「生ワクチン」と「不活化ワクチン」の違いまとめ

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギ... 監修記事一覧へ

この記事では、ワクチンの種類である「生ワクチン」と「不活化ワクチン」の違いについてご紹介します。

生ワクチンとは

生ワクチンとは、病気の原因となる細菌やウイルスを、生きたまま病原性を弱めて作ったワクチンのことです(※1)。

接種されたワクチンに含まれるウイルスが体の中で増えることにより、長く持続する免疫ができるのが特徴です。

1〜3回の接種で免疫を獲得できるとされています。

生ワクチン一覧(詳細はリンクから)(※1)

注意点

生ワクチンの接種により、副反応を起こすことがあります。以下の点に注意し、気になる症状があらわれた場合は、速やかに接種した病院に連絡してください。(※2)。

  • 接種後1〜2週間のうちに「その細菌・ウイルスに感染した時の症状」が弱く出る場合があります
  • 比較的軽い副反応:発熱、発疹、局所反応、頬の腫れなど
  • 重い副反応:アナフィラキシー、急性脳炎、けいれんなどが速やかに出る場合が多いです

また、注射の生ワクチンを接種後、再度注射の生ワクチンを接種する場合、27日以上間隔をあける必要があります(※3)。

不活化ワクチンとは

不活化ワクチンには、生ワクチンとは異なり、生きたウイルスなどは含まれていません(※1)。

生ワクチンに比べて免疫を獲得しにくいので、複数回接種して免疫を強化する必要があります。

不活化ワクチン一覧(詳細はリンクから)(※1)

注意点

不活化ワクチンの接種により副反応を起こすことがあります。以下の点に注意し、気になる症状があらわれた場合は、接種した病院に連絡してくださいね。(※2)。

  • 比較的軽い副反応:発熱・発疹・局所反応などが24時間以内
  • 重い副反応:アナフィラキシー、急性脳炎、けいれんなど

同時接種について

ワクチンを接種してから次のワクチンを接種するためには、間隔をあける必要があります。

病院に複数回行く手間の解消やなるべく早い免疫獲得のため、複数ワクチンの同時接種が推奨されています(※2)。

以下は同時接種ができるワクチンの一覧です。接種し忘れ防止や赤ちゃんの健康のため、ぜひ同時接種を利用しましょう。

生後2ヶ月 B型肝炎ワクチン(1回目)
ロタウイルス(1価・5価)(1回目)
小児用肺炎球菌ワクチン(1回目)
五種混合ワクチン(1回目)
生後3ヶ月 B型肝炎ワクチン (2回目)
ロタウイルス(1価・5価)(2回目)
小児用肺炎球菌ワクチン(2回目)
五種混合ワクチン(2回目)
生後4ヶ月 ロタウイルス(5価)(3回目)
小児用肺炎球菌ワクチン(3回目)
五種混合ワクチン(3回目)
生後5ヶ月 BCG
1歳 小児用肺炎球菌ワクチン(4回目)
五種混合ワクチン(4回目)
MRワクチン(1回目)
水痘ワクチン(1回目)
おたふく風邪ワクチン(1回目)

2024年4月から、「五種混合ワクチン(四種混合ワクチン+ヒブワクチン)」として定期接種に加わりました。

しばらくの間はワクチンの流通の関係で、五種混合ワクチンではなく、四種混合ワクチンとヒブワクチンで接種する可能性があります。この場合でもスケジュールは特に変わりません。

同時接種することによって管理がしやすくなり、接種し忘れを防ぐことができますよ。ぜひ活用してくださいね。

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