赤ちゃんが成長してくると、体重や身長がどれくらいなのか、太りすぎていないかなど気になってきますよね。1歳頃までは乳児健診などでも把握できますが、毎月健診があるわけではないので、我が子がちゃんと成長しているのか不安になることもあるのではないでしょうか。
そこで今回は、男の子と女の子それぞれの新生児(生後0ヶ月)から生後24ヶ月までの成長曲線グラフと、平均的な乳幼児の月齢別発育値(身長・体重)をご紹介します。
赤ちゃんの成長曲線(発育曲線)とは?
赤ちゃんの成長曲線は、厚生労働省が全国の乳幼児を対象とした発育調査のデータをもとに、体重や身長を男女別に集計して成長推移をグラフにしたものです(※1)。
母子手帳などにも記載されていて、定期的に行われる乳児健診時など、赤ちゃんの身長・体重の測定値を表に記載することで成長度合いを知ることができますよ。
赤ちゃんの成長曲線は、「パーセンタイル(百分位数)」という単位で作成されています。
簡単にいうと、「全体を100として、小さい方から順番に並べたときに何番目に位置するか」を表した数値のことです。
つまり、自分の子どもの身長や体重を成長曲線のうえにプロットしてみると、同じ月齢の赤ちゃん全体の中でどれくらいの大きさか、というのがわかるというわけです。
平均的な男の子と女の子の成長曲線グラフは?
ここでは、平均的な乳幼児の体重・身長がわかる成長曲線グラフを男の子と女の子に分けてご紹介します(※1)。
以下の成長曲線グラフは、平成22年の調査結果をもとに作成したものです。
体重・身長ともに同色の線のうち下の曲線がパーセンタイルでいう3番目、上が97番目の数値です。
赤ちゃんの身長・体重が同色の2つの曲線に挟まれた範囲内であれば、平均的な身長・体重だといえます。
ただし、乳幼児期は成長に個人差が大きく出る時期で、1回の測定では成長の状態を判断できないことがよくあります。
発育の経過から成長の状態を判断することがあるため、継続的に成長曲線を描いて変化を見ていく必要があります。
男の子の成長曲線グラフ
女の子の成長曲線グラフ
赤ちゃんの成長曲線の詳細は?【男の子編】
赤ちゃんの成長に伴う身長・体重の推移を追うのであればグラフの方が見やすいですが、月齢ごとに具体的な数値を知りたい人もいるかもしれませんね。
ここでは、先ほどの男の子の赤ちゃんの成長曲線グラフのもととなる数値(乳幼児の月齢別発育値)のうち、2歳5ヶ月までをご紹介します(※1)。
身長(cm) | 体重(kg) | |
生後0ヶ月 | 44.0〜57.4 | 2.10〜5.17 |
生後1ヶ月 | 50.9〜59.6 | 3.53〜5.96 |
生後2ヶ月 | 54.5〜63.2 | 4.41〜7.18 |
生後3ヶ月 | 57.5〜66.1 | 5.12〜8.07 |
生後4ヶ月 | 59.9〜68.5 | 5.67〜8.72 |
生後5ヶ月 | 61.9〜70.4 | 6.10〜9.20 |
生後6ヶ月 | 63.6〜72.1 | 6.44〜9.57 |
生後7ヶ月 | 65.0〜73.6 | 6.73〜9.87 |
生後8ヶ月 | 66.3〜75.0 | 6.96〜10.14 |
生後9ヶ月 | 67.4〜76.2 | 7.16〜10.37 |
生後10ヶ月 | 68.4〜77.4 | 7.34〜10.59 |
生後11ヶ月 | 69.4〜78.5 | 7.51〜10.82 |
1歳0ヶ月 | 70.3〜79.6 | 7.68〜11.04 |
1歳1ヶ月 | 71.2〜80.6 | 7.85〜11.28 |
1歳2ヶ月 | 72.1〜81.7 | 8.02〜11.51 |
1歳3ヶ月 | 73.0〜82.8 | 8.19〜11.75 |
1歳4ヶ月 | 73.9〜83.8 | 8.36〜11.98 |
1歳5ヶ月 | 74.8〜84.8 | 8.53〜12.23 |
1歳6ヶ月 | 75.6〜85.9 | 8.70〜12.47 |
1歳7ヶ月 | 76.5〜86.9 | 8.86〜12.71 |
1歳8ヶ月 | 77.3〜87.9 | 9.03〜12.96 |
1歳9ヶ月 | 78.1〜88.8 | 9.19〜13.20 |
1歳10ヶ月 | 78.9〜89.8 | 9.36〜13.45 |
1歳11ヶ月 | 79.7〜90.7 | 9.52〜13.69 |
2歳0〜5ヶ月 | 81.1〜92.5 | 10.06〜14.55 |
赤ちゃんの成長曲線の詳細は?【女の子編】
次に、女の子の赤ちゃんの成長曲線グラフのもととなる数値(乳幼児の月齢別発育値)のうち、2歳5ヶ月までをご紹介します(※1)。
身長(cm) | 体重(kg) | |
生後0ヶ月 | 44.0〜56.4 | 2.13〜4.84 |
生後1ヶ月 | 50.0〜58.4 | 3.39〜5.54 |
生後2ヶ月 | 53.3〜61.7 | 4.19〜6.67 |
生後3ヶ月 | 56.0〜64.5 | 4.84〜7.53 |
生後4ヶ月 | 58.2〜66.8 | 5.35〜8.18 |
生後5ヶ月 | 60.1〜68.7 | 5.74〜8.67 |
生後6ヶ月 | 61.7〜70.4 | 6.06〜9.05 |
生後7ヶ月 | 63.1〜71.9 | 6.32〜9.37 |
生後8ヶ月 | 64.4〜73.2 | 6.53〜9.63 |
生後9ヶ月 | 65.5〜74.5 | 6.71〜9.85 |
生後10ヶ月 | 66.5〜75.6 | 6.86〜10.06 |
生後11ヶ月 | 67.4〜76.7 | 7.02〜10.27 |
1歳0ヶ月 | 68.3〜77.8 | 7.16〜10.48 |
1歳1ヶ月 | 69.3〜78.9 | 7.31〜10.69 |
1歳2ヶ月 | 70.2〜79.9 | 7.46〜10.90 |
1歳3ヶ月 | 71.1〜81.0 | 7.61〜11.12 |
1歳4ヶ月 | 72.1〜82.1 | 7.75〜11.33 |
1歳5ヶ月 | 73.0〜83.2 | 7.90〜11.55 |
1歳6ヶ月 | 73.9〜84.2 | 8.05〜11.77 |
1歳7ヶ月 | 74.8〜85.3 | 8.20〜11.99 |
1歳8ヶ月 | 75.7〜86.3 | 8.34〜12.21 |
1歳9ヶ月 | 76.6〜87.4 | 8.49〜12.44 |
1歳10ヶ月 | 77.5〜88.4 | 8.64〜12.67 |
1歳11ヶ月 | 78.3〜89.4 | 8.78〜12.90 |
2歳0〜5ヶ月 | 79.8〜91.2 | 9.30〜13.73 |
赤ちゃんの成長曲線とあわせて肥満度もチェックしよう!
乳幼児の成長の状態は、体重や身長だけでは詳しく判断することができません。栄養状態などを把握するために、肥満の程度を表す指数も一緒にみることが多いですよ。
生後3ヶ月~5歳くらいの乳幼児の肥満度を表すには、「カウプ指数」(それ以上~高校生以下まではローレル指数)という数値を使います。
高校生以上から成人までに適用される「BMI」と概念は同じですが、乳幼児の場合、基準になる数値が大人とは異なります。
カウプ指数の計算式
カウプ指数=体重<g> ÷(身長<cm> × 身長<cm>)×10
カウプ指数の基準
- ・ 13未満:やせ
- ・ 13~15未満:やせぎみ
- ・ 15~18未満:正常
- ・ 18~20未満:肥満ぎみ
- ・ 20以上:肥満
赤ちゃんの成長曲線が下回る・上回る原因は?
自分の赤ちゃんの成長曲線が、先ほどのグラフの範囲を下回ったり、上回ったりすると、ママやパパは心配になるかもしれませんね。
たしかに、乳幼児期の発育はパーセンタイル曲線の範囲に沿っていることが望ましいとされますが、毎月そのとおりに数値が増えていくとも限りません。
曲線近くで成長している赤ちゃんは、身長や体重を測ったタイミングによっては曲線で挟まれた範囲から外に出てしまうこともあります。
国立保健医療科学院の『乳幼児身体発育 評価マニュアル』によると、次のような場合は病院で相談した方がいいとされます(※2)。
短期間で体重が著しく落ちる
体重の成長曲線を描いたときに、比較的短期間で体重が急減していた場合や、成長曲線から逸脱した場合には、何らかの慢性疾患や栄養不足などが原因で体重が増加していない可能性があります。
ただし、明らかな異常がなくても体重増加のペースがゆっくりな子もいます。
赤ちゃんが元気かどうかや、その他の発達、排尿・排便、授乳・離乳食の状況なども踏まえて、医師が総合的に判断します。
赤ちゃんの体重がなかなか増えなくて心配なときは、乳児健診のときなどに相談してみましょう。
身長がなかなか伸びない
赤ちゃんが栄養不足に陥ると、体重の次に身長に影響が出ます。
成長曲線を描いてみて、パーセンタイル曲線と比べて身長の伸びがゆるやかになってきた場合は、甲状腺のホルモンや成長ホルモンなどの分泌低下などの異常により、低身長をきたす病気が隠れていないかを調べ、栄養摂取量の増やし方を検討する必要があります。
また、身長だけでなく頭囲の発育も重要な基準になるので、乳児健診のときに確認してみると良いでしょう。
赤ちゃんの成長曲線を目安にしつつ、日々の成長を見守ろう
赤ちゃんの成長曲線は、あくまでも発育の目安であって、他の子の成長と比べるためのものではありません。数値やグラフだけをみて焦ったりせず、赤ちゃん自身の日々の成長をママやパパがしっかり見てあげましょう。
身長の伸びや体重の増減について、心配なことがあれば乳児健診のときに医師に相談してみることをおすすめします。そのほかにも、普段と何となく違う様子があるなど、ママやパパしかわからない変化に気づいたときは、あわせて伝えてみてくださいね。