赤ちゃんの眠りが浅い!よく目を覚ます原因は?対策は必要?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギ... 監修記事一覧へ

新生児期の赤ちゃんは、よく寝るイメージがあるかもしれませんが、赤ちゃんみんなが同じというわけではありません。育児書に書いてある通りにいかなくて、「どうして眠りが浅いの?」「頻繁に起きるのはなぜ?」といった悩みを持つママも多いのではないでしょうか。そこで今回は、新生児や赤ちゃんがぐっすり寝てくれない…と悩んでいるママたちのために、その原因や対策をご説明します。

新生児は昼と夜の区別がまだないの?

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生まれたばかりの赤ちゃんは、ついこの間までずっとママのお腹の中にいたため、昼夜の区別がありません。そのため、大人のように一晩中ぐっすり眠ることができず、2~3時間おきに起きて母乳やミルクを飲み、また眠るというサイクルを繰り返します。

この時期は、まだ母乳やミルクを上手に飲むことができません。また出産直後は、ママのおっぱいの出が少ないこともあるため、すぐにお腹が空いて目を覚ましてしまう赤ちゃんもいます。

生後3ヶ月を過ぎたあたりから、昼と夜との区別がつきはじめ、寝たり起きたりする間隔が長くなってくるので、夜まとまって寝る赤ちゃんも増えてきますよ。

赤ちゃんの眠りが浅いのは、睡眠サイクルのせい?

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人は眠っているとき、体を休めるための浅い「レム睡眠」と、脳を休めるための深い「ノンレム睡眠」を繰り返しています。

大人の場合、眠りにつくとすぐノンレム睡眠に入ります。その後しばらくしてレム睡眠へと移ります。大人がノンレム睡眠とレム睡眠を繰り返す周期は、90分くらいです(※1)。

一方で新生児は、1回の睡眠周期が約40~50分です。生後3ヶ月頃には約50~60分周期になりが、大人に比べると、ずいぶんと浅い状態といえます。大人とだいたい同じサイクルになるのは、5歳を過ぎてからです(※2)。

このように、赤ちゃんの睡眠サイクルはまだ不安定なため、眠りが浅くなったあと、うまく深い眠りに切り替えることが難しく、目を覚ましてしまうこともしばしば。また、ノンレム睡眠時でも大人ほど眠りが深くないので、まとまった時間に眠れずたびたび目を覚ましてしまうのです。

赤ちゃんの眠りが浅い!原因と対策は?

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このように、赤ちゃんは昼夜の区別がついておらず、大人と比べて睡眠サイクルが不安定で眠りが浅いため、すぐに起きてしまうのは、ある程度仕方がないことです。

しかし、赤ちゃんが頻繁に起きてしまう理由は、それ以外にも考えられます。赤ちゃんの様子を見て、次のような原因があると考えられる場合、それぞれに合った対策を試してみましょう。

おむつが汚れている

生後0~3ヶ月頃の赤ちゃんは、1日に何度もおしっこやうんちをします。汚れたままのおむつだと不快感があり、雑菌が繁殖して肌への刺激になるので、こまめにチェックして交換しましょう。

夜中は、授乳をするタイミングでおむつ替えをしてあげてください。

おなかが空いている

母乳の場合、飲んだ量が明確でないため、ママが足りていると思っていても赤ちゃんにとっては足りていないことも。

新生児期は、3時間おき、2時間半おきなどと授乳間隔をきっちりと決めず、赤ちゃんが欲しがる分だけ授乳するようにしましょう。

寒い、または暑い

新生児は、自分で体温を調節できないため、周囲の温度に影響を受けて体温が上がったり下がったりします。汗をかいていたら、一枚脱がせてあげましょう。

反対に赤ちゃんの体を触って冷えていたら、一枚着せてあげたり、ブランケットやタオルなど寝具を一枚増やしてあげたりして様子を見てください。

おなかが張って苦しい

授乳後にうまくゲップが出ないと、おっぱいやミルクと一緒に飲み込んだ空気がおなかの中に溜まって苦しくなります。ゲップがうまくできなかったときは、首を支えつつ、縦抱きをして背中を優しくトントンしたり、上下にさすったりしましょう。

それでも出ないときは、吐き戻し対策として、赤ちゃんの頭が高くなるようにクッションなどを背中にあて、顔を横に向けて寝かせ、様子をみます。

皮膚がかゆい

湿疹やあせもがあったり、おむつや布団がこすれて肌がかゆかったりすることが原因で、ぐっすり眠れていない可能性もあります。

むずがってなかなか寝付かないときは、赤ちゃんの肌がかぶれて赤くなっていたりしないかどうか、全身をよく見てあげましょう。肌が乾燥してかゆくならないように、部屋の湿度を調整してあげることも大切です。

甘えたい

特に具合の悪いところがあるわけではないのに、ぐずって寝てくれない…というときは、「ママやパパにもっと甘えたい」というサインかもしれません。抱っこしたり、優しく声を掛けたりして、赤ちゃんを安心させてあげてくださいね。

このように、赤ちゃんにとっては様々な原因がストレスとなって、熟睡できないことがあるので、ひとつひとつ原因を探ってあげてください。

窓を開けたり抱っこしてベランダに出たりして、外の空気を吸わせて気分転換を図るのも一つの方法ですよ。

眠りが浅い赤ちゃんを寝かしつけるコツは?

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赤ちゃんの眠りが浅い原因がわかったところで、今度は、そんな赤ちゃんをどうしたら寝かしつけられるか方法を探っていきましょう。

ママやパパが無理やり寝かせようと焦るほど、赤ちゃんは寝てくれないもの。まずは、ママやパパがおおらかな気持ちになり、赤ちゃんを安心させてあげましょう。

タオルや毛布、おくるみなどで、おひなさまのように赤ちゃんをくるんであげたり、ママのおなかや胸の上に赤ちゃんの耳をあてママの心音が聞こえるようにしてあげたりするのも、寝かしつける方法の一つです。

生後3~4ヶ月頃になったら、少しずつ昼夜の区別をつけていきましょう。朝は、まずカーテンを開けて太陽の光を取り込み、、昼間は部屋が明るくなるようにして過ごします。日中起きているときはたくさん声をかけたり、スキンシップをしたりして楽しませてあげましょう。

夜は両親が寝る時間になったらカーテンを閉めて部屋の電気を暗くし、静かな眠りの環境を作ってあげてください。夜遅くまでテレビをつけていたり、音楽を流していたりすると、赤ちゃんの体内時計が乱れてしまうので気をつけてくださいね。

赤ちゃんが寝てくれないときはママ自身のケアも忘れずに!

新生児や赤ちゃんは、睡眠サイクルがまだできあがっていないので、眠りが浅いのはある程度仕方のないこと。「どうして寝てくれないの?」と焦ってしまうこともあるかもしれませんが、おむつ替えや授乳、抱っこなどをしてもなきやまないときには、少し時間をおいてママ自身がリラックスすることも大切です。

赤ちゃんはママの様子を肌で感じていることも多いので、ママが落ち着いていれば、安心して寝てくれることもあります。

赤ちゃんが寝てくれない夜が続くと、ママ自身が寝不足やストレスで疲れてしまうかもしれません。赤ちゃんがお昼寝したら一緒に寝て体を休めることを心がけたり、家事や買い物など赤ちゃんのお世話以外のことを周囲にサポートしてもらったりして、一人で頑張りすぎないようにしてくださいね。

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