産予定日から戌の日がわかるチェッカーを関連記事に用意しているので、ぜひ自分の戌の日を確認してみてください。

先輩ママの体験談

戌の日のご祈祷に、自分の親と相手の両親とみんなで行きました。その後、両家勢揃いで食事会をして、いい気分転換になりました。

さやかさん(29歳)

安定期に妊婦が注意したいことは?

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安定期は母体も赤ちゃんの状態も安定しているため、日常生活も過ごしやすくなりますが、安定期だからこそ、気をつけたいこともあります。

1. 食べ過ぎない

安定期に一番気をつけたいのが「食べ過ぎ」です。つわりの辛さから解放されることもあり、食欲が旺盛になって体重管理が難しくなります。

間食はスナック菓子ではなく、ナッツ類や野菜スティックにするなど工夫をし、必要以上に食べ過ぎないように気をつけましょう。

2. むくみ(妊娠高血圧症候群)

顔や体のむくみは、特に妊娠後期によく見られるマイナートラブルですが、安定期の頃からむくみに悩まされる人もいます。むくみの原因となる冷えや塩分の取りすぎなどに気をつけましょう。

むくみがひどい場合は妊娠高血圧症候群の可能性もあります。重症化すると母子ともに命の危険があるので、急激な体重増加やひどいむくみがある場合には、早めにかかりつけ医に診てもらってくださいね(※1)。

3. 便秘

安定期に入ると、赤ちゃんの成長にともなって子宮が大きくなり、胃腸が圧迫されるため、妊婦さんは便秘になりやすいものです。また、ホルモンの変化により、胃腸まわりの筋肉がゆるむことも便秘の原因となります(※1)。

こまめな水分補給を心がけましょう。

4. 腰痛

安定期には、お腹が大きくなって重心が体の前方に移動し、腰が反りやすくなるだけでなく、重くなった体重を支えることなどが原因で、腰痛になる妊婦さんも多くいます(※2)。

腰痛はお腹の大きさが目立たない時期でも起こり、運動不足も原因の一つになります。無理のない範囲で体を動かしたり、眠る姿勢を変えたりして腰痛を軽減しましょう。

5. 転倒

安定期になると、おなかも少しずつ大きくなり足元が見えにくくなります。これまで気にならなかったような段差につまずいて転んでしまう恐れがあるので、十分気をつけてくださいね。

フラットシューズは産後も重宝するので、お気に入りの靴を数足用意しておくことをおすすめします。

妊娠中の安定期、体は楽でも油断は禁物

安定期になれば流産の可能性は低くなりますが、妊娠高血圧症候群や切迫早産など、何らかのトラブルが起こるリスクはあります。

実際に、アンケートでも安定期に入ってから体にトラブルが起きたママもいました。

先輩ママの体験談

健診の度に順調だったので、調子に乗って物置きの片付けなどで動きまくっていたら、少量の出血と腹痛が。三泊四日入院する羽目になりました。 様子を見て退院し、その後は順調です。

こてつさん(39歳)

安定期に入ったとはいえ、絶対安心というわけではないので、少しでも気になることがあれば、すぐにかかりつけ医に相談してください。

安定期でも、疲れたらすぐ休む、体を冷やさない、無理をしないなど、マタニティライフの基本を念頭に置いたうえで、楽しく過ごせるといいですね。

※アンケート概要
実施期間:2019年5月25日~5月29日
調査対象:妊娠28週目以降の妊婦さん
有効回答数:365件
収集方法:Webアンケート

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