【妊娠初期のつわり症状まとめ】気持ちが悪い、吐き気などの対処法は?

監修専門家 助産師 佐藤 裕子
佐藤 裕子 日本赤十字社助産師学校卒業後、大学病院総合周産期母子医療センターにて9年勤務。現在は神奈川県横浜市の助産院マタニティハウスSATOにて勤務しております。妊娠から出産、産後までトータルサポートのできる助... 監修記事一覧へ

市販の妊娠検査薬が使えるのは、生理予定日を1週間過ぎた妊娠5週以降。まだ妊娠していることに気づかない人も多い時期ですが、この時期にもう「つわり」の症状が出ている人もいるかもしれません。

そこで今回は、妊娠初期のつわりの症状にはどのようなものがあるかや、具体的な対策についてご説明します。

妊娠初期に現れるつわりとは?

日本人 つわり 女性

つわりとは、妊娠初期に起こる吐き気や嘔吐、食欲不振などの消化器症状の総称です。つわりは妊婦の50~80%が経験し、特に初産婦の方がつわりが起こりやすいとされています(※1)。

ninaruユーザー1097人にアンケートをとったところ、約86%の人がつわりがあったと回答していますが、一方でつわりを全く経験しなかった人も一定数います(※)。

つわりの原因はよくわかっていません。妊娠中に多く分泌されるhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)やプロゲステロン(黄体ホルモン)といったホルモンが、つわりを引き起こしているのではないかと考えられていますが、医学的にはっきりと解明されているわけではありません。

つわりの症状はいつからいつまで?

本 カレンダー スケジュール

つわりは多くの場合は一過性のもので、妊娠5〜6週頃から始まり、妊娠12~16週頃には自然になくなるものとされています(※1)。

これは、安定期のあたりに胎盤が完成することで、ホルモンの分泌が落ち着くことが影響しているのではと考えられていますが、はっきりとはわかっていません。

ninaruユーザーへのアンケートでは、16週までにつわりが落ち着く人も多かったですが、17週以降も約44%がつわりに悩まされている結果となりました。

つわりの終わる時期は、実際には人によってかなり個人差が大きいことがわかります(※)。

【妊娠初期のつわりの症状】気持ち悪い

日本人 女性 吐き気 つわり

妊娠初期のつわり症状やその重さには個人差がありますが、気持ち悪くなって吐き気をもよおす人が多く見られます。

気持ち悪くなるきっかけは人によって異なるので、自分のパターンを見つけてうまく避けられると少し楽になるかもしれません。

1. 食事をすると気持ち悪くなる

何か食べ物を口にするだけで吐き気を感じるようになり、嘔吐する人もいます。

つわりで最もよく見られる症状で、「吐きつわり」と呼ばれます。食欲がわかなくなったり、水を飲むだけでも吐いてしまったりすることもあります。

2. 空腹になると気持ち悪くなる

お腹が空くと気持ち悪くなります。一般に「食べつわり」といいます。

こまめに何かを食べていないと胸焼けがして、吐き気をもよおしてしまう状態です。

とりわけ、朝起き抜けは空腹のため、症状が強く出る傾向があります。

3. においで気持ち悪くなる

においに敏感になり、特定のにおいを嗅ぐと気持ち悪くなる「匂いつわり」もあります。

ゴミなどの悪臭だけでなく、妊娠前は気にならなかった食べ物のにおいや湯気、シャンプーや洗剤などの生活用品のにおいが苦手になる人もいます。

【妊娠初期のつわり症状】体調の変化

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つわりには「気持ち悪くなる」以外にも様々な症状があります。

ここでは、体調に起こる変化についてご説明します。

4. よだれが増える

つわりの症状で、よだれが増えることがあります。

酸っぱいものを目にしたわけではないのに、ダラダラと大量によだれが出続けます。

一般的に、「よだれつわり」といいます。

5. げっぷがよく出る

つわりで、げっぷが頻繁に出るようになる人もいます。

つわりは胃腸などの消化器に症状が出ることが多いので、げっぷが頻繁に出るのも、その影響かもしれません。

【妊娠初期のつわりの症状】嗜好の変化

フライドポテト

体の変化以外に、嗜好に変化が出るケースもあります。特に、つわりで嗜好の変化を経験する人は多いようです。

6. 食べ物や飲み物の好みが変わる

食べ物や飲み物の好みの変化は、つわり症状の代表例の一つともいえます。

たとえば、つわりの間によく食べたものを妊婦さんに聞くと、フライドポテト、ラーメン、炭酸飲料、柑橘類などがあります。妊娠前はほとんど口にしなかったという人も、不思議とこれらを口にしたくなることが多いようですよ。

つわりが治るとまた好みが変わり、つわり中に食べたかったものを食べたくなくなることもあります。

妊娠初期のつわりの症状の対処法は?

食事 飲み物

妊娠初期はつわりの症状が出やすく、何か対策をしても完全になくすことができるわけではありません。

ただ、生活の工夫をすることで、つわりの症状が多少やわらぐ可能性はあります。

つわりの症状がひどいときには、以下の方法を試してみてくださいね。

食べられるものを食べたいときに食べる

つわりの症状がひどければ、食べられるものを食べたいときに食べましょう。

柑橘系の果物や酸味の強い梅干し、ゼリーやプリンなどの喉ごしのよいものは、食べやすいという人が多いのでおすすめです。

すぐに口に入れられる食べ物を常備する

仕事中や、電車・車で移動しているときなどに、空腹が原因で気持ち悪くなることもあります。

すぐ口に入れられるガムや飴などを持ち歩いておくと、気持ち悪くなる前に空腹感をやわらげることができます。

また、寝起きは特に空腹になりやすいので、枕元にクッキーなどの軽食を用意しておくと良いですよ。

食べ物や飲み物を工夫する

ビタミンB6にはつわりを軽くする効果があると言われていて、つわりの症状が重い場合の治療として、医療機関ではビタミンB6を含む点滴が使われることもあります(※2)。

効果には個人差がありますが、つわりで吐き気がするときはビタミンB6を多く含む食べ物を試してみるのも一つの方法です。ビタミンB6は、バナナや玄米、鶏ささみなどに多く含まれていますよ。

また、欧米では生姜の粉末がつわりの症状軽減に有効として広く推奨されています(※2)。お湯に入れて生姜湯として飲んだり、煮物や炒め物に加えるのがおすすめです。

また、飲み物であれば「炭酸水は飲みやすかった」「冷えた飲み物は飲みやすかった」という人もいます。

マスクで匂いを遠ざける

「匂いつわり」があると、家や職場、外出先などいつ・どこで・どんな匂いをきっかけに吐き気をもよおすかわからないですよね。

そういう場合には、常にマスクをしておくと少し楽になりますよ。

無理をしないで安静に過ごす

つわりの症状がひどいときは無理をせず、なるべく安静にして過ごすことが一番です。

家事は家族に手伝ってもらったり、趣味などの集中できるものに取り組んで気を紛らわせるのもいいですね。

妊娠初期につわりの症状がなくなったら流産?

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妊娠初期のつわりはつらいものですが、つわりの症状がピタリとなくなると「お腹の赤ちゃんに何かあったのでは?」と心配になるかもしれません。

前述のとおり、つわりが続く期間や症状、程度には個人差があるので、つわりの症状が突然なくなったからといって、流産とは限りません。

ただ、腹痛や出血などの症状が見られた場合や、何か不安な症状があるときは、速やかに産婦人科を受診するようにしましょう。

つわりが治まっただけで他の症状が何もなければ、心配しすぎないでくださいね。リラックスして毎日を過ごし、次の妊婦健診を待ちましょう。

妊娠中は周囲に頼って無理せず過ごそう

妊娠初期は、つわり以外にも、眠気や倦怠感、頭痛、体の火照りなどの体調の変化が起こりやすい時期です。

周りに相談しつつ、自身の体調を優先して無理なく過ごしてくださいね。

※アンケート概要
実施期間:2022年9月7日〜9月30日
調査対象:ninaruシリーズユーザー
有効回答数:1097人

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