ヒブワクチンの基本情報について、以下にまとめました。気になる項目がある方は目次のリンクから見てみてくださいね。
ヒブワクチン・基本情報まとめ
予防できる病気 | ヒブ感染症 |
定期接種/任意接種 | 定期接種 |
接種費用 | 無料 |
接種時期・回数 | 生後2ヶ月〜5歳未満(5歳の誕生日前日)の間に4回 |
同時接種可能な ワクチン |
B型肝炎ワクチン、ロタウイルスワクチン、肺炎球菌、四種混合、BCG、MRワクチン、水痘ワクチン |
副反応 | 接種箇所の赤み、腫れ、発熱 |
生/不活化ワクチン | 不活化ワクチン |
予防できる病気
ヒブワクチンを接種することで、ヒブ感染症という病気を予防することができます。
ヒブ感染症とは、インフルエンザ菌b型に感染することで起きる病気のこと。
発熱や嘔吐などを引き起こす細菌性髄膜炎や敗血症、喉の入り口が腫れて塞がってしまう急性喉頭蓋炎など、重い病気を引き起こして、難聴などの後遺症を残すことや、場合によっては命に関わることもあります(※1)。
ワクチン接種により、重症化をほぼ100%予防することができます。2014年以降、重症例が一例も報告されていないことからも、ワクチン接種の重要性がわかります(※1)。
ヒブ感染症を引き起こす「インフルエンザ菌b型」は、インフルエンザを引き起こす「インフルエンザウイルス」とは全く異なるものです。混同しないよう気をつけましょう。
定期/任意接種・費用
ヒブワクチンは、予防接種法に基づく「定期接種」に分類されています。
定期接種のワクチンは、接種費用を公費で負担しているため、無料で接種できます。
ただし無料で受けられる(定期接種の対象になる)期間は限られているので、注意が必要です。
接種時期・回数
ヒブワクチンは合計で4回接種する必要があります。
標準接種スケジュール(全4回)
1回目 | 生後2ヶ月〜7ヶ月未満 |
2回目 | 初回から4〜8週間あけて |
3回目 | 2回目から4〜8週間あけて |
4回目 | 3回目からおおむね1年後 |
標準的なスケジュールは上記の通りです(※3)。
日本小児科学会は生後2ヶ月を迎えたらすぐに1回目、生後3ヶ月で2回目、生後4ヶ月で3回目、1歳を迎えたらすぐに4回目を接種することを推奨しています。(※1)
1〜2回目、2〜3回目の接種は、それぞれ4週間以上、3〜4回目の接種は7〜13ヶ月の間隔を空けて接種するようにしてください。
「定期接種」として無料で接種できる期間は、子どもが5歳になるまでの期間です。その期間中に接種を終わらせるようにしましょう。
なお、定期接種の対象年齢・期間に病気などでヒブワクチンを受けられなかった場合は、上記のスケジュールとは異なります(後述)。
同時に接種できるワクチン一覧
ヒブワクチンは、全4回とも他のワクチンと同時に接種することができます。
1回目 | B型肝炎ワクチン(1回目) |
ロタウイルス(1価・5価)(1回目) | |
小児用肺炎球菌ワクチン(1回目) | |
四種混合ワクチン(1回目) |
2回目 | B型肝炎ワクチン (2回目) |
ロタウイルス(1価・5価)(2回目) | |
小児用肺炎球菌ワクチン(2回目) | |
四種混合ワクチン(2回目) |
3回目 | ロタウイルス(5価)(3回目) |
小児用肺炎球菌ワクチン(3回目) | |
四種混合ワクチン(3回目) |
4回目 | 小児用肺炎球菌ワクチン(4回目) |
四種混合ワクチン(4回目) | |
MRワクチン(1回目) | |
水痘ワクチン(1回目) | |
おたふくかぜワクチン(1回目) |
同時接種によって、医療機関に行く回数が減りスケジュール管理がしやすくなったり、接種し忘れを防ぐことができたりします。ぜひ活用しましょう。
副反応・注意点
副反応
ヒブワクチンは、30年以上にわたり世界中で使用されており、安全性の高いワクチンとして知られています。
まれに副反応として赤ちゃんの体に以下のような変化が現れることがあります(※2)。
- 接種箇所が赤くなったり、腫れたり、痛んだりする
- 発熱があらわれる
これらの副反応の症状は一時的なもので、24時間以内に消失するものがほとんどです。
医療機関から届けられた重篤な副反応の疑い例は、10万接種あたり1件と非常に少ないですが、もし気になる症状がある場合、念のため接種をした医療機関に連絡して相談しましょう。
注意点
ワクチン接種の際には、以下の点に注意してください(※1)。
- 接種日に「明らかな発熱」などがある場合、ワクチンを接種することはできません。
- これまでの予防接種で、接種後2日以内に発熱や全身性発疹などのアレルギーを疑う症状を認めた人、過去にけいれんなどの既往がある人は、接種前にかかりつけ医によく相談してくださいね。
その他、わからないことがあれば、かかりつけ医に相談すると安心です。
受け忘れたときは
予防接種を受け忘れてしまったという場合でも、抗体を得るためワクチンを接種することが必要です。
接種回数や時期は、初回接種の時期によって異なります(※1)。下の表も参考に、詳しくはかかりつけの医療機関でご確認ください。
生後7ヶ月〜1歳未満で初回接種をする場合(全3回)
1回目 | 生後7ヶ月〜1歳未満 |
2回目 | 初回から4週間〜8週間あけて |
3回目 | 2回目からおおむね1年後 |
1歳〜5歳未満で初回接種をする場合(全1回)
1回目 | 1歳〜5歳未満(5歳の誕生日前日) |