生後1ヶ月の赤ちゃんの体重など成長の目安、お世話のポイント【医師監修】

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギ... 監修記事一覧へ

生後1ヶ月は赤ちゃんの表情が豊かになり、授乳や睡眠のペースに合わせた生活にも少しずつ慣れてきた頃ではないでしょうか?寝てばかりだった赤ちゃんも起きている時間が徐々に長くなってきたと思います。

今回は、生後1ヶ月の赤ちゃんの成長や発達、生活や育児のポイントをご紹介します。

目次


生後1ヶ月の赤ちゃんの身長や体重は?

日本人 赤ちゃん 生後1ヶ月

厚生労働省が母子健康手帳に示している発育曲線によると、生後1ヶ月の赤ちゃんの身長と体重の目安は以下の通りです(※1)。

生後1ヶ月の赤ちゃんの身長・体重目安

  身長 体重
男の子 50.9~59.6cm 3.53~5.96kg
女の子 50.0~58.4cm 3.39~5.54kg

男女差もありますが、出生から1kgほど体重が増えていることが多いようです。生まれたときの身長や体重はそれぞれ異なるので、この1ヶ月間の成長が、発育曲線に添っているかを確認すると良いですよ。

生後2ヶ月にかけて約1kg、1日25〜30gほどのペースで体重が増えていくのが標準のペースとされています(※3)。


生後1ヶ月の赤ちゃんの特徴は?

日本人 赤ちゃん 生後1ヶ月
生後1ヶ月の赤ちゃんの主な特徴は以下の通りです(※7)。ただし、これらはあくまで目安です。赤ちゃんの発達には個人差があるため、できなかったとしてもあせる必要はありませんよ。その子なりの成長を見守ってくださいね。

生後1ヶ月の主な成長

● 光や音に反応する
● あやされると泣き止む
● 自分の手や指をなめる
● ママやパパの顔をじっと見る
● 物を持たされると固く握りしめる
● ニヤッと笑う


生後1ヶ月の赤ちゃんをお世話するときのポイントは?

日本人 赤ちゃん 生後1ヶ月

生後1ヶ月の赤ちゃんは、体の機能が未発達なため、様々な体調のトラブルが起きやすい状態です。特に以下のようなトラブルが起きやすいので、常に赤ちゃんの変化に気を配ってくださいね。

乳児湿疹化

生後1ヶ月の赤ちゃんの肌は薄く、機能も未発達で刺激に弱くなっています。そのため、頭皮にかさぶた状の湿疹(乳児脂漏性湿疹)や皮脂の分泌が多い部分に吹き出物(新生児ざ瘡)など、様々な肌トラブルを起こしやすいもの(※4)。

これらは原因の特定が難しいため、この時期の肌トラブルはまとめて「乳児湿疹」と呼ばれます。

入浴のときは、赤ちゃん用石けんをしっかりと泡立ててぬるま湯でよく洗い、肌を清潔にしてから保湿しましょう。ケアをしても湿疹が治らない、かゆみや乾燥が強い、顔以外にも湿疹が見られるといったときは、早めに病院へ行ってくださいね。

便秘

うんちのリズムは赤ちゃんによって様々なので、出るのが1〜2日おきであっても、元気で母乳やミルクをよく飲み、うんちがすんなり出ているようであれば、心配ありません。

気になるのであれば入浴時にお腹を温める、お腹を「の」の字でマッサージするなど排便を促す手助けをしてあげましょう。

便秘が長引いて母乳やミルクを飲む量が減ってきたり、出てきたうんちがいちごジャム状や黒っぽい血便だったりする場合は、早めに小児科の医師に相談してくださいね。

鼻づまり

赤ちゃんは新陳代謝が盛んで喉や鼻の分泌物が多く、鼻の通り道も狭いことから、鼻くそがたまって詰まりやすい状態です。

鼻の入り口にある鼻くそは、綿棒の綿をほぐしたもので優しく取り除いてあげましょう。鼻の周りの粘液は傷つきやすいので、頻繁に行わないよう注意してくださいね。

また、奥の方にある鼻くそは、くしゃみをしたあとやお風呂あがりの粘液がやわらかくなっているときにとるのがおすすめです。鼻水吸引器で一緒に吸ってあげるのも効果的ですよ。

赤ちゃんはママからもらった免疫により、生後3~6ヶ月頃までは風邪などの病気にかかりづらい状態です(※5)。ただし、なかには命に関わる病気にかかってしまう赤ちゃんもいます。

ケンケンという犬の鳴き声のような咳をしている、咳き込んで吐いてしまう、夜寝つくまで咳き込む、顔色が赤くなるレベルの咳をする、苦しくて泣いてしまう、38度以上の発熱があるなど、赤ちゃんが苦しそうな場合はすぐに病院を受診してください。

乳幼児突然死症候群

乳幼児突然死症候群(SIDS:Sudden Infant Death Syndrome)とは、特に病気もなく健康に過ごしていたにも関わらず、赤ちゃんが寝ている間に突然死亡してしまう病気です。生後2~6ヶ月の赤ちゃんに多く見られ、原因はいまだはっきりしていません。

ただし、SIDSはつぶせ寝を避けて仰向け寝をさせることや受動喫煙を避けることでリスクをあげないことができます(※2)。1歳になるまでは、赤ちゃんを仰向けで寝かせ、受動喫煙の危険がない環境で育てられるようにしましょう。

また、母乳育児の赤ちゃんはSIDSの発生率が低いとされています(※2)。厚生労働省は、ママや家庭環境の都合がつくのであれば、できるだけ母乳育児にトライすることを推奨しています。


生後1ヶ月の赤ちゃんの1日の過ごし方は?

日本人 赤ちゃん 時計

生後1ヶ月の赤ちゃんの一日は、以下のようなスケジュールが目安となります。

1日の過ごし方(例)

1:00 授乳①
4:00 授乳②
7:00 起床
7:30 授乳③
8:00 昼寝
10:00 授乳④
10:30 昼寝
13:00 授乳⑤
13:30 昼寝
16:00 授乳⑥
16:30 昼寝
18:00 授乳⑦
19:00 お風呂
20:00 就寝
22:00 授乳⑧

生後1ヶ月の赤ちゃんは、昼夜に関係なく寝たり起きたりを繰り返します。授乳のとき以外は、ほとんど寝て過ごしますよ。


生後1ヶ月の赤ちゃんの授乳間隔や母乳不足のサインは?

授乳 日本人 赤ちゃん

生後1ヶ月の赤ちゃんの授乳間隔や母乳不足のサインは以下の通りです。

母乳の場合

生後1ヶ月になると起きている時間が長くなりはじめ、授乳間隔が定まりはじめます。しかし、等間隔の授乳ペースができるとは限りません。

生後1ヶ月は1日に何回授乳をしても問題はないため、1日10~12回ほどの授乳回数になるママもいるようです。授乳するほど母乳は出やすくなるので、赤ちゃんが欲しがるだけ飲ませてあげてくださいね。

ただし、15分以上吸っていても授乳量はあまり変わらないので、1回の授乳時間は15〜20分以内にすると良いでしょう(※5)。

ミルクのみの場合

ミルクのみの場合は、各製品の指示通りに調乳したものを赤ちゃんが欲しがるだけあげましょう。1日あたりの目安としては、3時間ごとに6〜7回です(※5)。

ミルクと母乳の混合の場合

1回の母乳量が不十分なときは、母乳を与えた後にミルクを飲ませましょう。授乳を1回休むと母乳がたまるのであれば、母乳とミルクを交互に与えるという方法もあります。

母乳不足のサイン

以下のようなサインは、赤ちゃんに母乳が足りていないと考えられています(※5)。

● 1回の授乳に20分以上かかり、赤ちゃんがなかなかおっぱいから離れず、無理に離すと泣く
● 授乳後、1〜2時間で空腹を訴えて泣く
● うんちの回数や量が減る
● 1日あたりの体重増加が25g未満、あるいは体重が減る

このようなサインがあったら、医師や助産師さんに相談しましょう。


生後1ヶ月の赤ちゃんの睡眠時間は?

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生後1ヶ月頃赤ちゃんは、授乳のとき以外はほとんど寝ています。新生児の頃は16〜20時間寝ていましたが、だんだんと短くなり、生後3ヶ月ごろまでに14〜15時間ほどになります(※6)。

まだ昼夜の区別がしっかりできない時期なので、昼夜逆転して夜中に目が覚めてしまう赤ちゃんや、夕方の薄暗い時間から泣き出す「たそがれ泣き」をする赤ちゃんもいます。

生活リズムを除々に整えていくためにも、起きているときはしっかりと相手をしてあげましょう。

ぐずってなかなか寝ない赤ちゃんは、快適な眠りを妨げられている可能性があります。

おむつが濡れていないか、あせもなどでかゆいところはないか、お腹は空いていないか、部屋は適温かなど、赤ちゃんの環境に気を配ってあげると、よく寝てくれるかもしれませんよ。


生後1ヶ月の赤ちゃんはお風呂デビューをしよう

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1ヶ月健診を受けて問題がなければ、いよいよベビーバスから普通のお風呂に入れられます。ここでは、生後1ヶ月の赤ちゃんと一緒にお風呂に入るときのコツをご紹介します。

入浴前に準備をする

お風呂から出た後すぐに服を着せられるように、事前に服を準備しておきましょう。また、浴室が寒くないように、事前にシャワーをまわりにかけておいたり、浴室暖房で温めておくと、赤ちゃんも驚きませんよ。

ベビーバスチェアを使う

赤ちゃんの体を洗うときや、大人がちょっと体を洗うときにはベビーバスチェアが便利です。ママやパパが一人でお風呂に入れるときでも、落ち着いて赤ちゃんとのお風呂タイムが過ごせますよ。

お風呂はパパ・ママと赤ちゃんがスキンシップをはかれる大切な時間でもあるので、段取りよく入浴して楽しい時間を過ごせるといいですね。

ママとパパも休める時間を作ろう

生後1ヶ月の赤ちゃんは、胃が小さいので飲める量が少なく、数時間おきに母乳やミルクを欲しがって泣き出します。

ママやパパは慣れない育児や睡眠不足になって体調を崩しやすい時期なので、夜間は交代制にしたり、家族や地域のサポートセンターを頼ったりして、体を休める時間を作れるようにしてくださいね。

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