赤ちゃんの原始反射とは?パラシュート反射って何?新生児にもある?

記事監修 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県横浜市のなごみクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担... 続きを読む

生まれてすぐの赤ちゃんが、外の世界で生き残るために本能的に備わっている「原始反射」。大きな音でビクッと赤ちゃんが反応するモロー反射をみたことがある人は多いのではないでしょうか。しかし、モロー反射に限らず、原始反射にはいくつか種類があります。今回は、パラシュート反射や非対称性緊張性頸反射を含む、10個の原始反射についてまとめました。

赤ちゃんの原始反射とは?

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赤ちゃんの原始反射とは、無意識に出る赤ちゃんの反応や姿勢のことで、「姿勢反射」とも呼ばれます。中枢神経の発達を確認する指標として、1ヶ月検診では特にチェックされる項目の一つです。

生まれたばかりの赤ちゃんの手の平を指で触ると、ギュッと握り返してきてくれますよね。これは、赤ちゃんがお腹の外で生きていくための本能的な動きといわれています。手のひらに触れたものを握る、ママに抱きつこうとする(しがみつく)、口に触れたものに吸いつくという反射的など様々。

原始反射は赤ちゃんによって、激しく反応する子もいれば、反射してもあまり目立たないなど、程度に個人差があります。ないようにみえて、実は反射していることもあるので、よく確認してみましょう。

赤ちゃんの原始反射はいつから?消失時期は?

チェックリスト

赤ちゃんの原始反射は、早いものだとママのお腹の中にいる胎児の頃から始まります。新生児の頃にみられるものもありますが、平均的には生後6ヶ月くらいには少しずつ治まってくることがほとんどです。

なかには1~2歳頃まで続いたり、長いと3歳近くまでみられる原始反射もありますが、程度だけでなく消失時期にも個人差があるので、成長・発達に遅れがなければあまり心配する必要はありませんよ。

赤ちゃんの原始反射の種類は?パラシュート反射って何?

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以下に、胎児期~3歳くらいまでにみられる、代表的な10個の原始反射を、反射がみられる時期順にご紹介します。消失する時期には個人差があるので、目安として参考にしてみてくださいね。

1. 非対称性緊張性頸反射(胎児~6ヶ月頃)

仰向けに寝ている赤ちゃんの顔を横に向けると、まるで弓矢を引くように、顔が向いたほうの手足が伸びて、反対側の手足は曲がるという反射です。赤ちゃんがものを見て触るという動作の基礎になります。胎児の段階で出現し、生後6ヶ月頃までには消失します。

2. 緊張性迷路反射(胎児~3歳頃)

赤ちゃんをうつ伏せにすると手足が曲がり、仰向けにすると手足が伸びて背中が反るという反射です。体を曲げたり伸ばしたりするときのバランスを養うために必要だといわれます。

うつ伏せ時の反射は生後3~4ヶ月程度で消失し、仰向け時の反射は3歳くらいまで残ります。

3. ギャラント反射(胎児~生後5ヶ月)

赤ちゃんの胸を支えながらうつぶせの状態で浮かせ、背骨の左右(脊髄の外側あたり)を触ると、触った方に体を曲げる反射。特に下半身がくねっと左右に曲がり、お尻を振っているような仕草がみられます。

「ギャラン反射」「ガラント反射」と表記されることもあります。

4. バビンスキー反射(胎児~2歳未満)

赤ちゃんの足の裏を、小指寄りの踵からゆっくりと親指のつけ根まで、細い棒やママ・パパの指先でなぞります。足の甲側に開くように曲げながら、足の指を扇状に開く動きをする反射です。

5. 足踏み反射(新生児期~2ヶ月頃)

生まれて間もない赤ちゃんを支えながら両足で立たせるようとすると、足を右左交互に出して歩くような動きをする反射です。「原始歩行」とも呼ばれます。

6. モロー反射(新生児期~4・5ヶ月頃)

赤ちゃんの周りで急に音を立てると、両腕を伸ばして抱きしめるような動作をする反射です。驚いたり不安を感じたりしたときに抱きつこうとする防衛反応と考えられており、テーブルにものを置いたときのかすかな音にも反応することがあります。首がすわると、段々と見られなくなります。

7. 把握反射(新生児期~1歳頃)

手や足の指に触れたものを握ろうと、ギュッと指を折り曲げる反射です。手の把握反射は生後4ヶ月頃までに消失しますが、足の把握反射は1歳近くまで残ります。

8. 吸啜反射(新生児期~1歳頃)

口の中に乳首などが入ったときに吸おうとする反射です。この反射があるので赤ちゃんは母乳やミルクを飲むことができます。空腹のときほどみられ、眠っているときに自分の唇を吸うこともあります。赤ちゃんの上唇に触れると、吸いつくような仕草をしますよ。

9. 対称性緊張性頸反射(生後6ヶ月~11ヶ月頃)

四つん這いになった赤ちゃんが、頭を上げると腕が伸びて足が曲がり、頭を下げると腕が曲がって足が伸びるという反射です。この反射があることで、赤ちゃんはハイハイを覚えるといいます。「STNR」と表記されることもあります。

10. パラシュート反射(生後8~12ヶ月頃に出現)

赤ちゃんをうつ伏せの状態で抱き上げ、頭を下にした状態で下降させると、手を広げて体を支えようとする反射です。大人がよろめいたときに無意識に手が出るのと同じ、自然な反応ですよ。
この反射が身につけば、たっちやあんよで転んでしまったときにも、先に手を付けるようになります。一度習得すると消失することはありません。

赤ちゃんの原始反射では、何を確認すればいいの?

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乳幼児健診では、原始反射の動きがみられはじめる時期と消失する時期が主に確認されます。原始反射は、赤ちゃんの中枢神経の発達をみるもので、脳と脊髄の連携を確認することを目的としています。

ただし、原始反射の種類はとても多く、最低限の反射だけを確認することがほとんど。原始反射が現れる時期に一向に反射がみられなかったり、必要以上に反射の動きが残っていたりすると、神経系の異常の可能性が考えられます。発達障害の判断をするためにチェックすることもありますよ。

原始反射が始まる時期と消失する時期には、個人差もあります。前後1ヶ月ほどは専門書で記載されている時期にも差があることがありますよ。自己判断ではなく、乳児健診時やかかりつけの医師などに、しっかり診てもらいましょう。

赤ちゃんの成長とともに原始反射をチェックしよう

ママ 赤ちゃん

赤ちゃんの原始反射は、すべての成長を判断するものではありません。身長・体重の増加、目の動き、表情などと合わせてみることが大切です。乳児健診でもしっかり確認してもらえますが、普段から気になる動作があれば、合わせて聞いてみましょう。

赤ちゃんの原始反射は、やり方やどんな反射をするのかがわかれば、家で試してみることもできます。遊び半分で何度も繰り返すと赤ちゃんの負担になってしまうので、気になる点があれば確認してみると良いかもしれませんね。

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