妊娠期間中は、その時期その時期によって様々な呼び方があります。妊娠後期に入ると「正産期」という言葉を耳にする妊婦さんも多いのではないでしょうか。今回は、正産期について、いつからいつまでのことをいうのか、臨月との違い、おすすめの過ごし方、正産期を過ぎたときの対応をご説明します。
正産期とは?臨月との違いは?
妊娠37週0日から41週6日までの間に出産することを「正期産」といいます(※1)。正産期は正期産の期間を指しますが、「正期産」は医療用語であるのに対し、「正産期」は医療用語ではなく、一般的な俗語として知られています。
出産するのに最も適した時期で、37週0日を過ぎた赤ちゃんは体の機能や皮下脂肪が十分発達しているため、安心して母体から出て、外の環境に適応できる状態です。
正産期に出産している人はどれくらい?
「こそだてハック」の読者アンケート(※)によると、妊娠37週0日から41週6日の間に出産した人の割合は、全体の約95%でした。
正産期と臨月は違うの?
「臨月」とは、妊娠10ヶ月目(妊娠36週〜)のことをあらわす言葉として使われます。正産期と同じように、「臨月」も医療用語ではなく一般的な俗語として知られています。
臨月という期間の中の、お産が近い数週間を正産期だと勘違いしている人も多いですが、臨月と正産期は別ものです。
妊娠22週0日~36週6日に出産することを「早産」というため、臨月の最初の週(36週)に出産した場合は、早産に分類されます(※1)。
正産期の過ごし方は?
正産期に入ると、出産が近づいていることに緊張してしまうかもしれませんが、ママになる前の最後の貴重な時間です。出産に向けた準備をしながらも、自分なりの有意義な時間を過ごしましょう。
ここでは、正産期におすすめの過ごし方をご紹介します。
産後なかなか食べられないものを食べる
焼肉やフルコースなどのレストランは、赤ちゃん連れでは行きにくい場所。今のうちに味わっておきましょう。
生クリームや辛いものなど、母乳に影響が出やすいといわれているものは、授乳が始まるとなかなか食べられなくなります。出産前に少しだけ楽しんでおくと、ストレス解消になり、前向きな気持ちになれるかもしれませんね。
糖分・塩分の摂りすぎや過度な体重増加に気をつけながら、食べることを楽しんでくださいね。
運動をして出産に向けた体作りをする
陣痛がきてから赤ちゃんが産まれるまで、短い人でも数時間、長い人だと24時間を超えるため、とにかく体力が必要です。
妊娠中期から運動をしている人も、引き続き無理はしない程度に階段の上り下りや軽いウォーキングをして体を動かしておきましょう。子宮口を開きやすくし、スムーズな陣痛にもつながりますよ。
しっかり寝て体力を温存する
臨月は、お腹がますます大きくなって寝つきが悪くなりやすい時期。しかし、眠れないからといって、深夜まで起きているのはおすすめできません。
寝不足では出産のための体力を温存できないため、眠れなくても布団に入って横になり体を休めましょう。湯船に入ってしっかり足まで温めると血行が良くなり、寝つきがよくなります。
出産後は夜中の授乳やおむつ替えで寝不足が続きます。好きなだけ寝られるのも今のうちですよ。
出産準備品を整える
出産準備には、入院の準備と産後の生活の準備があります。今一度、入院準備品が揃っているか、産後1ヶ月ほどの育児グッズが揃っているかを確認しておくと安心ですね。
入院準備品は、一つのバッグにまとめて家族がわかる場所に置いて置きましょう。急に入院になったときにも安心です。
足りないものがあれば、お店に買いに行ったり、ネットショップで購入したりしましょう。
正産期の注意点は?
正産期は、いつ赤ちゃんが産まれてきてもおかしくない時期です。一人で外出するときは、自宅からあまり遠い場所には行かないようにして、何かあったときにすぐ家族や病院に連絡できるよう準備しておきましょう。また、母子手帳は常に持ち歩いてくださいね。
予定日が近づいてくると、妊婦健診で子宮口の開きや赤ちゃんの下がり具合を確認します。まだまだ産まれそうもない、というときには、医師や助産師から「もっと動くように」と言われることも。
他にも、出産に向けた生活のポイントを指示されるので、その内容に従って生活するようにしましょう。
お産の始まりは人それぞれで、最初に陣痛が来る人もいれば、破水からスタートする人もいます。いつどこでどのように始まるかは、予想ができないため、正産期に入ったら、いろいろなシチュエーションを想定して心の準備をしておくといいですね。
正産期を過ぎるとどうなるの?
正産期は、出産するのに最も適した時期ですが、その時期を過ぎるとどうなるのでしょうか。
正産期を過ぎた妊娠42週以降も陣痛が来ず分娩に至らないときは、「過期妊娠」と診断され、妊娠42週以降に出産することを「過期産」といいます(※1)。
過期妊娠によって、赤ちゃんが巨大児になったり、まれに羊水過少、羊水混濁といった症状が出たりすることもあるため、陣痛促進剤や卵膜剥離によって出産を促すケースもあります。
どの段階で陣痛促進剤や卵膜剥離に踏み切るかは、医師と相談して決めます。個人病院では産科医が一人という場合も多く、お産が重ならないように予定日を過ぎた時点で促進剤を使用することもあります。
赤ちゃんの経過が順調であれば、そのまま様子をみるケースもあるため、医師としっかり相談してどうするかを決めましょう。
正産期に入ったら出産を意識した過ごし方をしよう
正産期という時期の定義を知り、その時期に出産する妊婦さんがほとんどであることを知ると、より一層、出産に向けて心の準備ができるのではないでしょうか。
かわいい赤ちゃんに会えるのも、もうすぐです。いつ誕生しても対応できるような環境を整えたうえで、残り少ないマタニティライフを楽しみましょう。焦らず、緊張せず、リラックスしてその日を迎えられるといいですね。
※アンケート概要
実施期間:2017年5月26日~6月4日
調査対象:陣痛・出産の経験がある「こそだてハック」読者
有効回答数:369件
収集方法:Webアンケート