妊娠してつわりが始まると、飲み物の好みが変わったり、吐き気がひどいと飲むこと自体が大変になったりする人もいます。しかし、水分補給をしっかりしないと脱水症状を起こす危険があるため、つわり中も適度な水分補給は欠かせません。
そこで今回は、つわり中でも飲みやすいおすすめの飲み物について紹介します。
つわりで飲み物の好みが変わったり飲むのが辛くなったりするのはなぜ?
つわりとは、妊娠初期に起こる吐き気や嘔吐、食欲不振などの消化器症状の総称です。
原因はわかっていませんが、症状によっては、食べ物や飲み物を受けつけず、食べたり飲んだりすると吐いてしまうこともあります。
嗜好が変わったり、においに敏感になったりすることもあるので、今まで食べたり飲んだりできていたものを受けつけなくなることも。
どの味やにおいが苦手になるかは人によって異なりますが、次からは比較的つわり中に飲みやすいといわれている、おすすめの飲み物を紹介します。自分にあったものを探すヒントにしてくださいね。
つわり中におすすめの飲み物①
【炭酸飲料】
妊娠・出産を経験した多くのママが、つわり中でも飲めたものとして挙げるのが炭酸飲料です。
吐き気がある、胃がムカムカする、といったときに飲むと口の中がさっぱりして、つわりの気持ち悪さがやわらぐようです。炭酸飲料を飲んでゲップをしたら胃が軽くなった人もいるようです。
ただし、コーラやジンジャーエールなどには糖分が多く含まれているので、飲み過ぎには注意しましょう。コーラはカフェインも含むため、摂取量に気をつけてください。無糖の炭酸水だと安心ですね。
炭酸水だけでは味気ないという人は、レモンなどの果汁を入れるとサッパリとして、さらに飲みやすくなりますよ。
つわり中におすすめの飲み物②
【スポーツドリンク】
ポカリスエットやアクエリアスなどのスポーツドリンクは、さわやかな味が吐き気を緩和してくれると感じる人が多いようです。
ミネラルが多く含まれているので、こまめに飲むことで、脱水症状を防ぐこともできます。
ただし、スポーツドリンクも炭酸ジュースと同様に糖分を多く含んでいるため、飲み過ぎには注意してください。水で割って少しずつ飲むのもいいでしょう。
つわり中におすすめの飲み物③
【生姜湯】
欧米では、粉末の生姜がつわりの症状を軽減するというデータがあります(※1)。
お湯に生姜パウダーを入れ、蜂蜜などを加えれば生姜湯の完成です。体が温まってリラックス効果も期待できそうですね。生姜パウダーはネットショップなどで購入できますよ。
生の生姜がつわり症状を軽減するかについては医学的に明らかになっていませんが、生姜に含まれる成分には消化促進作用があるので、生の生姜で作っても効果があるかもしれません。
つわり中におすすめの飲み物④
【ハーブティーなどノンカフェインのお茶】
温かいお茶が飲みやすい妊婦さんも多いようです。お茶にはカフェインが含まれているものもあるため、ノンカフェインのハーブティーや麦茶などを飲むようにしましょう。
たとえばルイボスティーは、ノンカフェインでさっぱりした味なので、つわり中にも飲みやすい人が多いようです。
ただしルイボスティーに含まれるポリフェノールを過剰摂取すると、お腹の中にいる赤ちゃんの動脈管が閉じてしまう胎児動脈管早期収縮を引き起こす要因になるという報告があります(※2,3)。
毎日続けて飲んだり、一度にたくさん飲み過ぎたりしないように気をつけましょう。
つわり中におすすめの飲み物⑤
【果汁ジュースや果実酢】
グレープフルーツやオレンジなどの柑橘系の果汁ジュースは酸味が強く、口の中をサッパリさせてくれます。
トマトジュースもさっぱりして飲みやすかったという声もよく聞きます。また、酸味のきいた果実酢を炭酸水や水で割って飲むのもおすすめです。
ただし、果実ジュースも他のジュースと同じように糖分がたくさん含まれているので、飲み過ぎには十分に注意しましょう。
つわり中におすすめの飲み物⑥
【乳酸菌飲料】
ほとんどの飲み物は受け付けないけど、カルピスやヤクルトなどの乳酸菌飲料だったら飲める妊婦さんもいます。
いろいろ試しても自分にあった飲み物が見つからないときは、乳酸菌飲料を試してみるのもいいかもしれませんね。ただし、乳酸菌飲料も糖分が多いので、飲み過ぎには注意してください。
妊娠中に気をつけたい飲み物は?
アルコールやカフェインを含む飲み物は、以下の理由から妊娠中に飲むのは控えてください。
アルコール飲料
妊娠中にお酒を飲むと、生まれてくる赤ちゃんが「胎児性アルコール・スペクトラム障害」を引き起こす恐れがあるため、アルコール摂取は厳禁です(※1)。
カフェインを多く含む飲み物
妊娠中にカフェインを摂り過ぎると、胎児の発育に影響が及ぶ可能性が指摘されています。妊娠中はいつも以上にカフェインの摂り過ぎに気をつけましょう(※4)。
日本ではカフェインの1日に摂取できる許容量が設定されていませんが、世界保健機関(WHO)は、妊婦さんはコーヒーの摂取量を1日3〜4杯(カフェイン量として約300mg)、欧州食品安全機関(EFSA)は、カフェイン量として1日200mg以下であれば、赤ちゃんに健康リスクは生じないとしています(※5)。
日常的に飲むのは控えて、できるだけデカフェやカフェインレスの飲み物にした方が安心です。
つわり中は飲みやすい飲み物を選ぼう
つわり中におすすめの飲み物を紹介しましたが、どれが合うかは人それぞれです。
気持ち悪くて飲めるものが見つからないときは、飲み物に氷を入れてキンキンに冷やす、あるいは冷凍庫で凍らせてみると、飲みやすいこともあります。くれぐれも体が冷えないように気をつけながら、飲んでみてくださいね。
どうしても口にできる飲み物がない場合は、産婦人科を受診して点滴などで対処してもらい、脱水症状を防ぐようにしましょう。