B型肝炎ワクチンの基礎知識!効果や副反応などまとめ

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギ... 監修記事一覧へ

B型肝炎ワクチンの基本情報について、以下にまとめました。気になる項目がある方は目次のリンクから見てみてくださいね。

B型肝炎ワクチン・基本情報まとめ

予防できる病気 B型肝炎
定期接種/任意接種 定期接種
接種費用 無料
接種時期・回数 生後2ヶ月〜1歳までの間に3回
同時接種可能な
ワクチン
ロタウイルス、五種混合、肺炎球菌など
副反応 5%以下の割合で発熱、腫れなど
生/不活化ワクチン 不活化ワクチン

予防できる病気

B型肝炎ワクチンを接種することで、B型肝炎ウイルスに感染することで起きる肝臓の病気を予防できます。

血液などの体液を介して感染するため、ママが感染している場合は分娩時に赤ちゃんへ感染させてしまうリスクがあります。

感染後に治療せずにいると、慢性肝炎やキャリアとなり、肝硬変や肝臓ガンなど、命に関わる病気を引き起こしてしまうこともあります。

また、1〜6ヶ月の潜伏期間を経て発症する急性肝炎になった場合は、まれに重症化して劇症肝炎となり、命に関わることがあります。

ワクチン接種により、95%の人が抗体を得ることができるとされており、ワクチンを3回接種した場合、感染予防の効果は20年以上続くと考えられています(※1)。

定期/任意接種・費用

B型肝炎ワクチンは、予防接種法に基づく「定期接種」に分類されています。

定期接種のワクチンは、接種費用を公費で負担しているため、無料で接種できます。

定期接種の対象になる期間内に接種を済ませましょう。

接種時期・回数

B型肝炎ワクチン スケジュール

B型肝炎ワクチンは合計で3回接種する必要があります(※2)。

標準接種スケジュール(全3回)

1回目 生後2ヶ月
2回目 初回から4週間以上あけて
3回目 2回目から16〜20週間あけて

標準的なスケジュールは上記の通りです。

日本小児科学会では、1回目は生後2ヶ月、2回目は生後3ヶ月、3回目は生後7〜8ヶ月ごろに接種することを推奨しています。

2回目の接種は1回目から4週間以上、3回目の接種は2回目から16週間以上の間隔を空けて接種するようにしてください。

「定期接種」として無料で接種できる期間は、子どもが1歳になるまでの期間です。その期間中に3回の接種を終わらせるようにしましょう。

ただし、ママがB型肝炎に感染している場合には別のスケジュールとなります。

ママがB型肝炎に感染している場合のスケジュール(全3回)

1回目 出生直後
2回目 初回から1ヶ月後
3回目 初回から6ヶ月後

ママがB型肝炎ウイルスに感染している場合は、健康保険での接種となります。

1回目のワクチン接種は出生直後、2回目は1回目の初回から1ヶ月後、3回目は2回目から5ヶ月後になります(※2)。

生後9〜12ヶ月で抗体などができているか、B型肝炎に感染していないかを確認する検査があります。

同時に接種できるワクチン一覧

以下の表のようにB型肝炎ワクチンは、1回目、2回目は他のワクチンと同時に接種することができます。

なお、3回目は単独での接種になります。

1回目 ロタウイルス(1価・5価)(1回目)
小児用肺炎球菌ワクチン(1回目)
五種混合ワクチン(1回目)
2回目 ロタウイルス(1価・5価)(2回目)
小児用肺炎球菌ワクチン(2回目)
五種混合ワクチン(2回目)

初回を五種混合ワクチンではなく、四種混合ワクチンとヒブワクチンで接種した人も同じタイミングで同時接種ができます。

同時接種によって、病院に行く回数が減りスケジュール管理がしやすくなったり、接種し忘れを防ぐことができたりします。ぜひ活用しましょう。

副反応

B型肝炎ワクチンは、多くの国で接種されており、安全性の高いワクチンであることが確認されています。

まれに副反応として赤ちゃんの体に以下のような変化が現れることがあります(※1)。

  • 接種箇所が赤くなったり、腫れたり、しこりができたり、痛みを感じたりする。
  • 発熱したり、刺激に反応しやすくなったりする。
  • 機嫌が悪くなったり、ぐずったり、眠そうにしたりする。
  • じんましんが出たり、呼吸が苦しくなったりする
  • 吐いたり、意識がはっきりしなかったり、手足を動かしにくくなったりする。

これらの副反応が出る割合は5%以下と低く、ほとんどの症状は回復します。

病院から届けられた重篤な副反応の疑い例は、10万接種あたり1件と非常に少ないですが、もし接種後の赤ちゃんの様子がおかしい場合、すぐに接種をした病院に連絡して相談しましょう。

受け忘れたときは

予防接種を受け忘れてしまった、回数が足りていないという場合でも、抗体を得るため規定の回数を接種することが必要です。

B型肝炎ワクチンは、1歳を超えてしまってもワクチンを接種することができます。この場合、任意接種の扱いとなって費用が発生しますが、子どもの健康のために重要なワクチンです。受け忘れたときでも必ず接種するようにしてください。

受け忘れた場合のスケジュール(全3回)

2回目 初回から4週間あけて
3回目 2回目から16〜20週間あけて

残りの回数によって接種時期、医療機関によって費用が異なるため、詳しくはかかりつけの病院にご相談ください。

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