ヒブワクチンの基礎知識!効果や副反応などまとめ

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギ... 監修記事一覧へ

ヒブワクチンの基本情報について、以下にまとめました。気になる項目がある方は目次のリンクから見てみてくださいね。

ヒブワクチン・基本情報まとめ

予防できる病気 ヒブ感染症
定期接種/任意接種 定期接種
接種費用 無料
接種時期・回数 生後2ヶ月〜5歳未満(5歳の誕生日前日)の間に4回
同時接種可能な
ワクチン
B型肝炎ワクチン、ロタウイルスワクチン、肺炎球菌、四種混合、BCG、MRワクチン、水痘ワクチン
副反応 接種箇所の赤み、腫れ、発熱
生/不活化ワクチン 不活化ワクチン

予防できる病気

ヒブワクチンを接種することで、インフルエンザ菌b型によって引き起こされる「ヒブ感染症」を予防することができます。

ヒブ感染症にかかると、発熱や嘔吐などを引き起こす細菌性髄膜炎や敗血症、喉の入り口が腫れて塞がってしまう急性喉頭蓋炎など、重い病気を引き起こして、難聴などの後遺症を残すことや、場合によっては命に関わることもあります(※1)。

ワクチンを接種することで、重症化をほぼ100%予防することができます(※1)。

ヒブ感染症を引き起こす「インフルエンザ菌b型」は、インフルエンザを引き起こす「インフルエンザウイルス」とは全く異なるものです。混同しないよう気をつけましょう。

定期/任意接種・費用

ヒブワクチンは、2024年からは五種混合ワクチンに含まれるようになりました。

ただし、初回を四種混合ワクチン+ヒブワクチンで打った赤ちゃんは、今後の定期接種も原則として五種混合ワクチンではなく、四種混合ワクチン+ヒブワクチンで接種する必要があります。

また、しばらくの間は、ワクチンの流通の関係で四種混合ワクチン+ヒブワクチンで接種する可能性があります。

ヒブワクチンは、予防接種法に基づく「定期接種」に分類されていて、無料で接種できます。

ただし、定期接種として受けられる期間は限られているので、忘れないように接種してくださいね。

接種時期・回数

ヒブワクチンは合計で4回接種する必要があります。
ヒブワクチン スケジュール

標準接種スケジュール(全4回)

1回目 生後2ヶ月〜7ヶ月未満
2回目 初回から4〜8週間あけて
3回目 2回目から4〜8週間あけて
4回目 3回目からおおむね1年後

標準的なスケジュールは上記の通りです(※2)。

日本小児科学会は生後2ヶ月を迎えたらすぐに1回目、生後3ヶ月で2回目、生後4ヶ月で3回目、1歳を迎えたらすぐに4回目を接種することを推奨しています。(※1)

1〜2回目、2〜3回目の接種は、それぞれ4週間以上、3〜4回目の接種は7〜13ヶ月の間隔を空けて接種するようにしてください。

「定期接種」として無料で接種できる期間は、子どもが5歳になるまでの期間です。その期間中に接種を終わらせるようにしましょう。

なお、定期接種の対象年齢・期間に病気などでヒブワクチンを受けられなかった場合は、上記のスケジュールとは異なります(後述)。

同時に接種できるワクチン一覧

ヒブワクチンは、全4回とも他のワクチンと同時に接種することができます。

1回目 B型肝炎ワクチン(1回目)
ロタウイルス(1価・5価)(1回目)
小児用肺炎球菌ワクチン(1回目)
四種混合ワクチン(1回目)
2回目 B型肝炎ワクチン (2回目)
ロタウイルス(1価・5価)(2回目)
小児用肺炎球菌ワクチン(2回目)
四種混合ワクチン(2回目)
3回目 ロタウイルス(5価)(3回目)
小児用肺炎球菌ワクチン(3回目)
四種混合ワクチン(3回目)
4回目 小児用肺炎球菌ワクチン(4回目)
四種混合ワクチン(4回目)
MRワクチン(1回目)
水痘ワクチン(1回目)
おたふくかぜワクチン(1回目)

同時接種によって、病院に行く回数が減りスケジュール管理がしやすくなって、接種し忘れを防ぐことができます。ぜひ活用してくださいね。

副反応・注意点

副反応

ヒブワクチンは、30年以上にわたり世界中で使用されており、安全性の高いワクチンとして知られています。

まれに副反応として赤ちゃんの体に以下のような変化が現れることがあります(※2)。

  • 接種箇所が赤くなったり、腫れたり、痛んだりする

  • 発熱・不機嫌があらわれる

これらの副反応の症状は一時的なもので、24時間以内に消失するものがほとんどです。

病院から届けられた重篤な副反応の疑い例は、10万接種あたり1件と非常に少ないですが、もし気になる症状がある場合、念のため接種をした病院に連絡して相談してくださいね。

注意点

ワクチン接種の際には、以下の点に注意してください(※1)。

  • 接種日に「明らかな発熱」などがある場合、ワクチンを接種することはできません。

  • これまでの予防接種で、接種後2日以内に発熱や全身性発疹などのアレルギーを疑う症状を認めた人、過去にけいれんなどの既往がある人は、接種前にかかりつけ医によく相談してくださいね。

その他、わからないことがあれば、かかりつけ医に相談すると安心です。

受け忘れたときは

予防接種を受け忘れてしまったという場合でも、抗体を得るためワクチンを接種することが必要です。

接種回数や時期は、初回接種の時期によって異なります(※1)。下の表も参考に、詳しくはかかりつけの病院でご確認ください。

生後7ヶ月〜1歳未満で初回接種をする場合(全3回)

1回目 生後7ヶ月〜1歳未満
2回目 初回から4週間〜8週間あけて
3回目 2回目からおおむね1年後

1歳〜5歳未満で初回接種をする場合(全1回)

1回目 1歳〜5歳未満(5歳の誕生日前日)

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