B型肝炎ワクチンの基本情報について、以下にまとめました。気になる項目がある方は目次のリンクから見てみてくださいね。
B型肝炎ワクチン・基本情報まとめ
予防できる病気 | B型肝炎 |
定期接種/任意接種 | 定期接種 |
接種費用 | 無料 |
接種時期・回数 | 生後2ヶ月〜1歳までの間に3回 |
同時接種可能な ワクチン |
ロタウイルス、ヒブワクチンなど |
副反応 | 5%以下の割合で発熱、腫れなど |
生/不活化ワクチン | 不活化ワクチン |
予防できる病気
B型肝炎ワクチンを接種することで、B型肝炎という病気を予防することができます。
B型肝炎とは、B型肝炎ウイルスに感染することで起きる肝臓の病気のこと。
感染している状態が長引くと、慢性肝炎となり肝硬変や肝臓ガンなど、命に関わる病気を引き起こしてしまうこともあります。
ワクチン接種により、95%の人が抗体を得ることができるとされており、ワクチンを3回接種した場合、感染予防の効果は20年以上続くと考えられています(※1)。
定期/任意接種・費用
B型肝炎ワクチンは、予防接種法に基づく「定期接種」に分類されています。
定期接種のワクチンは、接種費用を公費で負担しているため、無料で接種できます。
無料で受けられる(定期接種の対象になる)期間は限られているため、その期間内に接種を済ませましょう。
接種時期・回数
B型肝炎ワクチンは合計で3回接種する必要があります。
標準接種スケジュール(全3回)
1回目 | 生後2ヶ月 |
2回目 | 初回から4週間あけて |
3回目 | 2回目から16〜20週間あけて |
標準的なスケジュールは上記の通りです。
日本小児科学会では、1回目は生後2ヶ月、2回目は生後3ヶ月、3回目は生後7〜8ヶ月ごろに接種することを推奨しています。
2回目の接種は1回目から4週間以上、3回目の接種は2回目から16〜20週間の間隔を空けて接種するようにしてください。
ただしママがB型肝炎ウイルスに感染している場合、1回目のワクチン接種は出生直後(できれば生後12時間以内)、2回目は生後1ヶ月、3回目は生後6ヶ月になります(※2)。この時には、グロブリンも同時に接種をします。
ママがB型肝炎に感染している場合のスケジュール(全3回)
1回目 | 出生直後 |
2回目 | 初回から4週間後 |
3回目 | 初回から6ヶ月後 |
「定期接種」として無料で接種できる期間は、子どもが満1歳になるまでの期間です。その期間中に3回の接種を終わらせるようにしましょう。
同時に接種できるワクチン一覧
以下の表のようにB型肝炎ワクチンは、1回目、2回目は他のワクチンと同時に接種することができます。
なお、3回目は単独での接種になります。
1回目 | ロタウイルス(1価・5価)(1回目) |
ヒブワクチン (1回目) | |
小児用肺炎球菌ワクチン(1回目) |
2回目 | ロタウイルス(1価・5価)(2回目) |
ヒブワクチン (2回目) | |
小児用肺炎球菌ワクチン(2回目) | |
四種混合ワクチン(1回目) |
同時接種によって、病院に行く回数が減りスケジュール管理がしやすくなったり、接種し忘れを防ぐことができたりします。ぜひ活用しましょう。
副反応
B型肝炎ワクチンは、多くの国で接種されており、安全性の高いワクチンであることが確認されています。
まれに副反応として赤ちゃんの体に以下のような変化が現れることがあります(※1)。
- 接種箇所が赤くなったり、腫れたり、しこりができたり、痛みを感じたりする。
- 発熱したり、刺激に反応しやすくなったりする。
- 機嫌が悪くなったり、ぐずったり、眠そうにしたりする。
- じんましんが出たり、呼吸が苦しくなったりする
- 吐いたり、意識がはっきりしなかったり、手足を動かしにくくなったりする。
これらの副反応が出る割合は5%以下と低く、ほとんどの症状は回復します。
ですが、なかには重いものもあります。接種後の赤ちゃんの様子がおかしい場合、すぐに接種をした病院に連絡して相談しましょう。
受け忘れたときは
予防接種を受け忘れてしまった、回数が足りていないという場合でも、抗体を得るため規定の回数を接種することが必要です。
B型肝炎ワクチンは、1歳を超えてしまってもワクチンを接種することができます(任意接種の扱いとなり、費用が発生します)。子どもの健康のために重要なワクチンです。必ず接種するようにしてください。
受け忘れた場合のスケジュール(全3回)
2回目 | 初回から4週間あけて |
3回目 | 2回目から16〜20週間あけて |
残りの回数やお住まいの地域などによって、接種時期や費用が異なるため、詳しくはかかりつけの病院でご相談ください。