妊娠前はラーメン好きではなかったけど、つわり中に無性にラーメンが食べたくなった、しかも、なぜかカップラーメンばかり食べたくなった、という妊婦さんもいますよね。ラーメンはカロリーも塩分も高そうだし控えたほうがいいのかな、と思いつつも、食べたい欲求にはなかなか逆らえないもの。今回は、妊婦はラーメンを食べてもいいのか、食べるときの注意点、おすすめの食べ方をご紹介します。
妊娠中はラーメンを食べてもいいの?

妊婦さんがラーメンを食べてもいいか、という疑問については、医師から特に注意されていない限り、食べても問題ありません。しかし、妊娠中にラーメンを食べるときは、下記の点に注意が必要です。
塩分
ラーメンは、塩分が多い食べ物です。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、成人女性の1日あたりの食塩摂取目標量は6.5g未満です(※1)。妊婦の食塩摂取量について特別な定めはないため、妊娠中も1日6.5g未満を目標にしましょう。
市販のインスタントラーメンやカップラーメンに含まれている塩分量は、メーカーや種類によって異なりますが、1食あたり約6gです(※2,3)。たとえば、昼食にラーメンを食べ、夕食に味噌汁やスープを1杯飲むと、あっという間に1日の塩分摂取量を超えてしまいます。
妊娠中に食塩を過剰摂取し続けると、血圧が上がり、妊娠高血圧症候群になる可能性があります。
妊娠高血圧症候群にかかると、胎児に送られる栄養や酸素が減ってしまい、発育不全や機能不全を引き起こすリスクが高くなります。さらに、常位胎盤早期剥離が起きて重症化すると、胎児死亡にいたることもあります(※4)。
お腹の赤ちゃんを守るためにも、妊娠中の塩分摂取量には注意が必要です。
カロリー
塩分と同時に気をつけたいのが、ラーメンのカロリーです。妊娠中にカロリーが高い食べ物を食べて体重が過度に増えると、脂肪が産道を狭めて難産になったり、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などのリスクが高まったりします(※4)。
妊娠中にラーメンを食べるときは、栄養成分表を見てカロリーをチェックする、油分の少ない生麺やノンフライタイプの麺を選ぶ、といったことに気をつけましょう。
妊婦はラーメンをどれくらい食べていい?

前述の通り、ラーメンは塩分やカロリーが高い食べ物です。妊娠中にラーメンを週何回まで食べてもいいという決まりはありませんが、毎日食べるのはやめましょう。多くても週に1~2回程度に留めておくと安心です。
医師から、体重増加量の指導や、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病になるリスクがあるなどと指摘を受けている場合は、ラーメンを食べてもいいか医師や助産師に相談しましょう。
妊娠中のラーメンのおすすめの食べ方は?

妊娠中にラーメンを食べるときは、食べ方を工夫するだけで、気になる塩分やカロリーを抑えることができますよ。
スープは全部飲まない
ラーメンの塩分は、ほとんどがスープに含まれています。スープは飲まないようにするか、飲むとしても少量にとどめておきましょう。摂取カロリーも抑えることができますよ。
野菜や海藻類をトッピングする
家庭でインスタントラーメンを調理するときは、野菜や海藻類をトッピングすると栄養バランスがよくなります。
特に、カリウムを含む食品(小松菜やほうれん草、岩のりなど)を一緒に摂ると、塩分が体外に排出されやすくなるのでおすすめです(※5)。
トッピングが難しければ、ラーメンを食べた後に、プルーンやバナナといった果物を食べるのもいいですね。
油分が少ないラーメンを選ぶ
妊娠中は免疫力が低下しやすかったり、つわりの影響があったりして、食べたものによって体に不調が生じることがあります。ラーメンに含まれる油や添加物は刺激が強いものもあるため、食べ過ぎると消化不良を起こすことも。
インスタントラーメンよりもお店で食べられる醤油ラーメン、とんこつラーメンよりも塩ラーメンなど、できるだけ油分が少ないラーメンを選ぶようにしましょう。
市販の生麺を使って自家製ラーメンを作るのもおすすめです。少し手間はかかりますが、自分でだしを取るところからスープを作れば、より安心ですね。だしを効かせれば、より塩分も抑えられます。
妊娠中も美味しくラーメンを食べよう
妊娠中の食事で大切なことはバランスよく栄養素を摂ることです。塩分や油分が多いものばかり食べるような偏った食生活にならなければ、妊娠中にラーメンを食べても問題はありません。
葉酸を多く含む野菜を彩りよくトッピングしたり、自宅でプロ顔負けのオリジナルラーメンを作るのも、妊娠中ならではの楽しみになるかもしれませんよ。
妊娠中は、なにかと我慢しなくてはいけないことが多く、ストレスが溜まりやすいので、美味しいラーメンを食べてリフレッシュできるといいですね。