妊娠中は、何もかもが初めてなことだらけで心配ごとが多いですよね。体の変化にともなって生活のさまざまな場面で注意すべきことが増えますが、特に注意したいのが転倒です。
今回は、妊婦が転んだり、尻もちをついたりしたときの赤ちゃんへの影響や、病院へ行く目安、対処法などをご紹介します。
妊婦は転びやすいの?
妊娠をすると、赤ちゃんとともに子宮がどんどん大きくなり、母体の重心が前に移動すると同時に、お腹で足元が見えにくくなり、転倒しやすくなります。
週数が進むごとに関節が緩んで不安定になることもありますが、妊娠の影響で疲れやすく、ぼーっとしてしまうことがあるのもバランスを崩す原因のひとつと考えられます。
また、転ぶのは、前方からとは限りません。妊娠中期以降にお腹が大きくなってくると、前に重心がいくのを防ぐために体を後ろへ反らせてしまい、尻もちもつきやすい状態になります。
妊娠中は、今まで気にならなかった些細な段差や揺れが大きく影響し、思わぬ怪我や事故につながることもあります。転倒しやすくなっていることを知っておき、妊娠前よりも足元に注意して歩くようにしてくださいね。
妊婦が転ぶ・尻もちをついたときはどうしたらいいの?
妊娠中に転んでしまったときは、まず自身に怪我がないかを確認してください。
重たい体を支えたり、とっさにお腹を守ろうとしたりして骨折や捻挫などをしてしまうことがあります。また、転倒後にお腹の痛みや張り、不正出血が起きないかも確認しましょう。
もし胎動をすでに感じているのであれば、赤ちゃんが元気かどうかを確認するために以下の方法で胎動カウントを行うのがおすすめです。
胎動をまだ感じない時期で気になる点があるときは、かかりつけの産婦人科に相談をするようにしてくださいね。
胎動チェック
1. 横になってリラックスした状態を作る
2. 胎動を10回感じるまでの時間を計る
測り方
・続けて動いているときは止まるまでを1回とカウントする
・10回数えるまでに30分以上かかる場合は再度測定する(※1)
ポイント
普段から胎動のカウントをしている場合は、その時間と比べてみてください。急に胎動が弱くなった・極端に少なくなったと感じる場合は、速やかにかかりつけの産婦人科を受診しましょう。
また、胎動がいつもと違う様子で違和感を感じた場合も、かかりつけの産婦人科へ相談することをおすすめします。
転倒後に病院へ行った方がいい目安は?
転倒後に以下のような症状がある場合は、速やかにかかりつけの産婦人科や近所の病院の救急外来を受診しましょう。
- 不正出血がある
- 羊水が漏れている
- お腹がずっと硬く痛い、強く張る、張り続けている
- 赤ちゃんの胎動が普段と異なる
妊娠したら、何かあったときにすぐに連絡がしやすいように、かかりつけの病院や近所の救急外来の電話番号をあらかじめ携帯電話に登録しておくといいですよ。
妊娠中に転倒しないための対策は?
妊婦さんが転びやすくなるのは自然なことなので、いつもより注意をすることはもちろん、事前に対策をしておく必要もあります。
妊娠中の転倒を回避できるよう、以下のような工夫を心がけましょう。
- 自転車にはできるだけ乗らない
- 靴はフラットか、低めのヒールで安定したものにする
- 歩きながら携帯電話を操作しない
- 歩くスピードをゆるめる
- 滑りやすいお風呂場や階段には十分注意する
- スリッパなど滑りやすい履物は避けるか、滑り止めの付いた履物を履く
- 冬場は、路面凍結しやすい朝方などの外出を控える
- 転倒したときのためにお腹をかばえるように、両手をあけておく
また、妊娠中に骨盤ベルトを着けるのも効果的です。体重増加による腰痛を緩和させるだけでなく、つい後ろへ反ってしまう姿勢を整える効果も期待できますよ。
妊娠中に転倒しないよう余裕をもって行動しよう
妊娠中の体は、週数が進むごとに変化し、妊婦さん自身も慣れるのに大変ですよね。今まで以上に気を使うことも増えますが、思わぬ事故を招かないよう、時間には余裕をもって行動するようにしてくださいね。