妊婦さんが最初に経験するつらい妊娠症状が「つわり」です。多くの妊婦さんが経験し、吐き気や眠気など様々な症状が現れます。つわりは妊娠に伴う生理的な現象ですが、「つわりで赤ちゃんの性別判断ができる」と聞いたことがある人もいるかもしれません。「本当につわりで性別がわかるの?」と思いますよね。そこで今回は、つわりで性別判断ができるという噂や、男の子と女の子で症状が違うのかなどについて詳しくご説明します。
そもそも、つわりってどういうもの?

つわりは、妊娠初期に現れる代表的な生理現象です。主に胃のムカつきや吐き気、嘔吐といった消化器系の症状が出ますが、頭痛や食欲不振、眠気などが起きることも。現れる症状は妊婦さんによって違います。
不快症状が現れる原因ははっきりしていませんが、妊娠5〜6週頃に始まって胎盤ができあがる妊娠12〜16週頃に落ち着く人が多いので、妊娠によるホルモンバランスの変化が深く関係していると考えられています(※1)。
つわりで赤ちゃんの性別を判断できるの?

それでは、つわりの症状で赤ちゃんの性別がわかるということはあるのでしょうか?
結論から先に言うと、つわりで赤ちゃんの性別はわかりません。前述の通り、つわりはホルモンバランスの変化で現れる生理現象で、赤ちゃんの性別に左右されるものではないからです。「つわりが●●だったら女の子」という主張に医学的な根拠はなく、噂でしかありません。
一般的に、赤ちゃんの性別を判断するには妊婦健診などで超音波検査を受ける必要があり、性別がわかるのは妊娠17〜18週以降です(※2)。
性別の判断には外性器を確認する必要があるので、赤ちゃんが背中を向けていたり、足を閉じていたりすると、なかなか性別が判断できないこともあります。
男の子と女の子でつわりの症状はどう変わるの?

つわりによる性別判断は噂でしかないとはわかっていても、気になってしまうものですね。そこで、よく耳にするつわりにまつわる噂をご紹介します。医学的根拠はないので、妊娠中の話題のひとつ程度に捉えてくださいね。
1. つわり中に揚げ物が食べたいと男の子?
つわり中に揚げ物やジャンクフードなど、脂っこいものを食べたくなったら男の子とよくいわれます。「フライドポテトやフライドチキンが無性に食べたくなり、実際に男のが生まれた」という体験談もありますが、医学的な根拠はありません。
2. つわり中に甘いものが好きなら女の子?
揚げ物ではなく、甘いものが無性に食べたくなったら女の子という噂もあります。「甘いモノが好き=女の子」というイメージから生まれたのかもしれませんが、これも医学的な根拠はありませんよ。
3. つわりが極端にきついと女の子?
つわりの重い・軽いでも男の子と女の子のどちらかがわかるという噂もあります。つわりが極端にきついと女の子で、つわりが軽い・まったくないと男の子といわれます。
ただしつわりの程度には個人差が大きく、必ずこうなるということではありませんよ。
4. 吐きつわりは女の子、食べつわりは男の子?
つわりの症状でも性別判断ができるといわれます。食べ物を食べると気持ち悪くなる吐きつわりなら女の子で、食べてなくて空腹になると気持ち悪くなる食べつわりなら男の子とされますが、これも医学的な根拠はありません。
つわりにまつわる性別以外の迷信はある?

つわりにまつわる噂には性別判断以外にも様々なものがあります。以下でその一例をご紹介します。
つわりの症状が重いと妊婦さんと赤ちゃんの血液型が違う
つわりが重いと血液型が違うという噂もあります。もっともらしい気もしますが、医学的な根拠はありません。
つわりが軽いと難産になる
つわりがない、あるいは軽いと難産になるといわれます。これも医学的な根拠はありません。ただし、つわりがないと食欲が減らずに食べ過ぎてしまうため、妊娠中に太り過ぎて難産になることは考えられます。
つわりがないときは体重管理に気をつけてくださいね。
2人目、3人目はつわりがひどくなる
1人目よりもその後の妊娠のほうがつわりがひどくなるといわれますが、これも医学的な根拠はありません。ただし、2人目、3人目となると上の子たちのお世話があり、妊娠中でも十分に体を休められないことから、つわりをひどく感じる可能性はあるでしょう。
子供のお世話や仕事などで忙しくしていると、体が休まらずつわりが悪化してしまうこともあるので、つわり中はできるだけ家族に協力を求めましょうね。
つわりと性別の関係は噂話として楽しもう

「つわりで性別判断ができる」というのはただの噂でしかありません。
実際には、妊娠17〜18週以降のエコー検査で診てもらうまで、赤ちゃんの性別は判断できません。エコー検査でも赤ちゃんの姿勢によっては男の子か女の子か判断するのが難しく、生まれるまでわからないというケースさえあるんですよ。
赤ちゃんの性別とつわりの関係については、エコー検査さえも絶対ではないと理解した上で、噂話や会話のネタ程度に考えるのがおすすめです。お腹の赤ちゃんの性別に想像をふくらませるのも、楽しい時間になりますよね。