妊婦におすすめのおやつは?妊娠中の間食のポイントなどまとめ!

監修専門家 管理栄養士 渡辺 亜里夏
渡辺 亜里夏 神奈川県立保健福祉大学卒業後、予防医学に興味を持ちドラッグストアへ就職。その後独立し、現在はフリーランスの管理栄養士として特定保健指導、ダイエット指導、コラムの執筆、企業様での研修などを中心に活動。い... 監修記事一覧へ

妊娠してから甘いものやスナック菓子を無性に食べたくなったという妊婦さんは多いのではないでしょうか。しかし、妊娠中の過度な体重増加や急激な体重増加は妊娠・出産のトラブルにつながりやすいので、おやつの食べ過ぎには気をつけたいものです。おやつと上手に付き合いながら、健康的な妊娠生活を送れるといいですよね。今回は、妊娠中のおやつについて、間食するときのポイントやおすすめのおやつをまとめました。

そもそも、妊婦はおやつを食べてもいいの?

日本人 クッキー 間食 お菓子

妊娠中の食生活では、体重管理や栄養バランスに気をつける必要がありますが、おやつを食べてはいけないわけではありません。ただし、おやつは1回の食事と考えるようにして、適切な量や内容を意識して食べるようにしましょう。

妊娠初期はつわりの症状、妊娠後期は胃腸の圧迫といったことが原因で、一度に多くの量を食べられなくなりますが、間食をすることで補うことができます。

おやつを食べると、いい気分転換にもなりますよね。妊娠中の食生活におやつを上手に取り入れて、健康的に過ごしましょう。

妊娠中に間食するときのポイントは?

妊婦 食事 冷蔵庫

妊婦さんがおやつを食べるときは、妊娠中だからこそ気をつけたいポイントがいくつかあります。

1日100〜200kcalを目安にする

妊娠中は妊娠前に比べて必要エネルギー摂取量が増加しますが、厚生労働省の「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」によると、13週6日までは+50kcal、14週0日〜27週6日までは+250kcal、28週0日〜は+450kcalを目安としています(※1)。

カロリーを摂りすぎると急激な体重増加につながるので、妊娠中のおやつは、1日200kcal以下を目安にしましょう。必要な栄養素は3回の食事+間食でバランスよく摂ることが大切です。現在、体重増加の指導をうけている人は、医師の指導にしたがいましょう。

甘いお菓子は控える

チョコレートやクッキー、ケーキといったお菓子には、糖分が多く含まれています。妊娠中に糖分を過剰摂取すると、妊娠糖尿病のリスクを高めるおそれがあるので、できるだけ糖分を控えたお菓子を選びましょう(※2)。

栄養価の高いおやつを食べる

せっかく食べるなら、妊娠中に適した栄養素が入ったおやつを食べたいですよね。妊娠中、意識的に摂りたい栄養素は、主に鉄分、葉酸、カルシウム、たんぱく質です。おからや小松菜をいれたクッキーやマフィンを手作りするのもいいですね。

決まった時間に食べる

おやつは、できるだけ決まった時間に食べるようにしましょう。特に、夜遅い時間の間食は肥満につながりやすいので注意が必要です。

時間を決めずに食べていると食生活のリズムが乱れてしまいます。昼食や夕食に影響のない10~11時頃、14~15時頃に食べるようにするといいですね。

よく噛んで食べる

おやつに限りませんが、よく噛んで食べることが大切です。よく噛むことによって満腹感を得ることができます。唾液が多く出て消化も良くなるので、便秘解消にも繋がりますよ。

妊婦におすすめのおやつは?

ヨーグルト

おやつというと、チョコレートやポテトチップス、ケーキといったものを思い浮かべる人も多いかと思いますが、妊娠中は栄養価が高くカロリーや脂肪分を抑えたおやつを選びたいものです。

下記に、妊娠中におすすめのおやつをまとめました。

果物

果物には妊娠中に摂りたいビタミンやカリウムといった栄養素が多く含まれています。水分補給もできるので、つわりの時期にもおすすめです。ただし、糖分を多く含むので、1日に200~300gを目安にし、食べ過ぎには注意しましょう。

バナナには、つわりの症状を緩和するといわれているビタミンB6や、むくみ・高血圧を予防するカリウムが豊富に含まれています(※3)。

また、便秘に悩む妊婦さんには、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維をバランスよく含むりんごがぴったりです。

ヨーグルト

ヨーグルトには、牛乳の栄養成分にプラスして乳酸菌の発酵作用による栄養素も含まれています。カルシウムやたんぱく質をはじめ、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2といったビタミン類を摂ることができます。

アイスクリームやチーズケーキといった乳製品を含むおやつを食べたくなったときには、ヨーグルトで代用するのもいいですね。

ナッツ類

ナッツ類には、ビタミンEが豊富に含まれています。ビタミンEには、血行を促進して冷えを改善する働きがあるので、冷えやすい妊婦さんにはうれしいですね(※3)。

特にアーモンドやヘーゼルナッツは、ビタミンEを効率よく摂取できます。ただし、ナッツ類は、脂肪分を多く含むため、食べ過ぎには注意しましょう。できれば塩分を摂りすぎないように、無塩のものを選ぶようにしてくださいね。

クラッカー

妊娠中は、なにかと小腹が空きやすいですよね。ひとまず空腹を満たしたいというときには、クラッカーがおすすめ。クッキーやビスケットより糖分が控えめで、嚙みごたえがあります。

つわりで空腹時に気持ちが悪くなったときも、クラッカーを食べるとすぐに満腹感を得られますよ。

和菓子

ボリュームのあるおやつを食べたくなったら、ケーキやドーナツといった洋菓子ではなく、和菓子がおすすめです。和菓子は脂肪分が低いうえ、腹持ちがいいですよ。ただし、糖分が多いので食べ過ぎには注意しましょう。

妊娠中のおやつは手作りもおすすめ

お菓子作り 手作り 女性 台所 キッチン

市販のお菓子は糖分や脂肪分が多く、カロリーが高いものが多くて困っているという人は、果物や野菜を使っておやつを手作りしてみてはいかがでしょうか。

ここでは妊婦さんにおすすめのおやつのレシピをご紹介します。自宅で簡単に作れるものなので、ぜひ試してみてくださいね。

小松菜入りクッキー

小松菜には葉酸やカルシウムが多く含まれています。料理に使うのもいいですが、クッキー生地に混ぜて使うと、たくさん食べることができますよ。

きな粉も入っているので、たんぱく質も補えます。バターの代わりに菜種油を使うことで、よりヘルシーに。

材料

・小松菜…約50g
・小麦粉…60g
・菜種油…大さじ2
・砂糖…20g
・きな粉…大さじ6

砂糖は、グラニュー糖よりも洗双糖やきび糖を使うと栄養価が高くなりますよ。

作り方

1. 小松菜を洗い細かく切る。菜種油と一緒にフードプロセッサーやミキサーで撹拌(かくはん)する
2. 途中で一度止めて砂糖を入れ、再び撹拌する
3. 小麦粉をふるって、きな粉と混ぜる
4. 粉の中に1を入れてしっかりとこねる
5. 生地を伸ばして型抜きをして、170~180度に余熱したオーブンで20分ほど焼く

オーブンの設定温度や焼く時間は、オーブンの機種によって異なるので調整してください。

おやつを楽しみながら健康的な妊娠生活を送ろう

妊娠中だからといってケーキやチョコレートを一切食べてはいけないというわけではありません。おやつを食べることが、ストレス解消につながるという人もいます。

おやつを多めに食べた翌日は食べないようにする、ちょっと高級なお菓子をご褒美として、味わって食べるといった決まりを作って、妊娠中もおやつを楽しんでください。

妊娠をきっかけに、体に良いおやつを探したり手作りしたりすることは、赤ちゃんが生まれて離乳食を与えるときにも役立ちますよ。妊娠中のおやつを楽しみながら、健康的なマタニティライフを送れるといいですね。

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