赤ちゃんのお腹がパンパンに張っていて気になる、というママやパパは多いと思います。赤ちゃんはしゃべることができないだけに、病気なのではないかと心配になってしまいますよね。そこで今回は、新生児期からの赤ちゃんのお腹がパンパンに張る原因とその対処法についてご説明します。
赤ちゃんのお腹がパンパンに張る原因は?
赤ちゃんのお腹は、ポコンと出っ張っているのが普通の状態。しかしいつも以上にお腹がパンパンに張っていると、何かの病気なのではないかと心配になってしまいますよね。
赤ちゃんのお腹がパンパンに張る原因は、「便秘」と「げっぷが出せない」の2つが考えられます。なお、ミルクや母乳を吐き出してしまう場合はどちらにも当てはまるため、両方の可能性を考えた方がよいでしょう。
便秘
赤ちゃんのお腹は便秘によってパンパンに張ることもあります。
通常、新生児期の赤ちゃんは1日に2〜5回ほど排便し、その後1日に1〜2回に落ち着きます。排便が少なくなってくると便秘を心配するママもいますが、機嫌よくミルクや母乳を飲み、体重も増えているのであれば便秘の心配はいりません。
しかし、お腹がパンパンに張っていることに加えて、次のようなときは便秘の可能性があります(※1)。
● 排便の回数が週2回以下
● 便が硬くて、うまく排便できていない
● 肛門が切れて血が出ている
● 哺乳量が減った
● 母乳やミルクを吐いてしまう
● おならがたくさん出る
げっぷが出せないため
赤ちゃんのお腹がパンパンに張っているのは、げっぷがうまく出せないせいかもしれません。
特に新生児期の赤ちゃんは、母乳やミルクを上手に飲めず、一緒に空気を飲み込んでしまうことがあります。飲み込んだ空気はげっぷによって吐き出すのですが、げっぷが出せないと、飲み込んだ空気でお腹がパンパンに張ってしまう可能性があります。
空気を飲み込んだままの赤ちゃんは、うまく寝つけなかったり、母乳やミルクを吐いてしまうことがあります。そのため、それらの様子が赤ちゃんにみられるときは、げっぷがうまくできないことでお腹がパンパンに張っている可能性を疑った方がいいでしょう。
赤ちゃんのお腹がパンパンに張るのは病気なの?
赤ちゃんのお腹は、病気によってパンパンに張ることもあります。以下では、それらの中から代表的なものをご紹介します。
胃軸捻転
胃軸捻転とは、胃が捻れてしまう病気です。お腹がパンパンになるだけでなく、嘔吐や腹痛、不機嫌などの症状が出ます。先天的な病気が原因で起こることもありますが、多くは体が未発達なことによって胃がお腹の中で動きやすくなっているために起こります(※2)。
ヒルシュスプルング病
ヒルシュスプルング病は腸の神経の異常によって起きる、生まれつき排便がしにくい病気です。異常をきたしている範囲が狭いと、単なる便秘として大人になるまで見過ごされてしまうこともあります。
便秘以外にもお腹が張ったり、吐くなどの症状が現れます(※3)。
赤ちゃんのお腹がパンパンに張ったときの対処法は?
赤ちゃんのお腹がパンパンに張るときの対処法はいくつかあります。
胃軸捻転やヒルシュスプルング病は見た目ではわかりません。そのため、赤ちゃんのお腹が張っているときは、まずは便秘やげっぷが出ないときの対処法を実践してみてください。
これらの対処法をしばらく行ってもお腹の張りが解消しない場合は、胃軸捻転やヒルシュスプルング病である可能性も考えられるため、病院で診てもらった方がよいでしょう。
便秘のときの対処法
赤ちゃんがしばらくうんちが出ていないときは、まずはお腹を軽くさすってあげて、排便を促してあげましょう。それでも改善しない場合は、肛門をこよりや綿棒などでくすぐり、刺激を与えてみてください。
便が硬くて赤ちゃんが排便しにくそうにしていたら、砂糖水やマルツエキスと呼ばれる赤ちゃん用の便秘薬を与えて、排便しやすくしてあげましょう。すでに離乳食を食べ始めているのであれば、野菜や果物を使ったものをあげてみる方法もあります。
それでも赤ちゃんの便秘が改善しないのであれば、マルツエキス以外の薬や浣腸を使って、腸内に溜まった便を出してあげてもよいです。ただし、事前に医師に相談してから使うようにしましょう(※1)。医療機関を受診して、内服薬を処方してもらってもいいですね。
げっぷが出せないときの対処法
赤ちゃんがげっぷを出せなくてお腹がパンパンに張っていると思われるときには、以下のような方法でげっぷを促してあげましょう。
縦抱きで背中をさする
赤ちゃんのお腹が肩に当たるくらいの位置で縦抱きをして、背中を優しくさすってあげると、げっぷがしやすくなります。
膝に座らせて前傾姿勢に
ママの膝の上に横向きで座らせ、赤ちゃんの胸を手で支えて体を前傾姿勢にしてあげ、背中を軽くトントンしてみてください。
胃軸捻転は様子を見つつ治療が必要なことも
赤ちゃんが胃軸捻転だったとしても、成長とともに胃が発達し、1歳をすぎる頃には自然に治っていることがあります。しかし、胃軸捻転の中には1歳をすぎても治らないものもあり、その場合は手術が必要になることがあります(※2)。
ヒルシュスプルング病は手術で治療を
赤ちゃんがヒルシュスプルング病だった場合、手術で腸から神経に異常がある部分を取り除くなどの治療を行います。異常をきたしている範囲が広い場合は、一時的に人工肛門を作ることもあります(※3)。
赤ちゃんのお腹がパンパンに張ったままなら病院へ
赤ちゃんのお腹がパンパンに張るのは、基本的には便秘やげっぷを出せていないせいだと考えられます。そのため、お腹がパンパンに張るという症状だけであれば、あまり心配しすぎる必要はありません。
ただし、便秘やげっぷが出せないときの対処法をしばらく続けているにも関わらず、赤ちゃんのお腹がパンパンに張ったままだった場合、病気の可能性も考えて病院で診てもらった方がいいでしょう。
またお腹がパンパンに張るだけでなく、嘔吐など他の症状が伴うときも、早めに病院に行ってくださいね。