妊娠中は安静にすることを心がけるあまり運動不足になってしまいがちです。そんな妊婦さんにおすすめしたい運動が「ウォーキング」。買い物に出かけたり、通勤したりするだけでも、妊婦さんにとっては十分な運動になっています。今回は妊娠中のウォーキングについて、効果や時間、いつから初めていいのか、歩くときの注意点などをご紹介します。
妊婦のウォーキングにはどんな効果がある?
最近ではマタニティウォーキングとも呼ばれることもある妊娠中のウォーキング。体に負担がかからないので、妊娠中の体調管理のための運動としておすすめです。準備するものが少なく、実行しやすいのもポイントです。
妊婦さんがウォーキングを行うと、次のような効果が期待できます。
体重管理ができる
つわりが終わると食欲が増し、体重が増えやすくなりますが、ウォーキングで適度に体を動かすと、体重の増加を抑えることができます。これによって、糖尿病の発症予防や血圧のコントロールもできます(※1)。
体の不調が軽くなる
ウォーキングをすると、腰痛や頭痛、むくみなどの妊娠中に起きやすい体の不調が軽くなることが期待できます(※1)。
安産になりやすい
ウォーキングをしている妊婦さんは分娩時間が短くなったり、お腹の赤ちゃんが大きくなりすぎない傾向にあるため、安産になりやすいといわれています(※1)。
気分転換でストレス発散
妊婦さんがウォーキングを行うことで特に期待できる効果が、ストレスの発散です(※1)。
行動範囲が限られてくる妊娠中は、家の中にいるだけでは息がつまってしまいますよね。ウォーキング中にどんどん変わっていく景色を眺めたり、道行く人と会って会話をしたりすると、気分ががらっと変わるかもしれませんよ。
妊婦はウォーキングをいつからはじめていいの?
安定期である妊娠16週に入ってからウォーキングをはじめましょう(※1)。この時期は赤ちゃんも子宮の中で安定し、つわりも終わって妊婦さんの体調も安定してきます。念のため、医師や助産師に許可をもらうことを忘れないようにしてください。
なお、切迫流産や切迫早産など、妊娠・出産においてのリスクを医師から指摘されている人は、ウォーキングは控えてくださいね。運動をしても良いかどうか、どれくらいの運動なら良いかを確認しておくと安心です。
妊娠初期のウォーキングは危険?
妊娠初期のウォーキングについては、体調の変化に気をつけて散歩程度の軽いウォーキングであれば、気分転換にもつながるため問題ないとされています。
ただし、妊娠中は体調が変化しやすいので無理は禁物です。特に妊娠初期はつわりで大変な時期なので、体調が悪いときに無理して運動をする必要はありませんよ。また、転倒の危険性などもあるので、歩きすぎるのは控えましょう。
もし妊娠初期にしっかりと運動をしたいときには、産婦人科医に相談してから始めてくださいね。
妊婦のウォーキング効果をアップする歩き方は?
安定期に入ってウォーキングを楽しむには、歩き方が大切です。正しいフォームで歩くことで、効率よく運動することができますよ。
背筋を伸ばしてあごを引き、少し遠くを見つめながら、脇をキュッとしめて腕を大きくふって歩きましょう。足は、「つまさきで蹴り上げ、かかとで着地」をイメージしてください。
正しいフォームとはたったこれだけのことなのですが、実際にやってみると意外に疲れます。
妊婦のウォーキング時間や歩く距離は?
妊娠中は、長時間歩き続けることはおすすめできません。体に負担をかけないように、「5分正しいフォームで歩き、5分休憩する」を繰り返しましょう。歩く前のストレッチも忘れないでくださいね。
歩く時間は60分以内とされていますが、無理をしないように心がけてください。午前10時から午後2時の間は子宮収縮が起こりにくいとされているので、ウォーキングするならこの時間帯がいいでしょう(※1)。
ゆっくりとしたペースで30分歩くと、距離にして1〜2kmくらいになります。急な体調変化の可能性も考えると、できるだけ自宅の近くでウォーキングするのがおすすめです。
妊婦のウォーキングの服装や荷物は?
服装はできるだけ風通しのいいものを選び、気候に合わせて着脱できるカーディガンなども持っておきましょう。特に夏は紫外線が多いですが、妊娠中はシミやソバカスが目立ちやすいので、日焼け対策の日傘や上着・日焼け止めも必要ですね(※2)。
妊娠中は何が起こるか分からないので、いざというときのために母子手帳と携帯電話は必需品です。また、脱水症状を防ぐために飲み物も持っておくようにしましょう。妊娠中は喉が渇きやすいので、こまめに水分を摂取するようにしてくださいね。
妊娠中にウォーキングを楽しく続けるコツ
妊娠中にウォーキングをするのは良いことですが、ただただ歩き続けるだけだと苦痛に感じてしまうかもしれません。そこで、無理せず楽しくウォーキングできるコツをご紹介します。
ウィンドウショッピング
広いデパートの中をウィンドウショッピングしながら、ゆっくりと歩き回ってみましょう。意外と距離があり、気分転換にもなりますよ。空調もきいているので体への負担も外を歩くよりは軽くなるでしょう。疲れたらすぐに座ることができるのもいいですね。
パートナーとお散歩
パートナーと一緒にウォーキングをすれば、夫婦のゆっくりした時間を作ることができます。パートナーの健康にも役立ち、いいこと尽くしですね。
遠めの場所へ買い物に行く
いつものスーパーよりもちょっとだけ遠めのスーパーを目的地にしてみてください。いつもと同じ買い物でも、場所が変わるだけで新鮮な気分を味わえますよ。ただしあまり重いものを買ってしまうと体への負担になってしまうので、注意してくださいね。
妊娠中にウォーキングをするときの注意点は?
おなかが痛い、出血があった、おなかが張るなど、いつもと何か違うと少しでも違和感があるときは、ウォーキングはお休みしましょう。
特に歩きすぎには注意が必要です。いくら妊婦さんに負担の少ないウォーキングとはいえ、頑張って歩きすぎるとおなかの張りを感じやすくなってしまいます。
ウォーキング中に違和感があったら、その場でウォーキングをやめて休憩をしましょう。落ち着いたら、タクシーやバスなどで帰ることをおすすめします。
ウォーキングで健康的な妊娠生活を
運動不足になりやすい妊娠中に、自分でペースを調整しやすいウォーキングはおすすめの運動です。時間や荷物に注意しながら、負担のないようにウォーキングを楽しんでください。
ときにはパートナーと一緒にウォーキングに出かけて、2人で健康的なマタニティライフを過ごせるといいですね。