妊娠中に性行為をしてもいい?妊娠初期に性交渉するときの注意点は?

監修医師 産婦人科医 間瀬 徳光
間瀬 徳光 2005年に山梨医科大学(現 山梨大学)医学部を卒業。板橋中央総合病院を経て、現在は沖縄県立中部病院 総合周産期母子医療センターに勤務。産婦人科専門医、周産期専門医として、一般的な産婦人科診療から、救... 監修記事一覧へ

妊娠中でも互いの愛を確かめ合いたいと思う夫婦は多いと思いますが、「妊娠中に性行為をしても大丈夫なのかな…」という不安もありますよね。そこで今回は、妊娠中に性行為をしてもいいのか、いつまで大丈夫なのかや、妊娠初期・中期・後期別の注意点などをご紹介します。

妊娠中に性行為はできるの?いつまで大丈夫?

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赤ちゃんはママのお腹のなかで、子宮と羊水にしっかりと守られています。妊娠の経過が正常であれば、性行為をしても、基本的には問題ないといわれています。

妊娠中の性行為については世界的にも様々な研究がなされており、性行為が早産や前期破水などにつながったという報告もあれば、関連性がないとの報告もあります(※1,2)。

ただし、感染症には注意が必要です。妊婦さんは妊娠前に比べて免疫力が下がっており、精液に含まれる細菌や腟内の細菌が、子宮内に感染してしまう可能性があります。

感染は早産の要因となるものです。妊娠中に性行為を行うときは、必ずコンドームを使用するようにしてください(※1)。

妊娠中の性行為を控えた方が良いときは?

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妊娠中の性行為に問題はないといっても、妊娠経過が順調であることが前提です。以下のような状態のときは、性行為を控えるようにしてください。

・出血が見られる
・お腹に張りや痛みがある
・切迫流産や切迫早産である、またはその兆候が見られる
・以前の妊娠で早産だった
・子宮頸管が短いと診断されている
・前置胎盤や低置胎盤と診断されている
・絨毛膜羊膜炎やクラミジアなどの感染症と診断されている
・子宮頸管無力症と診断されている、またはそのリスクがある
・破水している
・医師から安静を指示されている

妊娠中の性行為で流産のリスクはあるの?

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流産は多くの場合、受精卵の染色体異常など、胎児側の原因によって起こります。つまり、受精した時点で流産のリスクはほぼ決まるともいえます。

そのため、妊娠中の性行為が直接的に流産につながることは、基本的にほとんどありません。

ただし、子宮頸管無力症のリスクのある人は、妊娠中期以降の性行為が流産や早産を誘発する可能性があるため、まずは医師に相談しましょう。

また、精液中に含まれている「プロスタグランジン」や、女性がオルガズムを得たときに分泌が促される「オキシトシン」は、子宮収縮を引き起こすホルモンです。

これらのホルモンによって子宮の収縮が促されると、流産や早産につながる可能性があると指摘されています(※3)。

妊娠中の性行為は、コンドームを使用し、あまり激しく行いすぎないようにしましょう。

また、妊娠中の性行為が流産を引き起こさないことが多いとはいえ、痛みを伴うほど激しい性行為をしたり、夜更かしをしてしまったりすると、母体に負担をかけてしまうので注意してください。

妊娠中の性行為はいつまでできる?頻度は?

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前述の通り、妊娠中の性行為が胎児に影響を与える可能性は少ないと考えられているため、妊娠初期から妊娠後期まで、いつ性行為を行っても構わないと考えられています。ただし、無理のない範囲で行うようにしましょう。

頻度についても、特に制限はありません。週2~3回以上性行為を行っても、お産や赤ちゃんに対して有害な影響がなかったという研究結果もあります(※1)。

ただし、毎日性行為を行って疲れてしまってはよくないので、頻度は自分の体と相談しながら考えましょう。

妊娠初期の性行為で注意すべきことは?

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妊娠初期は、胎児の心音が確認されて経過が順調であれば、性行為をしても問題ありません。

妊娠初期はお腹も大きくなっておらず、体の自由も利くので、無理をしてしまいがちです。妊娠中であることを忘れず、激しい性行為は控えてくださいね。

また、妊娠初期はつわりに悩まされやすく、体調が優れないことも多いと思います。体調を優先して、無理をしないようにしてください。

妊娠中期の性行為で注意すべきことは?

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妊娠中期は子宮や胎児の状態が安定して、つわりも落ち着く時期なので、体調が良ければ性行為は問題なくできます。妊娠初期には性欲がなかった妊婦さんが、妊娠中期には性欲が戻ってくることもあるようです。

ただし、妊娠中期は段々とお腹が張りやすくなります。性行為後にお腹が張ったら、安静にして経過を見るようにしてください。

また、突然の流産につながる子宮頸管無力症を発症する時期でもあるため、リスクのある人は性行為を控えた方が良いでしょう。

お腹の張りがすぐに治まらず、長く続く場合は、切迫早産や切迫流産の兆候である可能性もあります。産婦人科の医師に相談するようにしましょう。

妊娠後期の性行為で注意すべきことは?

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妊娠後期になると、お腹が大きくなって動きづらくなりますが、経過が順調であれば性行為をすることはできます。お腹に負担のかからない体位で行いましょう。

妊娠後期はこむら返りが起きやすい時期です。性行為中に足に力が入ると、反動で足がつってしまう可能性があるので、激しい性行為は控えたほうがいいですね。

また、臨月に入ってからの性行為を「お迎え棒」といって、陣痛を促すというジンクスがありますが、これを裏付ける医学的証拠はありません(※1)。

妊娠中の性行為で出血があったら?

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妊娠中は腟や子宮頸部の血液量が増加して充血しているので、性行為後に出血することがあります。

ほとんどは一時的なものですが、しばらくしても出血が止まらない場合や、鮮血のような血が増えてくる場合は、切迫早産や切迫流産の兆候である可能性も考えられます。

すぐに病院を受診し、性行為の後に出血した旨を医師に伝えてください。

妊娠中に性行為をしたくないときは旦那さんと話し合おう

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妊娠中は、体調不良で気分が悪かったり、大きくなったお腹が気になったりして、パートナーに性行為を求められてもなかなか気が乗らないことがあるかもしれません。

気が乗らないのに無理に性行為に至ってしまうと、ストレスを感じ、夫婦関係の悪化にもつながりかねません。他の愛情を育む方法に取り組んだり、性欲が出てくるまで待ってもらったりと、解決策をみつけてみましょう。

ただし、そっけなく断ったり、怒ったりすると、旦那さんはショックを受けて傷ついてしまうことも。自分の体の状態や不安な気持ちなどをきちんと伝え、2人で話し合うことが大切ですよ。

赤ちゃんが生まれると、夫婦2人でゆっくり過ごせる時間も徐々に減っていきます。今しかない2人の時間を大切に過ごせるといいですね。

妊娠中の性行為は無理をしないことが大切

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妊娠中は安全面に気を配りながら、お互いの関係を大切にする性行為を心がけましょう。決して無理をしてはいけません。自分と赤ちゃんの体や気持ちを第一に考えましょう。

また、健康状態に少しでも懸念があれば、性行為をしても良いかどうか、妊婦健診の際に医師に確認しましょう。性行為について相談することは決して恥ずかしいことではありませんし、安全のために大切なことです。不安な気持ちを取り除いて、旦那さんといいコミュニケーションを取れるといいですね。

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