妊娠6ヶ月目は体重の変化に注意!お腹の大きさは?張りが出やすいの?

監修専門家 助産師 佐藤 裕子
佐藤 裕子 日本赤十字社助産師学校卒業後、大学病院総合周産期母子医療センターにて9年勤務。現在は神奈川県横浜市の助産院マタニティハウスSATOにて勤務しております。妊娠から出産、産後までトータルサポートのできる助... 監修記事一覧へ

妊娠6ヶ月目は安定期とも呼ばれる時期で、日々落ち着いて過ごせている人も多いと思います。ただ、お腹が大きくなってきて腰痛やむくみ、こむら返りなどのマイナートラブルが起きやすくなってくる時期でもあります。生活の中で注意したいポイントも、これまでとは少し変わってきますよ。今回は妊娠6ヶ月目に気をつけたい体重の変化やお腹が大きくなる影響、赤ちゃんの状態についてご説明します。

妊娠6ヶ月目はどんな時期?

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妊娠6ヶ月目は、妊娠20~23週目の4週間にあたります。胎動を日々感じるようになって、ママになる実感も強くなってくる時期です。

比較的体調は落ち着いていますが、お腹がどんどん大きくなることでマイナートラブルも現れてきます。また、お腹が前にせり出すと体の重心が変わり、転倒しすくなるので注意が必要です。

また、赤ちゃんの成長が加速する時期でもあり、妊娠6ヶ月目の1ヶ月間で、妊娠5ヶ月目のときに比べて体重が2倍以上になります。

妊娠20週目

妊娠20週目の胎児の見た目のプロポーションは、新生児とほぼ同じ。体の主要な器官もできあがり、ここからは細部が形作られていきます。

妊娠20週目以降は、赤ちゃんを包み込んでいる羊水の量が急激に増えます。この時点で350mlほどだったものが、妊娠9ヶ月には700〜800mlまで増加するので、お腹はますます大きくなります(※1)。

妊娠21週目

胎児の体重の目安は300~450gほどです(※1)。頭蓋骨や脊髄などの骨が硬くなり、体脂肪がついてきてふっくらとした体型になってきます。羊水の中を盛んに動き回っているので、逆子の状態になっていることもありますが、自然に元に戻る場合がほとんどなので今の時点で心配する必要はありません。

ママのお腹はかなり大きくなって足元がおぼつかなくなります。ヒールのある靴などは履かないようにして、転倒防止に努めてくださいね。

妊娠22週目

妊娠22週目の胎児の体重の目安は400~500gほどになります(※1)。この頃までには、ほとんどの妊婦さんが胎動を感じられるようになりますよ。

お腹はグッと前にせり出してきて、しゃがんだり、起き上がったりするなど、日常的な動作が難しくなります。

妊娠23週目

胎児の身長は約30cm、体重は約650gに成長します(※3)。

赤ちゃんの体が大きくなってくると、エコー検査では全身を見ることができなくなり、手足や顔などが部分的に映ります。お腹に手を当てると、赤ちゃんの位置がわかるようにもなってきますよ。

妊娠6ヶ月目の赤ちゃんの大きさは?

21週 エコー 胎児

妊娠6ヶ月目の終わりになると、胎児の身長は約30cm、体重は約650gに成長します(※2)。また、まつげがはっきりしてくる、手の指に爪ができ始める、目が開くようになるなど、体の細部がつくられていきます。

聴覚はほぼ完成したので、ママの声や外の大きな音、血流音や心音などを聞いています。お腹に語りかけたり、手でトントンと振動を与えたりしてコミュニケーションを楽しんでください。

絵本を読み聞かせる、音楽を聞かせるなどで胎教を始めてもいいですね。

妊娠6ヶ月目のお腹の大きさや体の状態は?

妊婦 メジャー むくみ 体重

妊娠6ヶ月目のお腹の大きさは、子宮底長で15〜21cmほどになります(※2)。お腹が前にせり出しているのがはっきりとわかりますよ。

妊娠5ヶ月頃までつわりが続いていた人も、妊娠6ヶ月頃にはおさまるケースがほとんど。体調が安定しているので、活発に動くことができますよ。

ただし、大きなお腹で足元が見えにくくなるので、歩いたり、階段を上り下りしたりするときは要注意。特に足元が不安定な場所では手すりをつかむなど、転倒防止に努めてください。

調子が良いときでも妊婦であることを忘れずに、できるだけゆっくり動くようにしましょう。

妊娠6ヶ月目は過度な体重増加に注意

女性 体重 体重計

妊娠中は、ブドウ糖を胎児の栄養源として優先的に送るため、ママの体は脂質をエネルギー源にしており、体が脂肪を蓄えようとします。

また、出産時の出血に備えて体内の血液量や羊水が増加するので、脂肪の増加と相まって、体重が増えやすくなります。

妊娠中の体重増加量の目安は、妊娠前のBMI値によって異なります(※3)。下記の体重増加量を参考に、急激に体重が増えすぎていないかチェックしてくださいね。

妊婦 体重増加目安 2021年3月改定 BMI値

1日の摂取カロリーは、妊娠前の+250キロカロリーほどを意識しましょう(※3)。

なお体重が増えすぎると、妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群などの合併症を起こすことがあります。難産の原因にもなるので、食事内容を見直したり適度に運動をしたりしてみてくださいね。

急な体重の増加が気になる場合は、医師や助産師に相談しましょう。

妊娠6ヶ月目に逆子になったら?胎動でわかるの?

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妊娠6ヶ月になると、ほとんどの人は1日に1回以上は胎動を感じます(※2)。おへそより少し上あたりに感じるのが一般的ですが、胃の下や足の付け根近くで感じた場合は赤ちゃんが逆子になっているかもしれません。

子宮内にはまだ隙間があるため、赤ちゃんは羊水に浮かんでグルグル動き回っています。そのため、この時期は逆子になりやすい状態です。

成長にともなって子宮内に動き回るスペースがなくなると、重力にしたがって、頭が自然と下向きになります。

妊娠8ヶ月目までであれば逆子は自然に元に戻ることが多いので、妊娠6ヶ月目の妊婦健診で逆子と伝えられたとしても、心配しないでくださいね。

それでも気になることがあれば、遠慮せずにかかりつけの産婦人科医に相談しましょう。

妊娠6ヶ月目のマイナートラブルは?

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妊娠6ヶ月目頃のマイナートラブルは、ホルモンバランスの変化に加えて子宮が大きくなることで現れます。これらのマイナートラブルは妊娠中に起こる一時的なものなのですが、日常生活に支障をきたすようなら医師と相談して適切に対処しましょう。

妊娠6ヶ月目頃に現れやすいマイナートラブル

● 便秘
● 下痢
● 足がつる
● 足の付け根やふくらはぎの痛み
● 静脈瘤ができる
● 尿漏れ
● 腰痛
● 乳首の黒ずみ
● シミ・ソバカスなどの肌トラブル

妊娠6ヶ月目は積極的に運動しよう

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大きなお腹を支えようとすると、姿勢が悪くなって腰や背中に負担がかかり、腰痛を引き起こします。妊娠中の腰痛予防には姿勢を整えるだけでなく、妊婦体操やマタニティヨガなどの運動を始めるのがおすすめです。

運動をすると体全体の血流がよくなり、痛みだけでなく冷えやむくみを解消する効果が期待できます。骨盤まわりの筋肉を鍛えれば、安産にもつながります。体重の増えすぎも抑えてくれますよ。

体を動かすのが億劫な人も、椅子に座りながらできる体操や寝転がってできる体操もあるので、気軽に始めてみてください。地域の保健センターや産院などでも体操教室やヨガ教室は行われています。同じ悩みを抱えている妊婦さんたちと出会うきっかけにもなりますよ。

妊娠6ヶ月目からは妊娠線ケアを心がけよう

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お腹が急に大きくなると皮膚に亀裂が入り、「妊娠線」ができます。場所は、お腹以外にも、太ももやお尻、胸など様々。妊娠線は一度できてしまうと、出産後でも完全に消えることはないといわれているので、できるだけ予防したいですよね。

肌が乾燥していると柔軟性がなくなり、皮膚の伸びがお腹の膨らむスピードについていけなくなって、妊娠線ができやすくなります。お腹が急激に大きくなり始める妊娠6ヶ月目頃から、お腹周りの保湿を心がけて、しっかり予防しましょう。

妊娠線ケアには、ローションやクリーム、オイルなどが使えるので、自分の肌質に合ったものを選んでくださいね。マッサージしながら塗りこむと、リラックスできてストレス解消にもつながりますよ。

妊娠6ヶ月目のお腹の張りや腹痛、出血は切迫早産かも?

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妊娠22週目を越えると、赤ちゃんが出産予定日より前に生まれても現代医学の助けで命が助かる可能性が出てきます。

ただ、赤ちゃんの肺の機能が十分に働くようになる妊娠34週目以前に生まれた場合は、NICU(新生児集中治療室)と呼ばれる病棟で、より専門的な治療が必要になることもあります(※2)。

そのため、妊娠6ヶ月目で腹痛やお腹の張り、不正出血など切迫早産の兆候が見られたら、すぐに病院に連絡しましょう。

疲れたり過度なストレスがかかったりするのも切迫早産の原因になるので、安定期とはいえ無理をしないでくださいね。周囲にサポートしてもらいながら、家事も仕事も自分のペースで取り組みましょう。

妊娠6ヶ月目からは産後の準備も進めよう

妊娠6ヶ月目頃には、エコー検査で赤ちゃんの性別が確認できる人が増えます。赤ちゃんの性別がわかったら、産後のベビー用品などの準備を始めてもいい頃ですね。性別がわからなくても、男女共通で使えるデザインのグッズもあるので、産後の生活に想像を巡らしながら買い物を楽しんでください。

胎動の回数が増えてくると、赤ちゃんに会えるのが今まで以上に待ち遠しくなりますよね。体調が安定していて動きやすい今の時期に産後の準備を進めておくと、出産が早まったときでも慌てずに済みますよ。

まだまだ先だと思っていても、妊娠期間はあっという間に過ぎてしまいます。できるだけ早く準備を整えておきましょう。

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