臨月に入ってからの運動でおすすめなのが、自宅でできる「スクワット」です。しかし、スクワットをしたことがない人や、正しい方法がわからない人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、臨月のスクワットの効果や、やり方、回数についてご紹介します。
妊婦さんが臨月にスクワットをするときの注意点は?
まず臨月にスクワットをするときには、気をつけておきたいポイントを確認しておくことが大切です。以下の点に気をつけてくださいね。
転倒防止のために何を掴んでおく
お腹が大きいとバランスを取りづらくよろめいてしまうおそれがあるため、手すりや机など、何かを掴んだ状態で行いましょう。
ゆっくりと行う
妊娠経過が順調であれば、無理なく呼吸ができる適度な有酸素運動を続けることが推奨されています(※1)。
激しく負荷をかけてしまうと無酸素運動になるため、正しいフォームと呼吸することを意識しながらゆっくりと行いましょう。
体調を最優先にする
めまいがある、お腹が張りやすいなど体調がすぐれないときは、無理に運動はせずに楽な姿勢で休むようにしましょう。
もし妊娠高血圧症候群や子宮頸管無力症と診断されている場合など医師から運動を制限されている人は、スクワットはせず安静に過ごすようにしてくださいね(※1)。
臨月のスクワットは陣痛や安産に効果があるの?
スクワットが陣痛を起こす効果には医学的根拠はありませんが、次のような安産の効果が期待できます。
骨盤底筋が鍛えられる
骨盤底筋を鍛えることによって、伸びが良く強い筋肉を作り上げることができるといわれています。骨盤底筋の伸縮性が高い状態であれば、子宮口がスムーズに開きやすくなり、お産が長引かず安産につながりますよ。
「お産のときになるべく会陰切開をしたくない」という妊婦さんのなかには、スクワットだけでなく会陰マッサージをする人もいます。
出産に向けた筋力・体力がつく
出産は体力勝負です。特に初産の方はお産の時間も長くなる傾向にあるので、長い陣痛に耐えることができるよう、スクワットで下半身を中心に筋力・体力をつけておきたいですね。
臨月のスクワットのやり方は?何回したらいいの?
臨月のスクワットは、以下の手順で行いましょう。
2. 背筋を伸ばし、息を吸いながらゆっくりとしゃがむ
3. 膝がつま先よりも前にでないようにおしりを後ろに下げ、少し上半身を倒す
4. 地面と太ももが平行になるような状態で数秒キープする
5. 少し間を置き、ゆっくりと立ち上がる
たくさんの数をこなそうとは思わず、1日10回程度を1セットとして、毎日1~2セット続けていきましょう。
多くても5セットくらいにとどめて、無理をしないようにしてくださいね。
臨月のスクワット中にもし破水したらどうする?
破水は赤ちゃんと羊水を包む卵膜が、赤ちゃんの頭が押す力に耐えきれず破れることで起こります。
破水のタイミングは人それぞれで、特に体を動かしていなくても破水することはあります。
もし臨月にスクワットをしていて破水が起きたら、すぐに産婦人科に連絡をしましょう。
破水自体は異常なことではなく、慌てる必要はありません。病院へ行くまでは大きめのタオルや夜用のナプキンをあてるなどして、落ち着いて対処してください。破水後は、細菌感染を防ぐため入浴は避けてくださいね(※2)。
破水は、尿漏れやおしるしとの区別がつかないこともあるので、色や臭い、量などの違いを知っておくと安心ですよ。
臨月にはスクワットなどで適度な運動を
マタニティヨガやウォーキングなど、安産につながる運動は色々ありますが、スクワットは「短い時間で、どこでもできる」という点でおすすめです。1日10回でも、コツコツ地道に続けてくださいね。