臨月に入ると、医師から歩くようにすすめられることがあります。それは適度な運動が、お産を進みやすくさせる安産効果があると考えられているからです。しかしお腹が大きい臨月に散歩をするときは、注意しなければいけない点もあります。今回は、臨月の散歩やウォーキングついて、歩く時間や距離、注意点をご紹介します。
臨月の散歩、ウォーキングは安産にいいの?

安産を迎えるためには、「子宮口が開きやすい」「股関節が柔軟である」「体力がある」の3点が重要です。そして、これらのポイントを実現させるのに効果的なのが、適度な運動です。
臨月に入ると、妊婦健診で内診を行って子宮口の開き具合を確認したり、子宮の中でどれくらい赤ちゃんが下りてきているかを確認したりしますが、その状況によって、医師から体を動かすように言われることがあります。
臨月にできる運動は、スクワットや階段の上り下り、マタニティスイミング、マタニティヨガなどです。なかでもウォーキングや散歩は、自分のペースででき、外の景色も見れて気分転換にもなるので、おすすめですよ。休日はパートナーと一緒に出かけるのもいいですね。
臨月の散歩、ウォーキングの時間や距離はどれくらい?

臨月はいつ陣痛や破水が起こってもおかしくない時期なので、遠出せず、長時間の外出は控えた方が安心です。1回のウォーキングにかける時間は、休憩をはさみながら1~2時間、距離としては1〜3kmくらいを目安にしましょう。
だらだらと歩くよりも少し速いテンポで、リズムよく歩く方が健康効果も上がります。また、疲れを感じたら、こまめに休憩をとることもポイントです。10~15分に一度はベンチや芝生に座って、休憩を入れるようにしましょう。
歩く前はしっかりストレッチをして、無理なく適度にウォーキングを続けていけるといいですね。
臨月の散歩、ウォーキングの注意点は?

臨月は陣痛や破水がいつ起こってもおかしくありません。散歩やウォーキングをするときは、運動中のトラブルを避けるために、以下のことを心がけてみてください。
動きやすい服装をする
ウォーキングシューズやスニーカーなど運動に適した靴を履き、パンツスタイルでウォーキングをしましょう。ウォーキングの途中で休憩をとる際に体を冷やさないよう、さっと羽織れる薄手の上着を持ち歩いてください。
持ち物は小さめのリュックや斜め掛けできるポーチなどにまとめ、いざと言う時には両手を使えるようにしておくと安心ですね。持ち物の中には、母子手帳、健康保険証、財布、携帯電話、水分補給用の飲み物を忘れずに入れておきましょう。
安全なコースを選ぶ
臨月の妊婦さんは疲れやすく、大きなお腹で足下が見えづらいため、ウォーキングコースは階段や坂道の少ない平坦なルートを選ぶようにしましょう。
また、今まで行ったことがない見知らぬ地ではなく、土地勘がある家の近所を歩くようにしてください。トラブルが起こったときに顔見知りに頼れたり、すぐに自宅に戻れたりするので安心です。
公園の中の遊歩道は、思わぬ所に木の根が張り出していて、足を取られて転ぶ危険性があります。舗装された歩道を歩くようにすると、安心してウォーキングを楽しむことができますよ。道幅が狭く、交通量の多いコースも、万が一のことを考えて避けましょう。
無理をしない
ウォーキング中にお腹の張りや体調不良を感じたときは、すぐに休憩を取り、無理せず自宅に戻りましょう。調子が良いからといって、歩く距離を伸ばしてしまうと、帰り道がつらくなることもあります。
臨月は前駆陣痛が起きてお腹が張りやすいので、お腹の状態にはいつも気を配っていてください。
周りの音が聞こえる状態にしておく
イヤホンで音楽を聴きながら歩くおんが好きな妊婦さんは、人の声や自転車のベル、車のエンジン音が十分に聴き取れるくらいの音量にしてください。イヤホンを片耳だけにするのもいいですね。
天気のいい日に歩く
雨や強風など天気が悪い日は、道も滑りやすくなり危険も増すので、散歩やウォーキングをするのはやめておきましょう。しかし、天気がいいからといって快晴の日や真夏日に散歩すると、暑さにさらされて体力が消耗してしまう危険性があるので注意が必要です。
暑さが強い日に歩くときは、日よけ用の帽子や日傘を準備しておきましょう。また、こまめに水分補給することも忘れないでくださいね。
臨月の散歩、ウォーキングは自分のペースで

家事やスクワットも妊娠中の適度な運動になりますが、景色の変わる散歩やウォーキングは気分転換の効果もあり、なにかと不安な気持ちになりがちの臨月にはぴったりです。
運動と聞くと、「毎日しないといけないの?」と疑問に思うかもしれませんが、臨月の散歩、ウォーキングは必ずしも毎日する必要はありません。気が向いたときに歩くだけでも健康効果があります。
少しずつでいいので、家の周りを歩く習慣を身につけるようにしてみましょう。歩いただけで、気持ちが軽くなることをきっと体感できますよ。
赤ちゃんとあと少しで会える臨月は、安全第一に行動することが大切です。無理せず、自分のペースで散歩やウォーキングをしながら、安産に向けた体作りをしていきたいですね。