危険な病気から赤ちゃんを守るために受ける予防接種。定期接種の予防接種のひとつに「四種混合ワクチン」があります。しかし、四種混合とは何の病気を予防するためのものだろうと疑問に思いますよね。
そこで今回は四種混合ワクチンについて、予防できる病気や接種時期、回数、接種後に副反応が出るのかなどをご紹介します。
四種混合ワクチンとは?
四種混合ワクチンは、以下の4種類の病気を予防することを目的にしています。
ジフテリア
ジフテリア菌によって引き起こされる感染症です。主な症状としては、喉の痛みや発熱、呼吸困難があります。
重症化すると眼球や肺の横隔膜の麻痺心不全を起こすこともある病気ですが、ワクチンの効果により1999年以降、国内では報告されていません(※1)。
百日咳
百日咳は百日咳菌に感染して起きる病気で、4~5週間にわたって激しい咳が続いた後に、2~3週間かけて回復していきます(※2)。
生後6ヶ月以下の子どもが感染すると肺炎や脳症により命に関わることもありますが、ワクチン接種により免疫をつけることができます(※2)。
破傷風
破傷風は、土の中に生息している破傷風菌が傷口から侵入して起きる感染症です。破傷風菌の毒素で少しずつ神経に障害が起こり、顔や背中などの筋肉が硬直します。
呼吸困難に陥ることもあり、最悪の場合、死に至る恐ろしい病気ですが、ワクチン接種を受けることでほぼ100%の人が十分な抗体を獲得することができます(※3)。
ポリオ
ポリオウイルスが口から取り込まれて腸内で増殖することで起こる病気で、軽度の下痢が症状として現れます。
ポリオウイルスが脊髄の一部に侵入すると手足の麻痺があらわれ、その麻痺がずっと残ってしまうことがあります(※4)。
日本ではポリオは根絶されていますが、海外からポリオウイルスが持ち込まれることもあるため、予防接種により免疫をつける必要があります(※4)。
四種混合ワクチンの接種時期は?間隔や追加のタイミングは?
四種混合ワクチンは、予防接種法に基づく「定期接種」の対象のため、無料で受けられます。生後2ヶ月~7歳6ヶ月までの期間に合計4回受けましょう。
日本小児科学会の推奨スケジュールでは、生後2ヶ月~1歳の間に、それぞれ3~8週間(20〜56日)の間隔をあけて、3回ワクチン接種を行います。
そして、3回目の接種から最低6ヶ月以上の間隔をあけ、生後12~18ヶ月の間に、追加分で4回目を接種します(※5)。
なお、四種混合の予防接種が終わった後も、破傷風とジフテリアについては11~12歳の間に定期接種を受ける必要があるので注意してください。
また、日本小児科学会は、小学校入学前に抗体が低下しやすい「百日咳」と「ポリオ」を任意接種することを推奨しています(※6)。お住まいの自治体によっては補助がでることもあるので、確認してみてくださいね。
四種混合ワクチンの接種後に副反応が出る?
四種混合ワクチンの接種後に、10〜30%に接種部位の腫れや痛み、多くても2〜8%程度に発熱などの副反応が現れることがあります(※7)。
このような軽い副反応はほとんどが数日のうちに消えますが、3日以上副反応が続く、赤ちゃんの機嫌が悪いといった症状が起きたときは予防接種を受けた病院に相談してくださいね。
また、極めてまれ(100万接種に1人未満)にアナフィラキシーと呼ばれる重い副反応が起こることがあります。予防接種を受けたあと30分程度は病院で待機しておくか、かかりつけの小児科医にすぐに連絡がとれる状態にしておくようにしましょう。
四種混合ワクチンを受けて赤ちゃんの健康を守ろう
四種混合ワクチンを他のワクチンと同時接種をすることで、病院に行く回数が減って、接種し忘れを防ぐことができます。
ワクチンの接種回数が多くてスケジュール管理が大変かもしれませんが、アプリを活用したり、かかりつけ医や市町村の保健センターに相談したりしてみてくださいね。