臨月に入ると「あまり活動的にもなれないけど、家でじっとしていると体がなまってしまうし…」と、何をして過ごそうかと悩みますよね。また妊婦健診で、「もう少し体を動かしましょう」と言われる妊婦さんも少なくありません。そんな妊婦さんには、安産につながるスクワットがおすすめ。今回は、そんな臨月のスクワットのやり方、回数、効果についてご紹介します。
妊婦さんは臨月に動いたほうがいいの?

臨月とは、正期産の時期よりも少し前の「妊娠36週0日~39週6日」までを指し、「いつ産まれてもおかしくない」という時期です。
臨月に適度な有酸素運動をすることで、子宮口が開きやすくなったり、股関節が柔軟になったりとスムーズな出産の助けになることが期待できます。
また、お産は長丁場になることがあるので、筋力や体力をつけておくことも大切です。体を動かして血行を改善することで、腰痛が改善されることもあります(※1)。
ただし、妊娠高血圧症候群や子宮頸管無力症と診断されている場合など、医師から運動を制限されている人は必ずそれを守るようにしましょう(※1)。
臨月のスクワットは陣痛や安産に効果あり!

妊娠経過が順調であれば、妊娠期間を通して適度の有酸素運動を続けることが推奨されています(※1)。有酸素運動とは、「無理なく呼吸ができる運動」のことです。
ウォーキングや軽いジョギングなども有酸素運動に入りますが、雨が降ってしまったり外出する余裕がなかったりするとできないのが難点ですよね。
そこで、軽いスクワットであれば室内の限られたスペースでもできるのでおすすめですよ。具体的には次のような効果が期待できます。
骨盤底筋を鍛えて安産に
骨盤底筋を鍛えることによって、伸びが良く強い筋肉を作り上げることができます。
「お産のときになるべく会陰切開をしたくない」という妊婦さんのなかには、スクワットだけでなく会陰マッサージをする人もいます。
出産に向けた筋力・体力がつく
出産は体力勝負です。特に初産の方はお産の時間も長くなる傾向にあるので、長い陣痛に耐えることができるよう、スクワットで下半身を中心に筋力・体力をつけておきたいですね。
子宮口が開きやすくなる
スクワットをすると骨盤に力がかかって骨盤が広がりやすくなるため、赤ちゃんが子宮内で下りてきやすくなります。
赤ちゃんがだんだん下がっていくと、子宮口が刺激されて開いていきます。子宮口の開きがスムーズだと、お産が長引かなくて済む可能性がありますよ。
臨月のスクワットのやり方は?

筋トレとして行う通常のスクワットのように、手を頭の後ろや腰に添えながらやるのはおすすめできません。お腹が大きいとバランスを取りづらく、よろめいてしまうこともあるからです。
バリアフリー用の手すりや机など、何かを掴んだ状態で行いましょう。あくまでも「有酸素運動」であることが大切なので、息を止めないように気をつけてくださいね。
1. 両足を肩幅より少し広げ、背筋を伸ばしたまま、ゆっくりとしゃがむ
2. 勢いをつけず、少し間を置き、ゆっくりと立ち上がる
たくさんの数をこなそうとは思わず、1日10回程度を1セットとして、毎日1~2セット続けていきましょう。多くても5セットくらいにとどめて、無理をしないようにしてくださいね。
妊婦さんが臨月にスクワットをするときの注意点は?

臨月に入っていて、「よく体を動かしてください」と妊婦健診で言われている場合には、スクワットをする前に医師の許可を得る必要は特にありません。疲れない程度にスクワットをしましょう。
ただし、めまいがあるなど体調がすぐれないときは、すぐにスクワットを中止して楽な姿勢で休んでくださいね。
臨月のスクワットには破水の危険性もある?

破水は、赤ちゃんと羊水を包む卵膜が、赤ちゃんの頭が押す力に耐えきれず破れることで起こります。
破水をした場合は、お産をする病院に入院して経過を見ていく必要があります。
破水が起こるかどうか、またそのタイミングはその人の卵膜の状態などにもよるので、特に体を動かしていなくても破水することはあります。
ただし、スクワットを行うと日常生活とはまた違った負担が体にかかるため、無理はしないように気をつけましょう。
臨月のスクワットで破水したらどうする?

臨月にスクワットをしていて破水が起きたら、すぐに産婦人科に連絡をしましょう。
破水自体は異常なことではなく、慌てる必要はありません。病院へ行くまでは大きめのタオルや夜用のナプキンをあてるなどして、落ち着いて対処してください。破水後は、細菌感染を防ぐため入浴は避けてください(※2)。
破水は、尿漏れやおしるしとの区別がつかないこともあるので、色や臭い、量などの違いを知っておくと安心ですよ。
スクワット以外で臨月におすすめの運動は?

臨月を迎えると、お腹が重くなって動くのも大変な時期ですが、スムーズな出産のためにも適度な運動は必要です。スクワットのほかに、次のような運動もおすすめです。
● 階段の昇り降り
● 雑巾掛け
● ウォーキング
● マタニティヨガ
臨月に妊婦さんがやってはいけない運動は?

臨月の適度な運動は、陣痛の促進や安産のために効果的ではありますが、次に挙げるような運動は安全のため避けるようにしましょう。
● 息が上がるほど激しい運動(ジムでの激しい筋トレなど)
● ジャンプする運動(縄跳びやトランポリンなど)
● 転倒の恐れがある運動(サイクリングなど)
● 衝突の恐れがある運動(バスケットボールやバレーボールなど)
臨月にはスクワットなどで適度な運動を
マタニティヨガやウォーキングなど、安産につながる運動は色々ありますが、「短い時間で、どこでもできる」という点で、スクワットは便利ですよ。1日10回でも、コツコツ地道に続けていきましょう。
出産はもうすぐそこまで近づいていますが、焦らず、落ち着いた日々を過ごせるといいですね。