「逆子だと胎動の位置が変わる」と聞いて気になっている妊婦さんもいるかもしれません。また、実際に逆子と診断されて、胎動を感じる場所を意識するようになった人もいるのではないでしょうか。
今回は逆子の胎動について、位置や感じ方ははどう違うのかを説明します。
逆子の胎動の位置は?普通と違うの?
個人差はありますが、初産では妊娠20週前後から、2人目以降では18週前後から胎動を感じられるようになります(※1)。
一般的には、胎動を感じ始めた頃は、おへその少し下あたりがムズムズと感じることが多いようです。週数が進むにつれて、おへその下だけでなく様々な場所で感じるようになってきます。
一方で逆子の場合は、以下のように感じる位置が少し違うことがあります。
逆子になっているときに胎動を感じる位置の例
● 胃のすぐ下あたり
● 肛門や膀胱のあたり
● 太ももの付け根の近く
このように、基本的にはお腹の下の方で胎動を感じることが多いです。
胎動の位置によって逆子かどうかが気になる場合は、健診時に相談してみるといいでしょう。
逆子の胎動の感じ方や強さは?
胎動の感じ方には個人差があるため、逆子だからといって特徴的な胎動を感じるわけではありません。
通常の胎動と同じように、ごにょごにょ動くのを感じたり、蹴られたような鈍い痛みを感じたり、ゴロゴロ転がるような感じがしたりと、感じ方は人それぞれです。
また、逆子だと胎動が強くなりやすい、あるいは痛みが弱くなるといったことはありません。
実際に逆子だったときはどうするの?
胎動をお腹の下の方で感じたらといって本当に逆子かどうかはわからないため、健診時に診断してもらいましょう。
もし実際に逆子だった場合、妊娠週数によって以下のように対応の仕方が違います。
妊娠30〜35週頃
妊娠8ヶ月(特に30週以降)に入っても逆子の状態が続く場合、医師から逆子体操などを勧められることもあります(※2)。
また、逆子を改善するのに効果があるとされるツボ押しやお灸を試す妊婦さんもいます。
ただし、切迫早産の兆候やお腹の張りがある場合は、逆子体操やツボ押し、お灸といった対処法は基本的におすすめできません。必ずかかりつけの産婦人科医や助産師に相談し、正しい指導のもとで行ってくださいね。
妊娠36週以降
妊娠36週を過ぎても逆子が戻らない場合には、病院によっては、医師がお腹の上から赤ちゃんを回転させる「外回転術」を行うこともあります。外回転術には常位胎盤早期剥離などのリスクが伴うため、しっかりとした管理体制のもと、熟練した技術を持った産婦人科医が実施することが必要です(※2)。
外回転術を行っても最終的に約5%の妊婦さんは逆子のまま分娩のときを迎え、帝王切開になることもあります。
胎動を意識して過ごそう
胎動をいつもよりも下の方に感じたり、実際に逆子と診断されたりすると、不安になるかもしれません。しかし妊娠30~35週までの逆子は自然に治るケースが多いので、心配しすぎないでくださいね。
逆子かどうかに関係なく、日頃から胎動の位置や感じ方を意識しておくことは大切です。リラックスしているときに胎動カウントをとっておくと、ちょっとした胎動の変化に気づくことができますよ。