日本脳炎ワクチンの基本情報について、以下にまとめました。気になる項目がある方は目次のリンクから見てみてくださいね。
日本脳炎ワクチン・基本情報まとめ
予防できる病気 | 日本脳炎 |
定期接種/任意接種 | 定期接種 |
接種費用 | 無料 |
接種時期・回数 | 生後6ヶ月〜7歳6ヶ月未満のうちに3回、9歳〜13歳未満のうちに1回 |
副反応 | 接種箇所の腫れ、発熱 |
生/不活化ワクチン | 不活化ワクチン |
予防できる病気
日本脳炎ワクチンを接種することで、日本脳炎という重篤な病気を予防することができます。
日本脳炎は、主にコガタアカイエカという虫によって媒介される日本脳炎ウイルスが引き起こします(※1)。
発病すると、急な発熱、頭痛、吐き気を発症したのち、急激に意識が低下し、けいれんや昏睡状態になります。感染した人のうち、100〜1,000人に1人が脳炎になるといわれています。
約20〜40%の人が命を落とし、後遺症を残すことも多い病気ですが、予防接種の徹底や生活環境の変化によって感染者は激減しています(※1)。
ワクチンを4回接種することで、日本脳炎にかかるリスクを75~90%減らすことができます。
定期/任意接種・費用
日本脳炎ワクチンは、予防接種法に基づく「定期接種」に分類されています。
定期接種のワクチンは、接種費用を公費で負担しているため、無料で接種できます。
無料で受けられる(定期接種の対象になる)期間は限られているため、その期間内に接種を済ませましょう。
接種時期・回数
日本脳炎ワクチンは合計で4回接種する必要があります(※2)。
接種スケジュール(全4回)
1回目 | 3歳〜7歳6ヶ月未満 |
2回目 | 初回から6日以上あけて |
3回目 | 初回から6ヶ月以上あけて |
4回目 | 9歳〜13歳未満 |
接種スケジュールは上記の通りです(※2)。
日本小児科学会は、初回接種を3歳のときに6日以上の間隔をあけて2回、初回からおおむね1年が経過した頃に3回目、9歳〜13歳未満で4回目を接種することを推奨しています(※1)。
ただし、日本脳炎が流行している地域に渡航・滞在する場合や、最近日本脳炎が発生した地域に居住している場合などには、定期接種として生後6ヶ月からの接種が推奨されています(※3)。その場合でも、接種間隔は変わりません。
詳しくは、かかりつけの医師に相談するようにしてください。
「定期接種」として無料で接種できる期間は、子どもが6ヶ月から7歳6ヶ月を迎えるまでの期間と、9歳から13歳未満の期間です。その期間中に接種を終わらせるようにしましょう。
副反応・注意点
副反応
日本脳炎ワクチンの副反応としては、以下のようなものが挙げられます(※1)。
- 接種した部位の腫れ:3%未満の割合
- 発熱:3%未満の割合
- アナフィラキシー(重いアレルギー反応)、けいれんなど:極めてまれ
もし接種後に気になる症状があらわれた場合、念のため接種をした医療機関に連絡して相談しましょう。
注意点
ワクチン接種の際には、以下の点に注意してください(※1)。
- 接種日に、37.5℃以上の「明らかな発熱」などがある場合、ワクチンを接種することはできません。
- これまでの予防接種で、接種後2日以内に発熱や全身性発疹などのアレルギーを疑う症状を認めた人、過去にけいれんの既往がある人は、接種前にかかりつけ医によく相談してくださいね。
その他、わからないことがあれば、かかりつけ医に相談すると安心です。
受け忘れたときは
予防接種を受け忘れてしまったという場合でも、抗体を得るためワクチンを接種することが必要です。
日本小児科学会は、定期接種の対象年齢をこえた全ての子どもに対しても、4回の接種を推奨しています(※4)。
詳しい接種時期については、かかりつけの医療機関でご確認ください。
また、2005年からしばらくの間、日本脳炎ワクチンの予防接種は積極的勧奨が差し控えられていました。
そのため、その時期に該当し、接種をしにくかった人(1995年4月2日から2007年4月1日生まれの人まで)は、20歳未満までであれば定期接種としての接種が可能です(※1)。
2007年4月2日から2009年10月1日生まれの人は、接種が完了していない残りの回数について、定期接種の年齢の範囲内で接種を受けることができます。詳しくはお住まいの自治体に確認してくださいね。