「ポリオワクチン」は生後2ヶ月の赤ちゃんから受けられる予防接種の一つで、「五種混合ワクチン」もしくは「四種混合ワクチン」に含まれています。ポリオという感染症を防ぐワクチンですが、どんな病気なのかあまり知らないのではないでしょうか。
そこで今回は、ポリオとはどんな病気か、防ぐためのポリオワクチンの接種時期、費用、副反応などについてご説明します。
ポリオってどんな病気なの?
ポリオとは、ポリオウイルスが経口感染で人から人へ感染し、腸内で増殖することで発症する感染症です。
90〜95%は感染しても症状が現れませんが、感染した0.1〜2%の人は、腸管に入ったウイルスが脊髄の一部に入り込み、手や足などに麻痺があらわれ、その麻痺が一生残ってしまうことがあります(※1)。
特に乳幼児に感染して症状が見られることが多かったため、「小児麻痺」という名前でも知られています。
ポリオワクチンの予防接種は必要なの?
日本国内ではワクチンの定期接種によってポリオは根絶されています。しかし、世界では未だにポリオの感染が見られる地域があります(※2)。
感染しても症状が見られないことが多いため、気づかないうちに海外での滞在時や海外からの渡航者から、ウイルスに感染してしまうおそれがあります。
人から人に感染することを考えると、自分だけでなく子どもたちのためにも、予防接種を受けておくことが大切です。
ポリオワクチンの接種時期や間隔は?費用はかかる?
ポリオは定期接種である五種混合ワクチン(百日咳・ジフテリア・破傷風・ポリオ・ヒブ)もしくは四種混合ワクチン(百日咳・ジフテリア・破傷風・ポリオ)を接種することで予防できます。
ワクチンは生後2ヶ月~90ヶ月(7歳6ヶ月)までの時期に、合計4回接種する必要があります(※3)。初回では20~56日の間隔をあけて3回接種し、3回目の接種後から6ヶ月以上間隔をあけて追加分の4回目を接種すれば終了です。
定期接種の期間内である7歳6ヶ月までに接種を済ませれば、公費負担となるため費用はかかりません。
また、日本小児科学会は、ポリオの抗体価が低下する小学校入学前の1年間(5歳以上7歳未満)に任意で追加接種することを推奨しています(※4)。
自治体によっては補助が出ることもあるので、接種する前に確認してみてくださいね。
ポリオワクチンで副反応は現れる?
現在使われているポリオワクチンは「不活化ワクチン」と呼ばれ、ポリオウイルスから病原性をなくし、免疫に関係する成分だけ抜き出して作られています。
そのため、ポリオ感染での症状が出る小児麻痺のような副反応はありません(※5)。
他のワクチンに見られるような接種部位の発赤、腫れ、痛み、軽い発熱などが見られることはありますが、アナフィラキシーやショックのような重い副反応は極めて稀です。
忘れずにポリオの予防接種を受けよう
ポリオが含まれたワクチンは、接種回数が多いのでスケジュール管理が大変です。医師や地域の保健センターに相談したり、アプリを活用したりしてみるのがおすすめですよ。
自分の赤ちゃんの体を守るためだけではなく、周りの人や今後生まれてくる赤ちゃんのためにも、忘れずにポリオの予防接種を受けるようにしてくださいね。