妊婦は腹筋運動をした方がいいの?妊娠中におすすめの鍛え方は?

監修専門家 鍼灸按摩マッサージ指圧師、IASTM、NKT、PRI、ERS 島田 健
島田 健 累計約3万件の施術経験。東京医療専門学校本科にて鍼灸按摩マッサージ指圧師の国家資格を取得。在学中より様々な著名人やアスリートの通う治療院に勤め、その後コンディショニング施設にて治療面とトレーニング面か... 監修記事一覧へ

腹筋運動といえば、仰向けから体を起こす動作が思い浮かぶかと思います。「妊娠中に腹筋運動をする」と聞くと驚いてしまうかもしれませんが、実は妊婦さんが腹筋を鍛えておくことで、色々なメリットがあるのです。今回は妊娠中に腹筋を鍛えた方がいい理由と、おすすめの鍛え方についてご紹介します。

そもそも妊婦は運動した方がいいの?

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妊娠中に運動することは、身体的にも精神的にも良い効果が期待できます。

妊娠すると、お腹が大きくなるなど女性の体にはさまざまな変化が起き、痛みなどのトラブルも起きやすくなります。体調に支障がない程度に運動して筋肉を鍛えておくと、妊娠中の腰や股関節の痛みを軽減させることができます。

また、体力をつけておくことで、安産になりやすく、産後の回復が比較的早い傾向にあります。

さらに、妊娠中はホルモンバランスの変化で不安感やイライラを感じやすいものですが、運動をすることで気分転換ができ、落ち着いた精神状態を保つことができます。

ストレスが原因で下痢や胃痛など、消化器系のトラブルも起きやすいので、運動でストレス解消することも大切です。

なぜ妊婦は腹筋を鍛えた方がいいの?

妊娠中 腹筋 鍛える 24167563

妊娠中はつわりやお腹のふくらみといった体の変化で、どうしても運動量が減り、筋肉が衰えてしまいがちです。筋肉の衰えは、妊娠中のトラブルとして多い腰痛や背中の痛みを引き起こしやすく、妊娠前にできていたことができなくなるなど、日々の生活にも影響を与えます。

また、運動不足によって生じた体の痛みによって、体を動かすことが億劫になって、さらに運動不足になるという悪循環に陥ってしまうことも。

そうなると基礎代謝が落ちてしまい、食事だけで体重をコントロールしないといけないのでつらいですよね。こうした状況にならないよう、妊娠中でも、できる範囲で体を動かしておきたいものです。

そして、特に鍛えておきたいのが腹筋です。腹筋を鍛えると、腰や背中の痛みを防ぐことができるだけでなく、出産時にいきみのための力を出しやすくなります。医師から運動しても問題ないといわれたら、無理のない範囲で腹筋を鍛えておきましょう。

妊婦はいつから腹筋を鍛えてもいいの?

妊婦 お腹

妊娠15週までの妊娠初期は流産が起きやすく、体調も安定しにくい時期なので、万全を期して妊娠中期に入ってから腹筋運動を始めた方がいいでしょう。

どうしても妊娠初期から腹筋を鍛えたい場合は、医師に相談してみてください。妊娠初期にできる運動のなかから、腹筋を鍛えることにつながる運動をおすすめしてくれるかもしれません。

妊婦におすすめの腹筋の鍛え方は?

妊婦 運動

妊娠中の腹筋運動は、過度にお腹に負荷がかからないものを選びましょう。また、腹筋運動中にお腹の張りを感じたら、すぐに中止して、安静にしてくださいね。ポイントは、特に息を吐くときに呼吸を意識することです。深呼吸をしながらすると良いでしょう。

屈伸

まず肩幅と同じ広さに足を開いて立ち、ゆっくり体をかがめていきます。このとき、手は頭の後ろに回して組んでおくのがベストです。ただ、お腹が大きくてやりづらければ、手を膝に置くか、まっすぐ前に伸ばした状態で行いましょう。

そして、またゆっくり立ち上がって元の姿勢に戻ります。深呼吸をしながら行うと、リラックスできますよ。5回1セットから始めて、慣れてきたら少しずつ回数を増やし、1日2~3セット行いましょう。

体ひねり

床に座り、ひじとその反対側の膝をくっつけるというシンプルな方法です。右ひじと左ひざ、左ひじと右ひざをそれぞれくっつけるように動くと、自然に体をひねることになり、腹筋も鍛えられます。

できる範囲で構いませんので、ゆっくりと行いましょう。左右1回ずつを5セットから始め、1日10~15セットが目安です。

上体起こし

まず床に仰向けで寝そべります。そして、上体をゆっくり起こし、きつくない程度にその姿勢を保ちます。

いたってシンプルな運動なため、ついついやりすぎてしまうことも。無理せず、あくまで自分のペースで続けていきましょう。このとき、首に力が入ってしまわないように気をつけてください。

妊娠中に腹筋運動をするときの注意点は?

妊娠中の腹筋運動は、お腹の張りを感じているときはお休みしましょう。また、運動中にお腹が張ってきたら、すぐに止めて、安静にして様子を見てください。

長時間の腹筋運動も禁物です。目安としては1回あたり10~15分。体力を消耗しやすい高温多湿の場所での運動も控えておきましょう。

腹筋運動は、継続した方が効果は出やすいのですが、毎日のノルマを作って行うのは精神的なストレスが溜まってしまいますよね。「お腹の張りはあるけど、継続してやった方がいいから、今日も腹筋をしなければ」と気負いすぎないようにしてください。

運動前後にしっかり水分補給しながら、体調が良いときに、無理のない範囲で腹筋運動をしていきましょう。

妊娠中の腹筋運動はゆっくり焦らず

マタニティヨガやマタニティスイミングなど、妊婦さん向けの運動は様々です。ただ、お腹が大きくなってきたら、あまり外出もできず、自宅にいる時間も長くなります。自宅で手軽にできる腹筋運動は、妊娠中でも取り組みやすいですよね。

簡単に見えるような動作でも、自分のペースでじっくり腹筋を鍛えていけるというのも、腹筋運動のうれしい点です。妊娠中は体調を第一にしながら、負担がかからない程度にゆっくり腹筋を鍛えていきましょう。

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