乳幼児突然死症候群(SIDS)を予防する4つのポイントとは?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県横浜市のなごみクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担... 監修記事一覧へ

赤ちゃんがかかる病気はいろいろありますが、なかには急に命を落とす危険な病気があります。乳幼児突然死症候群(SIDS:Sudden Infant Death Syndrome)もその一つで、それまでなんの問題もなく元気だった赤ちゃんが、突然亡くなってしまう病気です。できることなら乳幼児突然死症候群の前兆をつかみ、原因を解消するなどして予防したいところですが、対処法はあるのでしょうか?今回は、乳幼児突然死症候群を予防するための4つのポイントについてご紹介します。

乳幼児突然死症候群(SIDS)とは?

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乳幼児突然死症候群(SIDS:Sudden Infant Death Syndrome)は、これまでに目立った病気もなく、健康に過ごしていた赤ちゃんが、眠っている間に突然死してしまう病気です。

生後2~6ヶ月の赤ちゃんに多く見られ、日本では約6,000~7,000人に1人の割合で起きています。年間では、100名を超える赤ちゃんに発症しています(※1)。

厚生労働省による平成21年の調査では、乳幼児突然死症候群は0歳児の死亡原因の第3位に入っています。1歳以降の死亡原因では、乳幼児突然死症候群は1~5位に入っていないことから、0歳児に多くみられる病気だということがわかります。

0歳児の死因原因と割合(※2)

第1位:先天性奇形、変形および染色体異常 35.1%
第2位:周産期に特異的な呼吸障害等 14.1%
第3位:乳幼児突然死症候群 5.7%
第4位:不慮の事故 4.9%
第5位:胎児及び新生児の出血性障害等 3.9%

乳幼児突然死症候群(SIDS)の原因や前兆は?

疑問 クエスチョン

乳幼児突然死症候群は、眠っている間に起こる突然死なので、なんらかの事故や異物が喉に詰まったことによる窒息死では?と考えられがちですがそうではありません。

実は、いまだに原因ははっきりしておらず、前兆のようなものも一切ないのが特徴です。そのため、乳幼児突然死症候群の予防方法は確立していません。

ただし、近年の研究結果では、乳児突然死症候群は、早産児、人工栄養児、低出生体重児に多く見られるほか、うつぶせ寝や両親の喫煙なども関係しているといわれています。

そのため、これらの関連性の深い要因に注意することで、乳幼児突然死症候群の発症リスクを抑えることができるのではないかと期待されています。

そこで、乳幼児突然死症候群の発症リスクを下げる4つのポイントをこれからご説明します。

乳幼児突然死症候群(SIDS)の予防ポイント1. うつぶせ寝をやめる

赤ちゃん うつぶせ寝

乳幼児突然死症候群の発症は、赤ちゃんをうつぶせに寝かせているときに増加する傾向があります(※1)。そのため、医師から持病のためにうつぶせ寝を勧められているような特殊な場合を除いて、できるだけ仰向けで寝かせてあげましょう。

また、赤ちゃんを1人で寝かせているときは、どんな様子で寝ているかをこまめにチェックするように心がけてくださいね。

乳幼児突然死症候群(SIDS)の予防ポイント2. 受動喫煙をさせない

タバコ 禁煙

乳幼児突然死症候群の発症率は、両親がタバコを吸っていると、喫煙しない場合に比べて約4.7倍に増加するといわれています(※1)。これは、両親が吸っているタバコの煙を赤ちゃんが吸ってしまう受動喫煙による影響だと考えられています。

もし同居している家族や友達がタバコを吸う場合には、赤ちゃんのいる場所での喫煙はしないように協力してもらいましょう。また、外出時は喫煙ルームに近づかないように気をつけ、飲食店などでは必ず禁煙の席につくようにしたいですね。

乳幼児突然死症候群(SIDS)の予防ポイント3. 母乳育児で育てる

赤ちゃん 母乳

母乳育児の赤ちゃんの方が、人工乳であるミルク育児の赤ちゃんよりも、乳幼児突然死症候群の発症率が低い傾向があります(※1)。母乳による免疫力の向上や舌や顎などの口腔の発達、お腹が空きやすいので授乳が頻回になり、抱っこをする回数が増えることなどが理由ではないかと考えられています。

ただし、ミルク育児が乳幼児突然死症候群に直結するわけではないので、必要以上に神経質にならないでください。できる範囲で、母乳も飲ませるようにしてあげましょう。

乳幼児突然死症候群(SIDS)の予防ポイント4. 添い寝に注意する

赤ちゃん ママ 添い寝 家族 ベッド

ママやパパが赤ちゃんのそばで一緒に寝るのは、スキンシップの方法としてよく行われます。ママも添い乳をしながらそのまま眠ってしまったなんていう経験があるかもしれませんね。

ただし、赤ちゃんのそばで大人が寝ることで、大人が寝返りをうった際に赤ちゃんに覆いかぶさってしまったり、腕や足が赤ちゃんの頭や胸部を圧迫してしまったりする危険があります。

理想は、同じ部屋で寝ながら、赤ちゃんはベビーベッドで寝かせてあげることですが、「添い寝を全くしない」というのも難しい話かもしません。

寝かしつけや添い乳をするときは、細心の注意を払ってあげてください。寝ている間の無意識の動作が、乳幼児突然死症候群のリスクを高める可能性があるため、特に生後2~6ヶ月の間は要注意です。

乳幼児突然死症候群(SIDS)予防のために生活を見直そう

子供 手 家族

乳幼児突然死症候群(SIDS)に完全な予防法はありませんが、日常生活で注意をすることでリスクを軽減することはできます。日頃の赤ちゃんとの生活を見直して、乳幼児突然死症候群の発症率を高める要因がないかどうかを確認してみましょう。

また、乳幼児突然死症候群の発生率が高まる生後6ヶ月未満では、赤ちゃんを1人にしないようにしたり、赤ちゃんが寝ているとき、そばに物を置かないようにしてください。同居者に喫煙者がいるのであれば、喫煙をやめてもらうなどして、赤ちゃんの健康を第一に考えた生活をしましょう。

赤ちゃんが眠っているときは、できるだけパパとママで協力しながら優しく見守ってあげてください。

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