四種混合ワクチンの基礎知識!効果や副反応などまとめ

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギ... 監修記事一覧へ

四種混合ワクチンの基本情報について、以下にまとめました。気になる項目がある方は目次のリンクから見てみてくださいね。

四種混合ワクチン・基本情報まとめ

予防できる病気 ジフテリア・破傷風・百日咳・ポリオ
定期接種/任意接種 定期接種
接種費用 無料
接種時期・回数 生後2ヶ月〜7歳6ヶ月未満のうちに4回
同時接種可能な
主なワクチン
B型肝炎、ヒブ、ロタウイルス 、小児用肺炎球菌、MR、水痘、おたふくかぜ、日本脳炎、インフルエンザ
副反応 接種箇所の腫れや痛み、発熱
生/不活化ワクチン 不活化ワクチン

予防できる病気

四種混合ワクチンを接種することで、ジフテリア・破傷風・百日咳・ポリオの4種類の病気を予防することができます。

ジフテリア

ジフテリア菌によって引き起こされる病気です。喉の奥に厚い膜ができ、発熱がおきたり、呼吸がしにくくなったりします。

最悪の場合、命を落とすこともある病気ですが、ワクチンの効果で1999年を最後に国内では報告されていません(※1)。

破傷風

破傷風菌によって引き起こされる病気です。全身の筋肉がこわばって体全体が痛み、「あごが動かない」「口を開けられない」「飲み込めない」といった症状が出て命に関わることもあります。

ワクチンを接種することでしか免疫ができない病気であるため、ワクチンの接種は非常に重要です(※1)。

百日咳

百日咳菌に感染して起こる病気です。突然激しく咳き込み、そのあと「ヒュー」という笛を吹くような音がして、顔が赤くなるほどの咳が出るのが特徴です。

生後3ヶ月未満の場合、息ができなくなり、無呼吸発作・肺炎・脳炎など命に関わることも。ワクチンで免疫ができますが、時間が経つと免疫が減ってくることがわかっています(※1)。

ポリオ

ポリオウイルスが引き起こす病気です。かつては「小児まひ」とも呼ばれ、国内でも大きな流行がありました。

以前は経口ワクチンでしたが、ワクチンによるポリオ発症があったため、皮下注射に変更となりました。

ワクチンの普及により、国内のポリオは根絶したとされていますが、海外からウイルスが持ち込まれる可能性があるため、ワクチン接種で免疫を維持する必要があります(※1)。

定期/任意接種・費用

四種混合ワクチンは、予防接種法に基づく「定期接種」に分類されています。

定期接種のワクチンは、接種費用を公費で負担しているため、無料で接種できます。

無料で受けられる(定期接種の対象になる)期間は限られているため、その期間内に接種を済ませましょう。

接種時期・回数

四種混合ワクチンは合計で4回接種する必要があります。
四種混合ワクチン スケジュール

標準接種スケジュール(全4回)

1回目 生後2ヶ月
2回目 初回から3〜8週間あけて
3回目 2回目から3〜8週間あけて
4回目 3回目から12〜18ヶ月の間

接種スケジュールは上記の通りです(※2)。

4回目の接種時期については、3回目の接種日から最低でも6ヶ月以上あけることとなっていて、日本小児科学会では、3回目の約1年後を推奨しています(※1)。詳しい時期については、医師と相談して決めるようにしてください。

「定期接種」として無料で接種できる期間は、子どもが7歳6ヶ月を迎えるまでの期間です。その期間中に接種を終わらせるようにしましょう。

同時に接種できるワクチン一覧

四種混合ワクチンは、全4回とも他のワクチンと同時に接種することができます。

1回目 B型肝炎ワクチン(1回目)
ロタウイルス(1価・5価)(1回目)
ヒブワクチン(1回目)
小児用肺炎球菌ワクチン(1回目)
2回目 B型肝炎ワクチン(2回目)
ロタウイルス(1価・5価)(2回目)
ヒブワクチン(2回目)
小児用肺炎球菌ワクチン(2回目)
3回目 ロタウイルス(5価)(3回目)
ヒブワクチン(3回目)
小児用肺炎球菌ワクチン(3回目)

※集団接種の場合、同時接種をすることができない場合もあります。詳しくはお住まいの自治体にお問い合わせください。

4回目 ヒブワクチン(4回目)
小児用肺炎球菌ワクチン(4回目)
MRワクチン(1回目)
水痘ワクチン(1回目)
おたふくかぜワクチン(1回目)

同時接種によって、医療機関に行く回数が減りスケジュール管理がしやすくなったり、接種し忘れを防ぐことができたりします。ぜひ活用しましょう。

副反応・注意点

副反応

四種混合ワクチンの副反応としては、以下のようなものが挙げられます(※1)。

  • 接種した部位の腫れや痛み(10〜30%の割合)

  • 発熱(2〜8%の割合)

  • アナフィラキシー(重いアレルギー反応)(100万人に1人未満の割合)

医療機関から届けられた重篤な副反応の疑い例は、10万接種あたり1件と非常に少ないですが、もし接種後に気になる症状があらわれた場合、念のため接種をした医療機関に連絡して相談しましょう。

注意点

ワクチン接種の際には、以下の点に注意してください(※1)。

  • 接種日に、37.5℃以上の「明らかな発熱」などがある場合、ワクチンを接種することはできません。

  • これまでの予防接種で、接種後2日以内に発熱や全身性発疹などのアレルギーを疑う症状を認めた人、過去にけいれんの既往がある人は、接種前にかかりつけ医によく相談してくださいね。

その他、わからないことがあれば、かかりつけ医に相談すると安心です。

受け忘れたときは

予防接種を受け忘れてしまったという場合でも、抗体を得るためワクチンを接種することが必要です。

接種間隔は標準的な接種期間と同じです。詳しい接種時期については、かかりつけの医療機関でご確認ください。

接種スケジュール(全4回)

2回目 初回から3〜8週間あけて
3回目 2回目から3〜8週間あけて
4回目 3回目から12〜18ヶ月の間

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