新生児がかかりやすい病気は?こんな症状が出たら要注意!

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県横浜市のなごみクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担... 監修記事一覧へ

新生児は弱々しく見え、ちょっとした体の変化が気になるものです。心配事が気苦労で終わることもありますが、なかには病気を発症しているケースもあり、いつもと様子が違うときの対処には注意しなければいけません。今回は新生児がかかりやすい病気や、注意したい症状についてご紹介します。

新生児は病気にかかりやすいの?

赤ちゃん 新生児

生後28日未満の赤ちゃんを「新生児」と呼びます。

この時期は動きがゆっくりで、目や耳の機能も未熟なので、弱々しく見えますが、実はママから引き継いだ抗体の力で守られています。外の世界でたくさんのウイルスや細菌にさらされても、元気に過ごせるのは、そのおかげなのです。

ただし、ママからの抗体は万能ではなく、すべての病原体から守ってくれるというわけではありません。新生児でも病気にかかることがあるので、日頃から赤ちゃんの体調をしっかり観察しておくことが大切です。

新生児がかかりやすい病気は?

新生児 赤ちゃん 泣く 日本人

新生児がかかりやすい病気はいくつかあり、それぞれの特徴は以下の通りです。

百日咳

百日咳菌に感染して百日咳にかかると、発症後1~2週間ほどは咳や鼻水など風邪のような症状が見られます。その後、顔を赤くして息ができないほどの激しい咳が2~3週間ほど続きます。

生後6ヶ月以下の子供がかかると、肺炎や脳炎など命に危険が及ぶ可能性があるので、百日咳が疑われるときは、早めに病院を受診してください(※1)。

感染性胃腸炎

感染性胃腸炎は、ウイルスや細菌感染に感染して、胃腸が炎症を起こす病気です。病原体によって現れる症状は異なりますが、主な症状としては嘔吐や下痢、発熱があります。

新生児に嘔吐がみられる場合、脱水症状になりやすいので、病院へ向かってください。

尿路感染症

尿路感染症は、おしっこの出口である尿道口からウイルスや細菌が尿路に侵入して、炎症を起こす病気です。生後6ヶ月になるまでは、女の子より男の子の方が発症しやすい傾向にあります(※2)。

尿路感染症を起こすと、尿の頻度が増え、排尿時に痛みを感じますが、赤ちゃんは痛みを言葉で表現できないため、機嫌が悪くなったり泣いたりして、症状を訴えます。

感染が上部の尿路にまで拡大すると、発熱したり、おっぱいやミルクの飲みが悪くなったりします。症状としては発熱と哺乳低下のみですが、早めに病院を受診しましょう。

新生児髄膜炎

新生児髄膜炎は、脳や脊髄を包み込んでいる髄膜の中に、細菌やウイルスが入り込んで炎症を起こす病気です。

細菌感染による新生児髄膜炎が起きると、後遺症が出たり、命に危険が及んだりする恐れがあり、注意が必要です(※3)。

高熱や嘔吐、おっぱいやミルクの飲みが悪い、意識の低下、顔色が悪い、痙攣、呼吸困難など新生児髄膜炎の症状が現れた場合は、すぐに小児科を受診してください。

新生児の病気で注意したい症状は?

赤ちゃん 黄疸 新生児 日本人

新生児が病気にかかると、様々な症状が現れますが、なかには以下のような注意すべき症状があります。

長引く黄疸

赤ちゃんの肌が黄色くなる黄疸はよく見られ、生後1~2週間ほどで次第に治まっていきます。

黄疸の症状が強い場合や、生後2週間以上経っても良くならない場合は、母乳性黄疸の可能性もありますが、黄疸が濃くなった場合には新生児溶血性黄疸や先天性胆道閉鎖症といった病気にかかっている可能性があるので、きちんと検査をしてもらいましょう(※4)。

噴水状の嘔吐

新生児はおっぱいやミルクを飲むのに慣れていないので、飲んだ後にうまくゲップが出ず、吐き戻してしまうことがあります。吐いてしまっても、体重が順調に増えていて、しっかり飲んでくれているのであれば、過度に心配する必要はありません。

しかし、授乳直後に噴水のように勢いよく吐き戻してしまうときは、胃の出口が狭くなっている「幽門狭窄症」の可能性があり、医師に診てもらう必要があります。

湿疹

新生児の肌はバリア機能が弱く、胎児のときにママから譲り受けたホルモンの影響もあって、乳児湿疹が現れやすくなっています。乳児湿疹は特別な治療は必要なく、肌の清潔や保湿を心がけて対処していきます。

ただ、乳児湿疹とアトピー性皮膚炎は見分けがつきにくく、乳児湿疹だと思っていたものがアトピー性皮膚炎だった、というケースもあります。アトピー性皮膚炎は症状が良くなったり悪くなったりを繰り返すという特徴があるので、スキンケアを行っても症状の改善が見られないときは、小児科または皮膚科を受診しましょう。

あざ

毛細血管の異常増殖などが原因で、皮膚の表面に赤や青紫のあざができることがあります。

生理的な現象として起こるとされている「新生児中毒性紅斑」は自然に消えていきますが、境目がはっきりしている「単純性血管腫」や皮膚が少し盛り上がっている「海綿状血管腫」といったあざは、大きくなっても自然に消えません。

赤ちゃんの体に気になるあざがあるときは、まずは医師に診てもらいましょう。

痙攣

新生児がしばらくの間、顔色を悪くして手足を小刻みにぶるぶると震わせている場合、痙攣を起こしているかもしれません。新生児の痙攣の原因としては、頭蓋内出血などの脳の病気のほか、先天性代謝異常や感染症が考えられます。

新生児が痙攣を起こしたときは、すぐに病院を受診してください。

呼吸が速い・息苦しそう

早産の赤ちゃんは肺が未発達の可能性があり、RSウイルスなどによる肺炎、気管支炎を起こすことがあります。

呼吸が浅く速い、チアノーゼが現れている、呼吸時に胸がへこむといった症状があるときは、早めに医療機関を受診しましょう。

新生児期の赤ちゃんは病気の早期発見が大切

日本人 赤ちゃん 新生児 ママ

新生児は泣いたり、機嫌を悪くしたりすることで、体の異変を訴えます。そのため、体に何らかの異常が起きれば、周囲の大人が気づいてあげる必要があります。

基本的には「おっぱいの飲みが悪くないか」「ぐったりしていないか」「顔色が悪くないか」」「体重が増えているか」などを日頃から見ておきましょう。少しでも異変に気づいたときは、小児科の医師に相談してください。

インフルエンザなど、病気をもらうのが心配で病院へ行くことに躊躇いがあるときは、電話で症状を伝えて指示を仰ぐのも一つの方法です。いずれにしても、気になる症状が見られるときは、早めの対処を心がけましょう。

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