MR(麻疹・風疹混合)ワクチンの基礎知識!効果や副反応などまとめ

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギ... 監修記事一覧へ

MRワクチンの基本情報について、以下にまとめました。気になる項目がある方は目次のリンクから見てみてくださいね。

MRワクチン・基本情報まとめ

予防できる病気 麻疹・風疹
定期接種/任意接種 定期接種
接種費用 無料
接種時期・回数 1回目:1歳〜2歳未満のうちに1回
(2歳の誕生日前日)
2回目:6歳になる年度
(4/1〜翌年3/31)
同時接種可能な
ワクチン
小児用肺炎球菌、五種混合、水痘、おたふくかぜ
副反応 発熱、接種部位の赤み、腫れ
生/不活化ワクチン 生ワクチン

予防できる病気

MRワクチンを接種することで、麻疹と風疹の2種類の病気を予防することができます。2回接種することで、どちらも99%以上の人が免疫を獲得できます。

麻疹(麻しん)

麻疹ウイルスによって引き起こされる病気です。

発熱、咳、鼻水などの症状から始まり、目が赤くなり、めやになどもみられます。熱は一度下がりますが再び39度以上まで上がることがあります(※1)。

その際口の中に白いぶつぶつや、皮膚に色素沈着が起き、発疹が現れるのが特徴です。肺炎や脳炎などの合併症を引き起こすこともあり、命に関わることもあります。

2015年に麻疹は国内から排除されたと認定されていますが、海外に渡って感染し、帰国後に発症する人が報告されています(※1)。

風疹(風しん)

風疹ウイルスによって引き起こされる病気です。発熱や、発疹、リンパ節の腫れが主な症状としてあげられます。

まれですが、血小板減少性紫斑病や脳炎などの重い合併症を引き起こすこともあります(※1)。

定期/任意接種・費用

MRワクチンは、予防接種法に基づく「定期接種」に分類されています。

定期接種のワクチンは、接種費用を公費で負担しているため、無料で接種できます。

定期接種として無料で受けられる期間内に接種を済ませましょう。

接種時期・回数

MRワクチンは合計で2回接種する必要があります。
MRワクチン スケジュール

標準接種スケジュール(全2回)

1回目 1歳〜2歳未満
2回目 6歳になる年度(4/1〜翌年3/31)

接種スケジュールは上記の通りです(※2)。

定期接種とされている期間は、1回目の接種は1歳から満2歳未満ですが、日本小児科学会は「1歳になったらなるべく早めに接種すること」を推奨しています。

2回目の接種期間は、小学校入学前の1年間(6歳になる年度の4/1〜翌年3/31)を推奨しています(※1)。

同時に接種できるワクチン一覧

MRワクチンは、1回目に関しては他のワクチンと同時に接種することができます。

1回目 小児用肺炎球菌ワクチン(4回目)
五種混合ワクチン(4回目)
水痘ワクチン(1回目)
おたふくかぜワクチン(1回目)

同時接種によって、病院に行く回数が減りスケジュール管理がしやすくなって接種し忘れを防ぐことができます。ぜひ活用してくださいね。

副反応・注意点

副反応

MRワクチンの副反応としては、以下のようなものが挙げられます(※1)。

  • 接種後5〜10日後に発熱(約20%の割合)

  • 接種箇所の赤み、腫れ

  • ショック、アナフィラキシー(どちらも0.1%未満の割合)など

病院から届けられた重篤な副反応の疑い例は、10万接種あたり1件と非常に少ないですが、もし接種後に気になる症状があらわれた場合、念のため接種をした医療機関に連絡して相談しましょう。

注意点

ワクチン接種の際には、以下の点に注意してください(※1)。

  • 接種日に、37.5℃以上の「明らかな発熱」などがある場合、ワクチンを接種することはできません。

  • これまでの予防接種で、接種後2日以内に発熱や全身性発疹などのアレルギーを疑う症状を認めた人、過去にけいれんの既往がある人は、接種前にかかりつけ医によく相談してくださいね。

その他にわからないことがあれば、かかりつけ医に相談すると安心です。

受け忘れたときは

予防接種を定期接種の期間中に受け忘れてしまったという場合でも、抗体を得るためワクチンを接種することが必要です。

日本小児科学会は、2歳以上で麻疹・風疹にかかっていない全ての子どもに接種を推奨しています(※2)。

詳しい接種時期については、かかりつけの病院に確認してみてくださいね。

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