吐き気がする、気分がすぐれない、何だか眠くて体がだるい…。妊娠すると、様々なつわりの症状が現れることがあります。しかし、つわりに悩まされている時期でも「昨日は最悪だったけど、今日は調子がいい」「朝はつらいけど夜はマシ」のように、時間帯や日によって波があると感じている妊婦さんも多いのではないでしょうか。今回は、つわりに波があるときにうまく対処する方法をご説明します。
そもそも、つわりはなぜ起こる?

つわりは、妊娠5〜6週頃から現れることがある不快症状のことで、妊婦さんのうち約50~80%が経験します(※1)。
吐き気や嘔吐などの「吐きつわり」や、とにかく眠くなる「眠りつわり」、お腹が空くと胃がむかむかする「食べつわり」など様々なタイプがあります。
こうした不快症状が起こる原因ははっきりしていませんが、妊娠12〜16週頃に症状が落ち着く人が多いのは、この時期に胎盤が完成してホルモンバランスが落ち着いてくるからではないか、と考えられています。
つわりには日によって波があるの?

つわりの症状は人によって違うので一概には言えませんが、多くの場合、ずっと不調が続くというわけではありません。
「昨日は吐いてしまったけど、今日は吐くほどではない」と1日ごとに波がある人もいれば、「先週はつわりが軽くて落ち着いたと思ったのに、今週は体が重く感じてだるい」と週によって波があると感じる人もいます。
ホルモンバランスは日々変化していて、疲労やストレスなどの影響も受けやすいので、それによってつわりの症状にも好調・不調の波が生じると考えられます。
ただし、あらかじめその波を予測することは難しいので、つわりがある時期は無理をせずに過ごすことが大切です。
なお、一日中ひどいつわりの症状が続き、まともに食事をとれないままだと、肝臓や腎臓がうまく機能しない「妊娠悪阻(おそ)」という状態に陥ることも。つわりがあまりにつらい場合は我慢せず、早めにかかりつけの産婦人科医に相談してくださいね。
つわりは時間帯によっても波がある?

つわりの症状は、1日のうちでも時間帯によって波があることもあります。
人によって違いはありますが、一般的には朝・昼・夜の時間帯で次のような傾向が見られます。それぞれの時間帯について、対処法もあわせて見ていきましょう。
朝のつわり
何かを食べていないと気持ちが悪くなる「食べつわり」のタイプの妊婦さんは、空腹の状態で迎える朝がつらい、と感じるかもしれません。
寝起きのつわりがひどいときは、枕元におにぎりやクラッカーなど、手軽に口にできるものを置いておき、目覚めたら体を動かす前に食べるようにするといいですよ。
また、働いている妊婦さんの場合、毎朝の満員電車のにおいなどで具合が悪くなるという人も。
通勤ラッシュの時間を避けて出勤したり、電車の座席に座れるよう少し早めに家を出たりと、職場の理解を得ながら対策を考えられるといいですね。
昼のつわり
「食べつわり」の人は昼食後に落ち着きますし、家事や仕事で頭を動かしているときはつわりを感じにくくなる、という人も多いようです。
しかし、眠気が強く出る妊婦さんは、日中座っているのがつらく、すぐ横になって休みたいと感じることも。特に、昼食後の仕事は起きているのがつらいという人もいるようです。
また、においに敏感になるタイプの人であれば、昼食のにおいで具合が悪くなったり、食事を摂りすぎて吐き気を催すこともあるかもしれません。
お腹が空きすぎたり、満腹になりすぎたりしないように、少量を複数回に分けて食べるのもおすすめです。また、自分の体調に合わせて昼食の時間をずらす、あまりにも眠いときには仮眠をとるなど、工夫してみましょう。
夜のつわり
一日の疲れがたまっている夜の時間帯に、つわりがひどくなる人も多いようです。仕事などで疲れを感じたときは早めに横になり、家事はほどほどにしてくださいね。
夜、疲れを取るためにゆっくり湯船に浸かりたくなると思いますが、胸やお腹に水圧がかかって気持ち悪くなったり、急に血行が良くなってめまいや動悸が現れたりするなど、かえって症状が悪化することもあります。そんなときはシャワーだけにしておきましょう。
また、つわりのことばかり考えてしまわないように、夜寝る前に好きな音楽を聞いたり、旦那さんと話したりしてリラックスした時間を過ごせるといいですね。
つわりに波があるときは無理しないで

つわりの波が大きい人もいれば、変化が少ない人もいます。症状が現れるときはつらいと思いますが、自分のつわりのパターンを把握して、それにあわせて対策をとることが、妊娠初期を上手に乗り越えるコツですよ。
つわりは永遠に続くわけではなく、安定期に入るまでには落ち着くことがほとんどです。それまでの期間は、あまり無理をせずに、できるだけゆったりと過ごしてくださいね。