百日咳はワクチンで抗体をつくれる?予防接種はいつ受けるべき?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギ... 監修記事一覧へ

つらい咳が長く続くことで知られている「百日咳(ひゃくにちぜき)」。予防できるワクチンが存在しますが、いつ受ければいいのか、どれくらい効果があるのか気になりますよね。

そこで今回は、百日咳のワクチンで抗体はできるのか、予防接種はいつから受けられるのかなどをご紹介します。

百日咳ってどんな病気?

赤ちゃん 泣き顔

百日咳とは、百日咳菌に感染して発症します。非常に強い感染力を持ち、咳やくしゃみで菌が拡散されることで感染が広がります。

生後6ヶ月未満の赤ちゃんが感染すると、肺炎や脳症などの深刻な合併症を起こしやすいです。

百日咳は、7~10日ほどの潜伏期間を経て、「カタル期」「痙咳(けいがい)期」「回復期」と進行します(※1)。典型的な症状としてそれぞれ、以下のようなものがあります。

カタル期(約2週間)

● 風邪のような症状(鼻水など)が出る
● 次第に咳がひどくなっていく

痙咳期(約2〜3週間)

● 短い咳が連続して起こり、顔が赤くなる
● 咳のあとに息を吸うと「ヒュー」という笛のような音がでる
● ときどき嘔吐を伴う
● 発熱はあっても微熱程度

回復期(約2〜3週間)

● たまに咳き込むが、咳き込みの回数は減ってくる
● 2〜3ヶ月で完全に回復する

百日咳のワクチンで抗体は作れる?

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日本における百日咳の予防接種には、百日咳・ジフテリア・破傷風・ポリオ・ヒブという5種類の病気に対応した、「五種混合ワクチン」が使われます。

ワクチンを接種することで、百日咳に感染するリスクを80~85%ほど減らすことができます(※1)。

予防接種を受けても完全に防ぐことはできませんが、発症しても症状が軽くて済む傾向があります。

ただし、百日咳のワクチンでできた免疫は時間とともに少なくなっていきます。そのため、日本小児科学会は小学校入学前の1年間(5歳以上7歳未満)で、任意接種として追加でワクチンを打つことを推奨しています(※2)。

自治体によっては補助が受けられることもあるので、確認してみてくださいね。

百日咳の予防接種はいつから受けられる?

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百日咳の予防接種は、生後2ヶ月から受けることができます。

百日咳のワクチンを含む五種混合ワクチンの予防接種は、生後2ヶ月~7歳6ヶ月までの期間で、合計4回受ける必要があります(※2)。

日本小児科学会では、生後2ヶ月~1歳の間に、それぞれ3~8週間(20~56日)の間隔をあけて、3回ワクチン接種を行うことを推奨しています。

そして4回目は、3回目の接種から最低6ヶ月以上の間隔をあけ、生後12~18ヶ月の間に行います(※2)。

百日咳ワクチンの予防接種を受けるのが遅れてしまったら?

予防接種 注射 ワクチン

急な発熱や病気により、当初の予定通りに受けられなくなってしまうことがあるかもしれません。

もし2回目以降のワクチン接種が標準の56日を超えてしまった場合でも、接種自体は受けられます。その際、それ以降の接種はスケジュール通りに受けるように心がけてくださいね。

途中でスケジュールどおりに受けられなかった場合でも、原則として最初から接種し直すことはせず、トータルの回数が合うように接種します。

百日咳ワクチンの予防接種を忘れずに受けよう

百日咳ワクチンの予防接種は、生後2ヶ月から接種することができます。乳幼児がかかると重症化してしまうこともあるため、忘れずに接種するようにしてくださいね。

子どもたちの体を守るためにも、小学校入学前には任意接種でワクチンを受けることも検討しましょう。

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