おたふくかぜワクチンの基礎知識!効果や副反応などまとめ

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギ... 監修記事一覧へ

おたふくかぜワクチンの基本情報について、以下にまとめました。気になる項目がある方は目次のリンクから見てみてくださいね。

おたふくかぜワクチン・基本情報まとめ

予防できる病気 おたふくかぜ
定期接種/任意接種 任意接種
接種費用 自己負担
接種時期・回数 1回目:1歳になったら早めに1回
2回目:小学校入学前の1年間のうちに1回
同時接種可能な
ワクチン
小児用肺炎球菌、五種混合、MR、水痘
副反応 微熱、耳の下や頬の後ろ、あごの下の腫れなど
生/不活化ワクチン 生ワクチン

予防できる病気

おたふくかぜワクチンを接種することで、おたふくかぜ(流行性耳下腺炎/ムンプス)という病気を予防することができます。

日本ではおたふくかぜワクチンは定期接種に指定されていませんが、2回定期接種している国ではおたふくかぜの発症者数は99%減少しています(※1)。

おたふくかぜの主な症状は、唾液腺(特に耳の前から下辺りにある耳下腺)の腫れや痛み、発熱です(※1)。

発熱は数日続き、腫れのピークは1〜3日ほどで、1週間程度で回復します。

合併症として、10〜100人に1人の割合で髄膜炎という病気を発症することがあります。稀に脳炎や脳症を引き起こすと後遺症を残すことや命に関わることもあります。

聴力障害を残すこともある難聴や膵炎、卵巣炎、精巣炎、膵炎などの合併症を引き起こすことがあるため、注意が必要な病気です。

定期/任意接種・費用

おたふくかぜワクチンは、予防接種法で規定されていない「任意接種」扱いとなります。定期接種と異なり、費用は原則自己負担となります。

自治体によって費用を補助してくれる場合もあるので、お住まいの自治体に確認してみてくださいね。

接種時期・回数

おたふくかぜワクチン スケジュール

接種スケジュール(全2回)

1回目 1歳になったら早めに
2回目 小学校入学前の1年間

日本小児科学会が推奨する接種スケジュールは上記の通りです(※2)。

1回の接種だけでは予防効果が十分ではないため、忘れずに2回接種をするようにしてください(※1)。

同時に接種できるワクチン一覧

おたふくかぜワクチンは、1回目に関しては他のワクチンと同時に接種することができます(※2)。

1回目 小児用肺炎球菌ワクチン(4回目)
五種混合ワクチン(4回目)
水痘ワクチン(1回目)
MRワクチン(1回目)

初回を五種混合ワクチンではなく、四種混合ワクチンとヒブワクチンで接種した人も同じタイミングで同時接種ができます。

同時接種によって、病院に行く回数が減りスケジュール管理がしやすくなったり、接種し忘れを防ぐことができたりします。ぜひ活用しましょう。

副反応・注意点

副反応

おたふくかぜワクチンの副反応としては、以下のようなものが挙げられます(※1)。

  • 接種後10〜14日後に微熱、耳の下や頬の後ろ、あごの下などの腫れ

  • 接種後3週間前後に、無菌性髄膜炎(40,000接種あたり1人程度の割合)

  • アナフィラキシー、難聴など

病院から届けられた重篤な副反応の疑い例は、10万接種あたり1件と非常に少ないですが、もし接種後に気になる症状があらわれた場合、念のため接種をした病院に相談してくださいね。

注意点

ワクチン接種の際には、以下の点に注意してください(※1)。

  • 接種日に、37.5℃以上の「明らかな発熱」などがある場合、ワクチンを接種することはできません。

  • これまでの予防接種で、接種後2日以内に発熱や全身性発疹などのアレルギーを疑う症状を認めた人、過去にけいれんの既往がある人は、接種前にかかりつけ医によく相談してください。

その他にわからないことがあれば、かかりつけ医に相談すると安心です。

受け忘れたときは

このワクチンは任意接種のため、推奨期間を過ぎてしまってもワクチンを接種することが可能です。

詳しい接種時期については、かかりつけの病院に確認してみてくださいね。

こそだてハックに「いいね!」して情報を受け取ろう